カテゴリー: 循環器学
東大医学部の学生とつくった 循環器病ロジカルテキスト
1版
東京大学大学院医学系研究科循環器内科学講座 教授
小室一成 企画・監修
東京大学大学院医学系研究科循環器内科学講座 講師
森田啓行 編集
東京大学大学院医学系研究科循環器内科学講座 特任講師
武田憲文 編集
定価
6,600円(本体 6,000円 +税10%)
- B5判 302頁
- 2023年5月 発行
- ISBN 978-4-525-24951-9
東京大学循環器内科による完全監修! 病態生理を通して見れば,循環器病学はおもしろい,奥深い
東京大学医学部の学生とつくった,医学生や研修医・専攻医向けの循環器病学テキスト!
発生学や解剖生理学,さらには分子医学(遺伝子)も含めた病態生理の知識の整理を通して,循環器疾患への深い理解と,診療のなかで使えるロジカルな視点が身につきます.
臨床のなかで直面する「なぜ,この検査を行うの?」「なぜ,この治療が用いられるの?」といった疑問への「答え」を導き出せる力を得るために役立つ1冊です.
- 序文
- 目次
序文
本書の刊行にあたって
本書は,東京大学医学部の学生が循環器疾患の病態生理に関してまとめたレポート集である.すべての疾患を体系的に網羅した,いわゆる「教科書」ではない.「先天性心疾患」「心不全」「虚血性心疾患」「不整脈」「心筋症」「大血管疾患」「高血圧症」「肺高血圧症」「循環器疾患薬物治療」「多臓器連関」の10領域に関して,東京大学循環器内科教官の指導のもと,東京大学医学部の学生が多くの時間をかけて分担執筆した.いずれも病態生理に関して相当に深掘りされており,読みごたえのある一冊になっている.
そもそも本書は,私が2008年千葉大学医学部教授時代に企画・編集した,「臨床で役立つ循環器ベーシックテキスト」(メディカルレビュー社)の精神を15年後の現在に受け継ぎ,企画・編集されたものである.
Most of you will not and need not do basic research, but I hope that all of you always ask how this patient develops the disease.”(Dr. Judah Folkman)
若い医師の大学離れが進んでいる昨今であるが,彼の言うように,研究をしないまでも,日常の診療において,「どうしてこの患者はこの病気になったのか?」と,常に問いかける“physician scientist”になってもらいたいものである.
(「臨床で役立つ循環器ベーシックテキスト」 序より引用)
本書を医学生・医師がphysician scientistを目指す一助として是非お勧めしたい.
最後になりましたが,医学部学生の執筆に助言・指導を頂いた東京大学循環器内科教官の先生がた,ならびに,南山堂の谷邊美早紀さんに厚く御礼を申し上げます.
2023年3月
東京大学大学院医学系研究科循環器内科学講座 教授
小室一成
本書は,東京大学医学部の学生が循環器疾患の病態生理に関してまとめたレポート集である.すべての疾患を体系的に網羅した,いわゆる「教科書」ではない.「先天性心疾患」「心不全」「虚血性心疾患」「不整脈」「心筋症」「大血管疾患」「高血圧症」「肺高血圧症」「循環器疾患薬物治療」「多臓器連関」の10領域に関して,東京大学循環器内科教官の指導のもと,東京大学医学部の学生が多くの時間をかけて分担執筆した.いずれも病態生理に関して相当に深掘りされており,読みごたえのある一冊になっている.
そもそも本書は,私が2008年千葉大学医学部教授時代に企画・編集した,「臨床で役立つ循環器ベーシックテキスト」(メディカルレビュー社)の精神を15年後の現在に受け継ぎ,企画・編集されたものである.
Most of you will not and need not do basic research, but I hope that all of you always ask how this patient develops the disease.”(Dr. Judah Folkman)
若い医師の大学離れが進んでいる昨今であるが,彼の言うように,研究をしないまでも,日常の診療において,「どうしてこの患者はこの病気になったのか?」と,常に問いかける“physician scientist”になってもらいたいものである.
(「臨床で役立つ循環器ベーシックテキスト」 序より引用)
本書を医学生・医師がphysician scientistを目指す一助として是非お勧めしたい.
最後になりましたが,医学部学生の執筆に助言・指導を頂いた東京大学循環器内科教官の先生がた,ならびに,南山堂の谷邊美早紀さんに厚く御礼を申し上げます.
2023年3月
東京大学大学院医学系研究科循環器内科学講座 教授
小室一成
目次
1章 心臓・血管の発生機序から先天性心疾患を捉える
(石津寛治・後藤隆之介)
1-1.心大血管の正常発生
1-2.胎児循環から成人循環へ
1-3.先天性心疾患総論
1-4.非チアノーゼ性心疾患
・心房中隔欠損症(ASD)
・心室中隔欠損症(VSD)
・房室中隔欠損症(AVSD)
・動脈管開存(PDA)
1-5.チアノーゼ性心疾患
・ファロー四徴症(ToF)
・完全大血管転位症(TGA)
・単心室症(SV)
1-6.先天性心疾患の治療法
1-7.成人先天性心疾患(ACHD)
2章 心機能の深い理解から心不全を考える
(森川敬太・森田泰斗・竹石遼平)
2-1.心不全概論
2-2.心不全の評価
2-3.心臓生理
2-4.心不全の病態生理
2-5.心不全の代償機構
2-6.急性心不全の診断と治療
2-7.クリニカル・シナリオ(CS)
2-8.慢性心不全の診断と治療
2-9.心不全における併存疾患
3章 新しい動脈硬化の機序から虚血性心疾患を再考する
(後藤大十・松本卓也・玉田 歩・田村旺子・松井丈迪)
3-1.動脈硬化概論
3-2.動脈硬化のリスク因子
3-3.虚血性心疾患の病態
3-4.冠動脈疾患の分類および病態
・狭心症
・急性冠症候群(不安定狭心症,心筋梗塞)
3-5.冠動脈疾患の検査
3-6.冠動脈疾患の治療
4章 遺伝子,イオンチャネル,基質の複合疾患としてみる不整脈
(佐藤 恒・林 卓矢・小林 敦)
4-1.不整脈概論と病態生理
4-2.代表的な頻拍性不整脈
・心房細動(AF)
・発作性上室頻拍(PSVT)
・心室性不整脈
5章 遺伝子疾患としての心筋症を考察する
(上村(今井)千尋・上村 拓・成相舞花)
5-1.特発性心筋症
・肥大型心筋症(HCM)
・拡張型心筋症(DCM)
・不整脈原性右室心筋症(ARVC)
・拘束型心筋症(RCM)
・左室心筋緻密化障害(LVNC)
5-2.二次性心筋症
・心アミロイドーシス
・たこつぼ心筋症
・筋ジストロフィー
・ミトコンドリア心筋症
・グリコーゲン蓄積性心筋症
・Fabry病
・周産期心筋症(PPCM)
6章 遺伝素因と環境素因から考える大血管疾患
(要 知輝・黒住篤優)
6-1.正常大血管の構造と機能
6-2.大動脈瘤,大動脈解離,大動脈炎
6-3.特定の原因と大動脈疾患
6-4.遺伝性大動脈瘤
・マルファン症候群(MFS)
・ロイス・ディーツ症候群(LDS)
7章 神経体液性調節異常としての高血圧症
(帯刀健太・長尾一樹)
7-1.高血圧概論
7-2.高血圧の病態生理
7-3.血圧調節機構
7-4.二次性高血圧
7-5.高血圧の治療
8章 肺動脈の特殊性から肺高血圧症を考える
(大沢樹輝・竹内俊博)
8-1.一般的な肺循環と肺高血圧
8-2.肺高血圧症の臨床的特徴
8-3.肺高血圧症の分子生物学的機序と治療
8-4.右心カテーテル検査と肺高血圧症における血行動態評価
8-5.右心機能評価と右心不全
9章 薬理学の臨床応用としての循環器疾患薬物治療
(馬本恒太朗・三輪拓実)
9-1.薬物の「標的」
9-2.自律神経系に作用する薬物
9-3.血管系に作用する薬物
9-4.心筋細胞に作用する薬物
9-5.腎臓に作用する薬物
9-6.凝固系・線溶系に作用する薬物
9-7.症例から学ぶ循環器疾患薬物治療
・高血圧の治療薬
・狭心症の治療薬
・慢性心不全の治療薬
・心房細動の治療薬
・下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)の治療薬
10章 多臓器連関という新しい視点
(小谷昭博・高橋優輔)
10-1.心臓と腎臓の連関 ~心腎症候群~
10-2.心臓と神経の連関 ~neurogenic stress cardiomyopathyを中心に~
10-3.心臓と骨格筋の連関 ~心不全におけるサルコペニアを中心に~
10-4.心不全と代謝異常の連関 ~心脂肪連関~
10-5.心臓と消化管の連関 ~心腸連関~
10-6.心臓と悪性腫瘍の連関 ~腫瘍循環器病学(Onco-cardiology)~
日本語索引
外国語索引
(石津寛治・後藤隆之介)
1-1.心大血管の正常発生
1-2.胎児循環から成人循環へ
1-3.先天性心疾患総論
1-4.非チアノーゼ性心疾患
・心房中隔欠損症(ASD)
・心室中隔欠損症(VSD)
・房室中隔欠損症(AVSD)
・動脈管開存(PDA)
1-5.チアノーゼ性心疾患
・ファロー四徴症(ToF)
・完全大血管転位症(TGA)
・単心室症(SV)
1-6.先天性心疾患の治療法
1-7.成人先天性心疾患(ACHD)
2章 心機能の深い理解から心不全を考える
(森川敬太・森田泰斗・竹石遼平)
2-1.心不全概論
2-2.心不全の評価
2-3.心臓生理
2-4.心不全の病態生理
2-5.心不全の代償機構
2-6.急性心不全の診断と治療
2-7.クリニカル・シナリオ(CS)
2-8.慢性心不全の診断と治療
2-9.心不全における併存疾患
3章 新しい動脈硬化の機序から虚血性心疾患を再考する
(後藤大十・松本卓也・玉田 歩・田村旺子・松井丈迪)
3-1.動脈硬化概論
3-2.動脈硬化のリスク因子
3-3.虚血性心疾患の病態
3-4.冠動脈疾患の分類および病態
・狭心症
・急性冠症候群(不安定狭心症,心筋梗塞)
3-5.冠動脈疾患の検査
3-6.冠動脈疾患の治療
4章 遺伝子,イオンチャネル,基質の複合疾患としてみる不整脈
(佐藤 恒・林 卓矢・小林 敦)
4-1.不整脈概論と病態生理
4-2.代表的な頻拍性不整脈
・心房細動(AF)
・発作性上室頻拍(PSVT)
・心室性不整脈
5章 遺伝子疾患としての心筋症を考察する
(上村(今井)千尋・上村 拓・成相舞花)
5-1.特発性心筋症
・肥大型心筋症(HCM)
・拡張型心筋症(DCM)
・不整脈原性右室心筋症(ARVC)
・拘束型心筋症(RCM)
・左室心筋緻密化障害(LVNC)
5-2.二次性心筋症
・心アミロイドーシス
・たこつぼ心筋症
・筋ジストロフィー
・ミトコンドリア心筋症
・グリコーゲン蓄積性心筋症
・Fabry病
・周産期心筋症(PPCM)
6章 遺伝素因と環境素因から考える大血管疾患
(要 知輝・黒住篤優)
6-1.正常大血管の構造と機能
6-2.大動脈瘤,大動脈解離,大動脈炎
6-3.特定の原因と大動脈疾患
6-4.遺伝性大動脈瘤
・マルファン症候群(MFS)
・ロイス・ディーツ症候群(LDS)
7章 神経体液性調節異常としての高血圧症
(帯刀健太・長尾一樹)
7-1.高血圧概論
7-2.高血圧の病態生理
7-3.血圧調節機構
7-4.二次性高血圧
7-5.高血圧の治療
8章 肺動脈の特殊性から肺高血圧症を考える
(大沢樹輝・竹内俊博)
8-1.一般的な肺循環と肺高血圧
8-2.肺高血圧症の臨床的特徴
8-3.肺高血圧症の分子生物学的機序と治療
8-4.右心カテーテル検査と肺高血圧症における血行動態評価
8-5.右心機能評価と右心不全
9章 薬理学の臨床応用としての循環器疾患薬物治療
(馬本恒太朗・三輪拓実)
9-1.薬物の「標的」
9-2.自律神経系に作用する薬物
9-3.血管系に作用する薬物
9-4.心筋細胞に作用する薬物
9-5.腎臓に作用する薬物
9-6.凝固系・線溶系に作用する薬物
9-7.症例から学ぶ循環器疾患薬物治療
・高血圧の治療薬
・狭心症の治療薬
・慢性心不全の治療薬
・心房細動の治療薬
・下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)の治療薬
10章 多臓器連関という新しい視点
(小谷昭博・高橋優輔)
10-1.心臓と腎臓の連関 ~心腎症候群~
10-2.心臓と神経の連関 ~neurogenic stress cardiomyopathyを中心に~
10-3.心臓と骨格筋の連関 ~心不全におけるサルコペニアを中心に~
10-4.心不全と代謝異常の連関 ~心脂肪連関~
10-5.心臓と消化管の連関 ~心腸連関~
10-6.心臓と悪性腫瘍の連関 ~腫瘍循環器病学(Onco-cardiology)~
日本語索引
外国語索引