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カテゴリー: 皮膚科学  |  臨床薬学

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外用薬の特性に基づいた褥瘡外用療法のキホン

1版

滋賀県立成人病センター 病院長/京都大学 名誉教授 宮地良樹 編集

定価

4,070(本体 3,700円 +税10%)


  • B5判  232頁
  • 2016年9月 発行
  • ISBN 978-4-525-34071-1

基剤が分かればグッと良くなる!
1ランク上の褥瘡外用療法実践ガイド!

褥瘡の代表的な局所治療である,外用薬を用いた皮膚外用療法では,近年あらためて外用薬の基剤の重要性が認識されています.そこで本書は,基剤の特性を考慮した外用薬の使い方の基本の解説と,褥瘡外用療法のプロによるカンファレンス形式での実践的な治療法のレクチャーにより,褥瘡の外用療法について基本から応用まで学べる書籍としました.

  • 目次
  • 序文
目次
第1章 外用薬の特性
1 外用薬とは
2 皮膚病変に応じた基剤の選び方
3 基剤の「水」特性
4 基剤の薬理学的作用
5 褥瘡外用療法で用いる外用薬:総論
6 褥瘡外用療法で用いる外用薬:各論

第2章 褥瘡外用療法の基礎と実践
1 褥瘡の病態とその評価
2 褥瘡の薬物治療戦略
3 外用薬かドレッシング材かの判断のポイント
4 外用薬の選び方と使い方①急性期・慢性期の浅い褥瘡
5 外用薬の選び方と使い方②黒色期
6 外用薬の選び方と使い方③黄色期
7 外用薬の選び方と使い方④赤色期・白色期
8 在宅での外用薬の使い方と注意点

第3章 外用薬使用時・使用後のポイント
1 外用薬を塗布する際のポイント
2 外用薬使用後の洗浄のコツ
3 外用薬使用後の褥瘡モニタリング
4 皮膚の浸軟に対する撥水剤の使い方

第4章 臨床カンファレンスで学ぶ!基剤特性を考慮した外用薬の使い方
1 外科的処置の重要性とヨードホルムガーゼの効用・ユーパスタ軟膏の再評価を学ぶ
2 ユーパスタ・デブリサン®Mixの浮腫性肉芽に対する抑制効果と創収縮効果を学ぶ
3 創面と基剤の知識に基づいて外用薬を選択駆使する絶妙のスキルを学ぶ
4 収縮しにくい場所の創に対する外用療法のセオリーを学ぶ
5 滲出液が少ない踵の壊死組織に対して外用薬を使い分ける極意を学ぶ
6 急性期の外用薬とドレッシング材の使い分けを学ぶ
7 踵の褥瘡から滲出液のコントロールを指標とした外用薬の選択を学ぶ
8 創固定と薬剤滞留性を考慮した外用療法を学ぶ
9 関節可動域の褥瘡を例に水分調節理論/創固定を駆使した集学的局所療法を学ぶ

索引
序文
 本書は「薬局」2015年7月号特集「褥瘡で外用剤を使いこなす―基剤の特性を考慮した皮膚外用療法の実践―」を改編し,新規項目を加えて単行本化したものである.「薬局」の特集では外用薬,とりわけその基剤の特性に再度注目して,皮膚科医も薬剤師も忘れかけていた基剤の選択という視点から褥瘡外用療法を検証してみた.編者らが若いときは,外用薬の基剤選択と適応についてかなり厳しく指導されたが,最近は皮膚科医でさえ,基剤に無頓着で,皮膚病変をわきまえない処方や無節操な混合処方が横行するようになった.その背景として,ステロイドや抗真菌成分などの作用がきわめて強力となり,多少基剤の使用を誤っても,相応の効果が現れるようになったことが挙げられる.これらの成分がなかった時代には,基剤や基礎膏を中心に各皮膚科医秘伝のレシピがあり,微妙な効能・効果を競っていたが,強力な新規主成分の登場により,その手法とともに基剤への関心も霧散してしまった感がある.
 ガイドラインや最近のコンセプトの進歩により,褥瘡治療のスキームがかなり明確となり,従来の創面評価を無視した画一的な治療は一般医の中でも姿を消しつつあるが,褥瘡を含む創傷外用治療においては,創面の正確な評価に基づく基剤にまで配慮した外用薬の選択が必須であり,皮膚科医・薬剤師のスキルが最も活かされるべき領域である.それは皮膚潰瘍が最も基剤の影響を受けやすい皮膚病変であるがゆえに,基剤に対する細心の配慮が必要となるからである.そのようなトレンドの中で幸いにして「薬局」特集は好評のうちに受け容れられたので,増補によりより完璧な書籍化をめざしたのが本書である.
 この目的のために本書では「臨床カンファレンスで学ぶ!基剤特性を考慮した外用薬の使い方」という新たな章を設けた.臨床現場で外用薬の選択に悩む症例を取り上げて,この領域のカリスマ皮膚科医・薬剤師を交えた実践的な討議と解説を行った.より具体的な臨場感あふれるカンファレンス形式で,外用薬選択の悩みが氷解するのではないかと自負している.褥瘡治療の全容については2014年刊行の「まるわかり創傷治療のキホン」(南山堂)で詳説したので,併せてお読みいただければ,外用療法のポジショニングも自ずと明らかになろう.褥瘡治療に携わる医師も薬剤師も,外用薬のエキスパートであるべきで,褥瘡チーム医療の一員として,外用療法において凛としてその専門性を矜持するようになっていただきたい.

2016年8月
第18回日本褥瘡学会学術集会を控えて
滋賀県立成人病センター 病院長 / 京都大学 名誉教授
宮地良樹
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