カテゴリー: 総合診療医学/プライマリ・ケア医学 | 呼吸器学
私は咳をこう診てきた
1版
亀井内科・呼吸器科 院長/亀井道場 主催者 亀井三博 著
定価
2,200円(本体 2,000円 +税10%)
- A5判 164頁
- 2013年7月 発行
- ISBN 978-4-525-24891-8
咳を制する者はプライマリ・ケアを制する!「亀井道場」の主催者が,感染症から喘息,COPD,在宅看取りまで症例をあげて解説.
患者さんとのやり取りから,何を考えどんな検査をし,結果をどう解釈して正しい診断と治療法にたどり着くか,それと同時に患者さんの生活をいかに支えていくかについて,エキスパートの思考過程が覗ける一冊である.
- 目次
- 序文
目次
目次
1.出会い
2.咳の章
A.咳との出会いとこの本を書くに至ったいきさつ
B.咳を定義する
1.まず慢性の咳の例か
Case1.隗より始めよ 76歳女性
2.急性の咳について考えてみる
Case2.Classicな症例 26歳女性 幼稚園教諭
Case3.求めよ,さらば与えられん 39歳女性 営業職 非喫煙
マイコプラズマ抗体—測るべきか測らざるべきか—
Case4.肺がんを心配して来院 42歳男性
Case5.喘息が悪化? 65歳男性 元喫煙 事務職
Case6.いつものやつを 70歳女性 喫煙
グラム染色を巡って
Column 抗菌薬を使用しないという決断
3.亜急性の咳
Case7.昔の名前の復権 42歳女性 事務職 非喫煙
Case8.証明されることもある 43歳女性 事務職 喫煙
百日咳を巡って
Column クラミドフィラ・ニューモニア感染症を巡って
Case9.久しぶりの来院 54歳男性 非喫煙 保険会社営業
Case10.意外な伏兵 87歳女性 非喫煙
Case11.Like a rolling stone 61歳女性 Iさん
4.ふたたび慢性の咳
Case12.個人的な体験 57歳男性 元喫煙 医師
Column 咳につける薬はある?
Case13.おなじみの咳 45歳男性
Case14.旅路の果て 36歳女性 人材派遣会社勤務 非喫煙
C.咳診断を巡るロジック
1.頻度 —診療場所という情報—
2.患者の背景
3.咳に関する情報
4.理学所見をとる
5.検査の選択
6.実際の診療の流れ
病歴から
理学所見
検査
作戦:治療しながら経過をみる
①見通しを告げる
②効果がなかったらどうするか?
③百日咳抗体,クラミドフィラニューモニア抗体,マイコプラズマ抗体が陽性だったらどうするか
診断をつけるという作業へのこだわり
3.気管支喘息の章
A.継続は力なり
Case15.喘息治療の歴史と共に 74歳男性 元大工
B.気管支喘息と診断する
Case16.寝耳に水 36歳女性 非喫煙 事務職
C.常連にな
Case17.待てば海路の日和あり 41歳男性
D.病歴は告げる
Case18.今から思えば Sさん 42歳男性 喫煙20本/日 19年
E.生活の質を改善する
Case19.夢の甲子園 82歳男性
4.COPDの章
Case20.息切れは紫煙と共に 67歳男性
5.在宅ケアの章
Case21.すべては暮らしのために 77歳女性 主婦
Case22.耳を傾ける 69歳女性 主婦
Case23.僕はいつも君の傍に 72歳男性
Case24.病を得てなお 70歳男性
Case25.黄色い涙 72歳男性
6.終わりの章
1.出会い
2.咳の章
A.咳との出会いとこの本を書くに至ったいきさつ
B.咳を定義する
1.まず慢性の咳の例か
Case1.隗より始めよ 76歳女性
2.急性の咳について考えてみる
Case2.Classicな症例 26歳女性 幼稚園教諭
Case3.求めよ,さらば与えられん 39歳女性 営業職 非喫煙
マイコプラズマ抗体—測るべきか測らざるべきか—
Case4.肺がんを心配して来院 42歳男性
Case5.喘息が悪化? 65歳男性 元喫煙 事務職
Case6.いつものやつを 70歳女性 喫煙
グラム染色を巡って
Column 抗菌薬を使用しないという決断
3.亜急性の咳
Case7.昔の名前の復権 42歳女性 事務職 非喫煙
Case8.証明されることもある 43歳女性 事務職 喫煙
百日咳を巡って
Column クラミドフィラ・ニューモニア感染症を巡って
Case9.久しぶりの来院 54歳男性 非喫煙 保険会社営業
Case10.意外な伏兵 87歳女性 非喫煙
Case11.Like a rolling stone 61歳女性 Iさん
4.ふたたび慢性の咳
Case12.個人的な体験 57歳男性 元喫煙 医師
Column 咳につける薬はある?
Case13.おなじみの咳 45歳男性
Case14.旅路の果て 36歳女性 人材派遣会社勤務 非喫煙
C.咳診断を巡るロジック
1.頻度 —診療場所という情報—
2.患者の背景
3.咳に関する情報
4.理学所見をとる
5.検査の選択
6.実際の診療の流れ
病歴から
理学所見
検査
作戦:治療しながら経過をみる
①見通しを告げる
②効果がなかったらどうするか?
③百日咳抗体,クラミドフィラニューモニア抗体,マイコプラズマ抗体が陽性だったらどうするか
診断をつけるという作業へのこだわり
3.気管支喘息の章
A.継続は力なり
Case15.喘息治療の歴史と共に 74歳男性 元大工
B.気管支喘息と診断する
Case16.寝耳に水 36歳女性 非喫煙 事務職
C.常連にな
Case17.待てば海路の日和あり 41歳男性
D.病歴は告げる
Case18.今から思えば Sさん 42歳男性 喫煙20本/日 19年
E.生活の質を改善する
Case19.夢の甲子園 82歳男性
4.COPDの章
Case20.息切れは紫煙と共に 67歳男性
5.在宅ケアの章
Case21.すべては暮らしのために 77歳女性 主婦
Case22.耳を傾ける 69歳女性 主婦
Case23.僕はいつも君の傍に 72歳男性
Case24.病を得てなお 70歳男性
Case25.黄色い涙 72歳男性
6.終わりの章
序文
鴉の啼かない日はあっても咳の音が聞こえない日はない.そんな日常からこの本は生まれた.企画がスタートしたのは2011年4月のことである.宮崎 仁 先生の主催する西尾幡豆プライマリケアネットワーク(PCNN)でお話しする機会を与えていただき,先生からその内容を本にしないかとご提案いただいたのがはじまりである.多くの先生方のご意見を集約した咳診療のバイブルのようなものができれば理想であるが,あえて私一人の個人的意見を集約したものとなった.それはとてもエビデンスと呼べるものではないが,咳とそれに悩む人たちに向き合ってきた日々の証である.文中あえて「筆者」ではなく「私」とさせていただいた理由はそこにある.
本文では,それらの日々から生まれた記録をもとにできるだけ私の思考の過程がわかるように,実際の診療の流れに即して,思考の誤りも含めて漏らさず記載するように心がけた.通常の症例提示のように簡潔を旨とせず物語として書かせていただいたため,やや冗長に感じられる向きもあるかもしれないが,ご容赦願いたい.その欠点を補う意味も含め,ケースによっては思考の流れを簡略化した図を呈示させていただいた.これらの作業は私に自らの診療を振り返り俯瞰する良い機会となった.そして改めて咳の原因疾患の数々,特に百日咳,マイコプラズマ,クラミドフィラ感染についての知識を整理する機会となった.当初は咳の話だけにと思ってスタートしたが,いつの間にか,あるいは必然的に気管支喘息,COPDそして在宅ケアへと話が進んだ.ここにあるのは現在の私のすべてである.皆様のご経験,ご意見,ご批判を寄せていただければ幸いである.
この本がすべての咳に悩む患者さん達,その診療を担当する方々のお役に立つことができれば望外の喜びである.
本を書くように勧めていただいた宮崎 仁 先生,足かけ2年以上辛抱強く遅々として進まぬ私の原稿が仕上がるのを待っていただき,励ましていただいた南山堂編集部 佃 和雅子さん,宇津木菜緒さんのおかげでこの本は上梓できた.感謝を捧げたい.
そして病めるときもそれが癒えたときも,あるいは病と暮らしながらも素敵な笑顔を見せていただき私を励ましていただく事の多い患者さんたち,診療所で遅れがちな私の診療をカバーし支えてくれているスタッフ,在宅ケアの要である訪問看護師さんたち,そしてどんなときも笑顔を忘れず患者さんたちそして私を支えてくれている妻 美恵子に感謝を込めてこの本を捧げる.
2013年5月 夜が明けるのを待ちながら
亀井三博
本文では,それらの日々から生まれた記録をもとにできるだけ私の思考の過程がわかるように,実際の診療の流れに即して,思考の誤りも含めて漏らさず記載するように心がけた.通常の症例提示のように簡潔を旨とせず物語として書かせていただいたため,やや冗長に感じられる向きもあるかもしれないが,ご容赦願いたい.その欠点を補う意味も含め,ケースによっては思考の流れを簡略化した図を呈示させていただいた.これらの作業は私に自らの診療を振り返り俯瞰する良い機会となった.そして改めて咳の原因疾患の数々,特に百日咳,マイコプラズマ,クラミドフィラ感染についての知識を整理する機会となった.当初は咳の話だけにと思ってスタートしたが,いつの間にか,あるいは必然的に気管支喘息,COPDそして在宅ケアへと話が進んだ.ここにあるのは現在の私のすべてである.皆様のご経験,ご意見,ご批判を寄せていただければ幸いである.
この本がすべての咳に悩む患者さん達,その診療を担当する方々のお役に立つことができれば望外の喜びである.
本を書くように勧めていただいた宮崎 仁 先生,足かけ2年以上辛抱強く遅々として進まぬ私の原稿が仕上がるのを待っていただき,励ましていただいた南山堂編集部 佃 和雅子さん,宇津木菜緒さんのおかげでこの本は上梓できた.感謝を捧げたい.
そして病めるときもそれが癒えたときも,あるいは病と暮らしながらも素敵な笑顔を見せていただき私を励ましていただく事の多い患者さんたち,診療所で遅れがちな私の診療をカバーし支えてくれているスタッフ,在宅ケアの要である訪問看護師さんたち,そしてどんなときも笑顔を忘れず患者さんたちそして私を支えてくれている妻 美恵子に感謝を込めてこの本を捧げる.
2013年5月 夜が明けるのを待ちながら
亀井三博