イラストを見せながら説明する
子どもの病気とその診かた
1版
順天堂大学 名誉教授 金子堅一郎 編集
定価
9,900円(本体 9,000円 +税10%)
- 四六倍判 546頁
- 2015年4月 発行
- ISBN 978-4-525-28251-6
小児科診療の場で保護者から寄せられる質問や不安に対して,回答・説明する際に(インフォームド・コンセント)役立つ書籍.イラスト頁は保護者向けに病気についてイラストと簡潔な文章で記載し,解説頁は医療者向けに基礎知識・情報をまとめた.保護者と良好な信頼関係を築くことができ的確なインフォームド・コンセントの重要性を学べる書籍.
- 序文
- 目次
序文
小児診療の特徴の一つは,症状や病気についての説明を病人である子どもにではなく,両親や祖父母といった保護者に話すことである.彼らは,自分のこと以上に可愛い子や孫が心配で,気もそぞろである.その病気は何なのか?どうしてそうなるのか?どうすれば治るのか?などの明確な話を聞きたがっている.しかし,実際は専門知識をもっていない彼らにそれらを説明するのは容易ではない.随分前から,インフォームド・コンセントという概念が医療の現場で大きく取り上げられて,その手法による説明が必要となってきた.
1992年に,小児診療においてインフォームド・コンセントを活用するのに役立つものとして,当時の順天堂大学小児科教授の大塚親哉氏が,本書の出版社である南山堂とともに『イラストによるお母さんへの 病気の説明と小児の診療』を企画・出版された.そのコンセプトは,短時間でも説明を受ける人に納得してもらうために,言葉だけでなくイラストや図表を用いたビジュアル的な情報を示すことで理解されやすくすること,また説明する側も必要なことを落とさずに伝えることができるとしたものだった.同時に,それらの根拠となる医学的に重要な情報を解説編として合本した.この書籍は,その後も数回の改訂を加え,長らく版を重ねることができた.しかし,近年の多彩なメディアによる情報過多の状況の中,医学的に正しい知見がインフォームド・コンセントには必要であり,医学の急速な進歩と相まってさらに改訂すべきと考えられた.今回,このような状況に応じるため,前版を一新して,新刊書として本書を発刊することに至った.
本書は前版のコンセプトを継承しつつ,イラスト頁はイラストを主体として充実させ,さらに見やすく,わかりやすくすることを重視した.また,それに続く解説頁では,根拠を示す情報を初期段階の説明に必要なプライマリ・ケア程度までを主体として,全体をコンパクトにまとめることにした.本書の執筆は,順天堂大学医学部の小児科医,関連診療科医として臨床の現場で活躍している諸氏に依頼した.日頃の経験に最新の知見を加えた記述であり,診療所・病院の小児科医・研修医,総合診療専門医を目指す医師のみならず,子どもの医療・保育に携わる看護師,保健師や保育士,養護教員の方々などにも理解されやすく役立つものとなった.大いに利用していただきたい.なお,解説頁には余裕のある限りメモ欄を設けた.本書では掲載できなかったことや,今後の新しい知見などを記入して,本書をさらに充実させていただければ幸いである.
最後に,本書の作成について,快く執筆・推敲を重ねていただいた諸先生方,企画から詳細な編纂まで尽力された南山堂編集部の諸氏に深謝いたします.また,本書作成の道しるべとなる前版の書籍を刊行された恩師の 故 大塚親哉氏に本書の発刊をご報告いたします.
2015年3月
金子堅一郎
1992年に,小児診療においてインフォームド・コンセントを活用するのに役立つものとして,当時の順天堂大学小児科教授の大塚親哉氏が,本書の出版社である南山堂とともに『イラストによるお母さんへの 病気の説明と小児の診療』を企画・出版された.そのコンセプトは,短時間でも説明を受ける人に納得してもらうために,言葉だけでなくイラストや図表を用いたビジュアル的な情報を示すことで理解されやすくすること,また説明する側も必要なことを落とさずに伝えることができるとしたものだった.同時に,それらの根拠となる医学的に重要な情報を解説編として合本した.この書籍は,その後も数回の改訂を加え,長らく版を重ねることができた.しかし,近年の多彩なメディアによる情報過多の状況の中,医学的に正しい知見がインフォームド・コンセントには必要であり,医学の急速な進歩と相まってさらに改訂すべきと考えられた.今回,このような状況に応じるため,前版を一新して,新刊書として本書を発刊することに至った.
本書は前版のコンセプトを継承しつつ,イラスト頁はイラストを主体として充実させ,さらに見やすく,わかりやすくすることを重視した.また,それに続く解説頁では,根拠を示す情報を初期段階の説明に必要なプライマリ・ケア程度までを主体として,全体をコンパクトにまとめることにした.本書の執筆は,順天堂大学医学部の小児科医,関連診療科医として臨床の現場で活躍している諸氏に依頼した.日頃の経験に最新の知見を加えた記述であり,診療所・病院の小児科医・研修医,総合診療専門医を目指す医師のみならず,子どもの医療・保育に携わる看護師,保健師や保育士,養護教員の方々などにも理解されやすく役立つものとなった.大いに利用していただきたい.なお,解説頁には余裕のある限りメモ欄を設けた.本書では掲載できなかったことや,今後の新しい知見などを記入して,本書をさらに充実させていただければ幸いである.
最後に,本書の作成について,快く執筆・推敲を重ねていただいた諸先生方,企画から詳細な編纂まで尽力された南山堂編集部の諸氏に深謝いたします.また,本書作成の道しるべとなる前版の書籍を刊行された恩師の 故 大塚親哉氏に本書の発刊をご報告いたします.
2015年3月
金子堅一郎
目次
第Ⅰ章 症 候
1 発 熱
2 頭 痛
3 意識障害
4 けいれん
5 食欲不振,体重増加不良
6 腹 痛
7 嘔 吐
8 下 痢
9 下血(血便)
10 便 秘
11 黄 疸
12 咳・喘鳴
13 呼吸困難(呼吸不全)
14 心不全,チアノーゼ
15 貧 血
16 出血傾向
17 頸部腫瘤
18 浮 腫
19 血尿,タンパク尿
20 脱水症
21 発達の遅れ
22 精神症状
第Ⅱ章 疾 患
1.先天異常・新生児疾患
1 先天代謝異常,遺伝子病
2 染色体異常,先天奇形
3 母親の病気と出生児
4 新生児の特徴とその異常
5 低出生体重児の疾患
2.消化器疾患
1 口内炎,鵞口瘡
2 急性胃腸炎
3 虫垂炎
4 腸重積,腸閉塞
5 巨大結腸症
6 肥厚性幽門狭窄症
7 胃・十二指腸潰瘍
8 胆道閉鎖症・拡張症
9 肝 炎
10 膵 炎
3.呼吸器・胸部疾患
1 先天性喘鳴
2 かぜ,扁桃炎
3 喉頭炎(クループ)
4 中耳炎,副鼻腔炎,扁桃肥大
5 気管支炎,細気管支炎
6 肺炎,膿胸
7 気管内異物
8 気胸,皮下気腫
4.循環器疾患
1 先天性心疾患
2 不整脈・発作性頻拍症
3 心筋炎・心膜炎,感染性心内膜炎
4 起立性調節障害
5.感染症
1 麻 疹
2 風 疹
3 突発性発疹
4 水痘・帯状疱疹
5 単純ヘルペスウイルス感染症
6 EBウイルス感染症(伝染性単核球症)
7 伝染性紅斑
8 流行性耳下腺炎,反復性・化膿性耳下腺炎
9 インフルエンザ
10 夏の流行性疾患(プール熱,ヘルパンギーナ,手足口病)
11 ブドウ球菌感染症
12 A群溶連菌感染症
13 百日咳
14 破傷風
15 サルモネラ腸炎,カンピロバクター腸炎
16 病原性大腸菌性腸炎(特に腸管出血性大腸菌)
17 敗血症
18 髄膜炎(無菌性・化膿性)
19 結 核
20 寄生虫症
6.免疫・アレルギー疾患
1 気管支喘息
2 アレルギー性鼻炎,花粉症
3 食物アレルギー,じんま疹
4 アトピー性皮膚炎
5 免疫不全症,易感染性
6 若年性特発性関節炎(若年性関節リウマチ)
7 リウマチ熱
8 全身性エリテマトーデス
9 アレルギー性紫斑病
10 川崎病
7.血液・腫瘍性疾患
1 白血病
2 血小板減少性紫斑病
3 鉄欠乏性貧血
4 造血器障害
5 血友病
6 悪性リンパ腫
7 ランゲルハンス細胞組織球症
8 腹部腫瘍,縦隔腫瘍,網膜芽腫
8.腎尿路系疾患
1 微少血尿
2 急性腎炎
3 慢性腎炎
4 ネフローゼ症候群
5 尿路感染症
6 水腎症,膀胱尿管逆流症
9.代謝・内分泌疾患
1 肥満(単純性・症候性)
2 ケトン性低血糖症
3 糖尿病
4 甲状腺機能低下症
5 甲状腺機能亢進症
6 低身長
7 思春期早発症
10.神経・筋疾患
1 小頭症
2 水頭症
3 脳性麻痺
4 神経皮膚症候群─母斑症
5 脳腫瘍
6 脳炎・脳症
7 ギラン・バレー症候群,ポリオ
8 急性小脳失調症
9 熱性けいれん
10 てんかん
11 モヤモヤ病
12 筋ジストロフィー
13 重症筋無力症
11.発達障害・行動異常
1 自閉性障害
2 注意欠如多動性障害(ADHD)
3 学習障害
4 チック障害,トゥレット症候群
5 解離・転換性障害,過換気症候群
6 睡眠障害(夜泣き,夜驚症,夢中遊行症)
7 摂食障害
12.小児保健
1 包茎,小陰茎
2 脊柱側弯症
3 骨粗鬆症,くる病
4 熱中症
5 乳児突然死症候群(SIDS)
6 中毒,異物誤飲
7 頭部外傷
8 スポーツ障害,骨端症
9 熱 傷
10 児童虐待,ゆさぶられっ子
索 引
1 発 熱
2 頭 痛
3 意識障害
4 けいれん
5 食欲不振,体重増加不良
6 腹 痛
7 嘔 吐
8 下 痢
9 下血(血便)
10 便 秘
11 黄 疸
12 咳・喘鳴
13 呼吸困難(呼吸不全)
14 心不全,チアノーゼ
15 貧 血
16 出血傾向
17 頸部腫瘤
18 浮 腫
19 血尿,タンパク尿
20 脱水症
21 発達の遅れ
22 精神症状
第Ⅱ章 疾 患
1.先天異常・新生児疾患
1 先天代謝異常,遺伝子病
2 染色体異常,先天奇形
3 母親の病気と出生児
4 新生児の特徴とその異常
5 低出生体重児の疾患
2.消化器疾患
1 口内炎,鵞口瘡
2 急性胃腸炎
3 虫垂炎
4 腸重積,腸閉塞
5 巨大結腸症
6 肥厚性幽門狭窄症
7 胃・十二指腸潰瘍
8 胆道閉鎖症・拡張症
9 肝 炎
10 膵 炎
3.呼吸器・胸部疾患
1 先天性喘鳴
2 かぜ,扁桃炎
3 喉頭炎(クループ)
4 中耳炎,副鼻腔炎,扁桃肥大
5 気管支炎,細気管支炎
6 肺炎,膿胸
7 気管内異物
8 気胸,皮下気腫
4.循環器疾患
1 先天性心疾患
2 不整脈・発作性頻拍症
3 心筋炎・心膜炎,感染性心内膜炎
4 起立性調節障害
5.感染症
1 麻 疹
2 風 疹
3 突発性発疹
4 水痘・帯状疱疹
5 単純ヘルペスウイルス感染症
6 EBウイルス感染症(伝染性単核球症)
7 伝染性紅斑
8 流行性耳下腺炎,反復性・化膿性耳下腺炎
9 インフルエンザ
10 夏の流行性疾患(プール熱,ヘルパンギーナ,手足口病)
11 ブドウ球菌感染症
12 A群溶連菌感染症
13 百日咳
14 破傷風
15 サルモネラ腸炎,カンピロバクター腸炎
16 病原性大腸菌性腸炎(特に腸管出血性大腸菌)
17 敗血症
18 髄膜炎(無菌性・化膿性)
19 結 核
20 寄生虫症
6.免疫・アレルギー疾患
1 気管支喘息
2 アレルギー性鼻炎,花粉症
3 食物アレルギー,じんま疹
4 アトピー性皮膚炎
5 免疫不全症,易感染性
6 若年性特発性関節炎(若年性関節リウマチ)
7 リウマチ熱
8 全身性エリテマトーデス
9 アレルギー性紫斑病
10 川崎病
7.血液・腫瘍性疾患
1 白血病
2 血小板減少性紫斑病
3 鉄欠乏性貧血
4 造血器障害
5 血友病
6 悪性リンパ腫
7 ランゲルハンス細胞組織球症
8 腹部腫瘍,縦隔腫瘍,網膜芽腫
8.腎尿路系疾患
1 微少血尿
2 急性腎炎
3 慢性腎炎
4 ネフローゼ症候群
5 尿路感染症
6 水腎症,膀胱尿管逆流症
9.代謝・内分泌疾患
1 肥満(単純性・症候性)
2 ケトン性低血糖症
3 糖尿病
4 甲状腺機能低下症
5 甲状腺機能亢進症
6 低身長
7 思春期早発症
10.神経・筋疾患
1 小頭症
2 水頭症
3 脳性麻痺
4 神経皮膚症候群─母斑症
5 脳腫瘍
6 脳炎・脳症
7 ギラン・バレー症候群,ポリオ
8 急性小脳失調症
9 熱性けいれん
10 てんかん
11 モヤモヤ病
12 筋ジストロフィー
13 重症筋無力症
11.発達障害・行動異常
1 自閉性障害
2 注意欠如多動性障害(ADHD)
3 学習障害
4 チック障害,トゥレット症候群
5 解離・転換性障害,過換気症候群
6 睡眠障害(夜泣き,夜驚症,夢中遊行症)
7 摂食障害
12.小児保健
1 包茎,小陰茎
2 脊柱側弯症
3 骨粗鬆症,くる病
4 熱中症
5 乳児突然死症候群(SIDS)
6 中毒,異物誤飲
7 頭部外傷
8 スポーツ障害,骨端症
9 熱 傷
10 児童虐待,ゆさぶられっ子
索 引