現場から伝える呼吸機能検査のコツ 基本のスパイロメトリーから精密検査まで
1版
弘前大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座 田坂定智 編
北里大学医療衛生学部医療検査学科 横場正典 編
定価
4,950円(本体 4,500円 +税10%)
- B5判 184頁
- 2025年1月 発行
- ISBN 978-4-525-21391-6
医療従事者の苦手「スパイロメトリー」「呼吸機能検査」に関する現場の悩みがスルスル解決する!
呼吸機能検査(スパイロメトリー)は,すべての医療従事者にとって基本の検査でありながら,苦手意識を持つ人がとても多い.用語の難解さや数式の多さがその一因ではあるが,それに加えて「患者の協力なしにはできない検査」だからでもある.検査が上手くいかなかったとき,患者には何と言ってあげるべきなのだろう? そのような現場の疑問に対する答えが,学会等が発行するガイドラインや教科書には書かれてこなかった.
現場の視点で書かれた本書は,実際に検査し,患者に接する検査技師,看護師の悩みを解決してくれるだろう.
- 序文
- 目次
序文
呼吸機能検査は,呼吸器診療において非常に重要な役割を果たしており,診断から治療方針の決定に至るまで,多くの局面で欠かせない検査の一つです.患者さんの呼吸器疾患の早期発見,経過観察,治療効果の評価など,呼吸機能を正確に把握することは,病態の理解と治療の適正化に大きく寄与します.しかし,呼吸機能検査を実施するためには,適切な知識と技術が求められ,また検査技師や看護師,さらには医師をはじめとする多職種が連携して取り組む必要があります.
本書は,呼吸機能検査に関わる初心者の方々や実務経験のある方まで幅広い読者を念頭に,現場視点での実践的な情報を提供することを目的として編纂されました.特に,検査技師や看護師,また呼吸器に関する知識を深めたい医療従事者の方々を念頭に置き,理論的な知識に加え,実際の検査手技や患者対応,トラブルシューティングの具体例も盛り込んでいます.
呼吸機能検査は一見シンプルに見えるかもしれませんが,その正確な実施には,さまざまな要素が絡み合っています.例えば,患者さんの協力を得るためのコミュニケーション能力や,測定器の取り扱いに関する技術とノウハウ,さらには得られたデータを正しく解釈するための知識も重要です.本書では,初心者でも理解しやすいように,検査の基礎から応用までを段階的に解説し,現場で役立つノウハウを余すことなく提供することを心掛けました.
また,さまざまな疾患の診療において呼吸機能検査の結果をどのように評価し,どのような治療に結びつけていくかという点についても触れています.呼吸器疾患の病態は多岐にわたっており,その一つ一つに対する適切な検査と解釈が求められます.本書では,実際に遭遇しがちな症例を通して,臨床での応用力を高めるための実践的なアプローチも紹介しています.特に,換気機能検査や拡散能力を測定する検査の理解は,疾患の早期発見や進行度の評価において非常に重要です.
呼吸機能検査の技術は,単なる手技を越えて,患者さんとの信頼関係を築くための重要なツールであると私たちは考えています.患者さん一人一人の状態に応じた適切な検査を提供するために,われわれ医療従事者が積み重ねてきた経験を基に,さらに進化し続けることが求められています.本書を通じて,呼吸機能検査に関わるすべての方々が,日々の業務において自信を持って検査を実施し,その結果を患者さんの診療に最大限に生かせるようになることを願っております.本書が,医療現場で活躍する皆さんの役に立ち,呼吸機能検査を通じてよりよい診療が提供できる一助となれば幸いです.
2024年11月
・弘前大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座 田坂定智
・北里大学医療衛生学部医療検査学科 横場正典
本書は,呼吸機能検査に関わる初心者の方々や実務経験のある方まで幅広い読者を念頭に,現場視点での実践的な情報を提供することを目的として編纂されました.特に,検査技師や看護師,また呼吸器に関する知識を深めたい医療従事者の方々を念頭に置き,理論的な知識に加え,実際の検査手技や患者対応,トラブルシューティングの具体例も盛り込んでいます.
呼吸機能検査は一見シンプルに見えるかもしれませんが,その正確な実施には,さまざまな要素が絡み合っています.例えば,患者さんの協力を得るためのコミュニケーション能力や,測定器の取り扱いに関する技術とノウハウ,さらには得られたデータを正しく解釈するための知識も重要です.本書では,初心者でも理解しやすいように,検査の基礎から応用までを段階的に解説し,現場で役立つノウハウを余すことなく提供することを心掛けました.
また,さまざまな疾患の診療において呼吸機能検査の結果をどのように評価し,どのような治療に結びつけていくかという点についても触れています.呼吸器疾患の病態は多岐にわたっており,その一つ一つに対する適切な検査と解釈が求められます.本書では,実際に遭遇しがちな症例を通して,臨床での応用力を高めるための実践的なアプローチも紹介しています.特に,換気機能検査や拡散能力を測定する検査の理解は,疾患の早期発見や進行度の評価において非常に重要です.
呼吸機能検査の技術は,単なる手技を越えて,患者さんとの信頼関係を築くための重要なツールであると私たちは考えています.患者さん一人一人の状態に応じた適切な検査を提供するために,われわれ医療従事者が積み重ねてきた経験を基に,さらに進化し続けることが求められています.本書を通じて,呼吸機能検査に関わるすべての方々が,日々の業務において自信を持って検査を実施し,その結果を患者さんの診療に最大限に生かせるようになることを願っております.本書が,医療現場で活躍する皆さんの役に立ち,呼吸機能検査を通じてよりよい診療が提供できる一助となれば幸いです.
2024年11月
・弘前大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座 田坂定智
・北里大学医療衛生学部医療検査学科 横場正典
目次
0章 総論(塩田智美)
1. 呼吸機能検査の意義
2. 用語の定義/記号
3. 呼吸機能検査の全体図
Column SpO2の正しい表記
1章 スパイロメトリー:検査の流れ(濱田恭)
1. スパイロメトリーとは
2. 検査前の準備
3. 検査中
4. 検査後
2章 肺気量分画(松岡志保,田邊晃子,山澤稚子)
1. 肺気量分画とは
2. 検査方法
3章 努力肺活量(田坂定智)
1. はじめに
2. 検査で得られる数値と意味するもの
3. 検査開始前の準備と精度管理
4. 検査方法
5. 測定準備
6. 基本的な手技
7. 妥当性の確認
8. 再現性の確認と結果の選択
4章 肺拡散能(佐藤理子,木村孔一)
1. 肺拡散能とは
2. DLCOとD’LCO
3. 臨床における肺拡散能検査の意義
4. 検査方法
5章 その他の検査
1. 喘息の検査
1)気管支拡張薬反応性検査(気道可逆性検査)(関谷潔史)
2)気道過敏性検査(標準法,アストグラフ法)(関谷潔史)
3)FENO検査(糸賀正道,田坂定智)
4)呼吸抵抗(Rrs)(オシロメトリー法)(黒澤一)
5)呼吸中枢機能検査(塩田智美)
2. 心肺運動負荷試験(CPET)(古川雄一郎,浅井一久)
3. 終夜睡眠検査(簡易検査,ポリソムノグラフィー)(塩田智美)
6章 呼吸機能検査によってわかる疾患
1. COPD(小荒井晃)
2. 気管支喘息(横場正典)
3. 閉塞性細気管支炎(田坂定智)
4. 特発性肺線維症(IPF)(横場正典)
5. 肺高血圧症(笠原靖紀)
6. 睡眠時無呼吸症候群(塩田智美)
7. 神経筋疾患(田坂定智)
1. 呼吸機能検査の意義
2. 用語の定義/記号
3. 呼吸機能検査の全体図
Column SpO2の正しい表記
1章 スパイロメトリー:検査の流れ(濱田恭)
1. スパイロメトリーとは
2. 検査前の準備
3. 検査中
4. 検査後
2章 肺気量分画(松岡志保,田邊晃子,山澤稚子)
1. 肺気量分画とは
2. 検査方法
3章 努力肺活量(田坂定智)
1. はじめに
2. 検査で得られる数値と意味するもの
3. 検査開始前の準備と精度管理
4. 検査方法
5. 測定準備
6. 基本的な手技
7. 妥当性の確認
8. 再現性の確認と結果の選択
4章 肺拡散能(佐藤理子,木村孔一)
1. 肺拡散能とは
2. DLCOとD’LCO
3. 臨床における肺拡散能検査の意義
4. 検査方法
5章 その他の検査
1. 喘息の検査
1)気管支拡張薬反応性検査(気道可逆性検査)(関谷潔史)
2)気道過敏性検査(標準法,アストグラフ法)(関谷潔史)
3)FENO検査(糸賀正道,田坂定智)
4)呼吸抵抗(Rrs)(オシロメトリー法)(黒澤一)
5)呼吸中枢機能検査(塩田智美)
2. 心肺運動負荷試験(CPET)(古川雄一郎,浅井一久)
3. 終夜睡眠検査(簡易検査,ポリソムノグラフィー)(塩田智美)
6章 呼吸機能検査によってわかる疾患
1. COPD(小荒井晃)
2. 気管支喘息(横場正典)
3. 閉塞性細気管支炎(田坂定智)
4. 特発性肺線維症(IPF)(横場正典)
5. 肺高血圧症(笠原靖紀)
6. 睡眠時無呼吸症候群(塩田智美)
7. 神経筋疾患(田坂定智)