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徹底深掘り!蜂窩織炎 ジェネラリストのための皮膚軟部組織感染症診療ガイド

1版

社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院 総合内科 部長
佐藤直行 編
京都大学大学院医学研究科医療経済学分野
長野広之 編

定価

5,500(本体 5,000円 +税10%)


  • B5判  264頁
  • 2024年4月 発行
  • ISBN 978-4-525-23891-9

できる医師ほどコモンな疾患に手を抜かない

コモンだけど奥深い,皮膚軟部組織感染症診療の羅針盤.ガイドラインだけで解決できない困りごとをまとめて解決!

  • 序文
  • 目次
序文
 本書は,細菌感染症を中心に皮膚軟部組織感染症(skin and soft tissue infections:SSTI)について,関連領域も含めてまとめた書籍です.SSTI診療についてはガイドラインがあるものの,ありふれた蜂窩織炎や丹毒の診断についてはそもそも臨床診断が主体のために誤診もしばしば起こり,治療反応が悪いときの判断も難しいことが多く,現場ではガイドラインだけで解決できない問題にいくつも遭遇します.そして感染症を治して終わりではなく,感染の原因となった病態の治療・ケアや再発予防など,SSTI診療には内科だけにとどまらない多領域にわたる知識が必要になります.とてもコモンなSSTIなのですが,案外こういった現場の“ちょっとした困りごと”も含めた数々の疑問にまとめて答えてくれるリソースは限られているのが現状です.
 そこで今回,総合内科・総合診療科や感染症内科だけでなく,多くの診療科(そして薬剤室)において第一線で活躍する先生方のご協力のもと,“コモンだけど奥深い”SSTI診療の羅針盤となるような書籍を編集させていただきました.2024年は,アメリカ感染症学会のSSTIガイドラインの最終アップデートから10年目となります.そんな年に「ガイドラインに書かれていない“かゆいところ”に手が届くような,現場で役立つ書籍を!」という思いを込めて,本書をお届けいたします.SSTI診療はまさにジェネラリストの腕の見せ所です.読者のみなさまには,SSTIについて思う存分“深掘り”していただき,その診療スキルを日常診療に実装していただければ幸甚です.
 最後になりましたが,的確なご助言で舵取りとブラッシュアップをしていただいた共同編集者の長野広之先生,最初はつぶやき程度だったこの企画を拾ってくださり形にしていただいた南山堂編集部の片桐洋平様,多忙にもかかわらず細かい(マニアックな)執筆依頼に対応してくださった執筆者の先生方,そしてこれまで私にかかわってくださったすべての皆様に心から感謝申し上げます.

2024年1月 桜咲く沖縄にて
佐藤直行
目次
Ⅰ章 総 論
 1 落とし穴にはまらない蜂窩織炎診療を心がけよう
 2 蜂窩織炎の診断プロセスを深める

Ⅱ章 蜂窩織炎/丹毒の診断編
 3 蜂窩織炎/丹毒の背景因子・重症化リスクを見極める
 4 蜂窩織炎/丹毒の臨床症状 ─部位や全身症状に特徴はありますか?─
 5 Tips 両側性の蜂窩織炎はありますか?
 6 蜂窩織炎/丹毒の身体診察を深める ─発赤以外に何をみたらいいですか?─
 7 蜂窩織炎/丹毒の一般的な原因菌 ─年齢と罹患部位によっても変わりますか?─
 8 基礎疾患・曝露歴と蜂窩織炎/丹毒 ─稀な細菌はいつ考えますか?─
 9 Tips 真菌性・抗酸菌性の蜂窩織炎を考えるとき
 10 培養検査を深める ─血液培養はどういった患者で採取すべきですか?─
 11 画像検査を深める ─診療に役に立つ検査は何ですか?─
 12 Tips 蜂窩織炎患者はDVTを合併しやすいですか?

Ⅲ章 蜂窩織炎mimickers編
 13 うっ滞性皮膚炎
 14 皮膚膿瘍
 15 深部静脈血栓症(DVT)
 16 単〜少関節炎(結晶誘発性,化膿性)
 17 トキシックショック症候群
 18 結節性紅斑
 19 Sweet病

Ⅳ章 蜂窩織炎/丹毒の治療,マネジメント編
 20 蜂窩織炎/丹毒の入院適応を見極める ─内服と注射どちらで始めたらいいですか?─
 21 蜂窩織炎/丹毒に対する抗菌薬の初期選択 ─コモンな細菌に対するempiric therapy─
 22 MRSAをカバーするのはどんなとき?
 23 稀な原因菌に対する抗菌薬の使い方
 24 蜂窩織炎/丹毒の治療効果判定・経過観察の仕方を深める
 25 蜂窩織炎/丹毒の治療期間を深める ─何を指標に治療期間を決めますか?─
 26 蜂窩織炎の在宅治療戦略
 27 蜂窩織炎/丹毒の非薬物治療と抗菌薬以外の薬物療法
 28 蜂窩織炎/丹毒の再発予防を深める ─誰にどんな予防ができますか?─
 29 白癬のみかた
 30 糖尿病性足潰瘍を疑ったときの評価とマネジメント
 31 糖尿病のフットケア ─感染予防の観点から─

Ⅴ章 蜂窩織炎/丹毒の診療で注意しておきたい近縁病態編
〈壊死性筋膜炎〉
 32 壊死性軟部組織感染症(NSTI)総論 ─壊死性筋膜炎以外に何がありますか?─
 33 壊死性筋膜炎のリスクと症状・身体診察を深める ─早期症状のうちに見抜くために─
 34 Tips “昨日元気で今日ショック,皮疹があればもうけもの”
 35 壊死性筋膜炎の画像検査を深める
 36 壊死性筋膜炎の予測スコアの使い方と診断のための侵襲的検査 ─踏み切る決め手は何ですか?─
 37 Tips 壊死性軟部組織感染症診療に役立つグラム染色の使いどき
 38 壊死性筋膜炎の原因菌と初期抗菌薬選択を深める
 39 デブリードマンについてジェネラリストが知っておくべきこと ─goldentime から周術期管理まで─
 40 Tips 抗菌薬・デブリードマン以外の治療はありますか?
 41 壊死性筋膜炎の治療期間を深める
〈褥瘡感染〉
 42 褥瘡感染の疫学・リスク
 43 褥瘡感染の臨床症状と局所所見を深める ─見抜きかたのコツは?─
 44 Tips 骨髄炎合併の評価
 45 褥瘡感染の培養検査を深める ─原因菌を見極めるために─
 46 褥瘡感染に対する抗菌薬選択と治療期間を深める
 47 褥瘡感染における軟膏・ドレッシング材選択のコツと注意点
 48 褥瘡感染に対する外科的処置

Ⅵ章 押さえておきたい周辺知識編
 49 手術部位感染症
 50 化膿性筋炎
 51 ガス壊疽
 52 海外渡航と皮膚感染症
 53 小児の皮膚軟部組織感染症 ─蜂窩織炎・丹毒・伝染性膿痂疹を中心に─
 54 βラクタムアレルギーがあるときの蜂窩織炎治療選択
 55 Tips D-test:クリンダマイシンの感受性解釈のピットフォール
 56 蜂窩織炎診療における抗MRSA薬の使い分け
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