心身医学的アプローチはじめてみませんか?
ひふとこころ
1版
若松町こころとひふのクリニック 院長 檜垣祐子 著
定価
3,520円(本体 3,200円 +税10%)
- B5判 126頁
- 2025年5月 発行
- ISBN 978-4-525-34101-5
まずは5分から、心身医学的アプローチをはじめてみませんか?
アトピー性皮膚炎を代表とする心身症性皮膚疾患は「心身医学的アプローチ」を併用することで皮膚症状が改善することがわかってきています.でも,具体的にどうしたらよいかわからないし,毎日忙しくてそんな時間はない!と思っているあなた.「まずは5分!」から,心身医学的アプローチをはじめてみませんか?やってみると意外とむずかしくありませんよ.
明日の診療から実践したい!と思えるノウハウが詰まった1冊です.
- 序文
- 目次
序文
「嬉しくて頬をバラ色に染める」,「感動で鳥肌が立つ」というように,皮膚は情動を表現する器官であり,心理状態と密接です.また,ほかの臓器と異なり直接触れることができるという点は,皮膚に特有といってもよいでしょう.「照れて頭を搔く」など,行動の面でも心理状態が関係します.
本書はこのような皮膚を場として起きる皮膚疾患に対する心身医学的アプローチを紹介しています.
皮膚心身医学は必要だとは思うけれどもとっつきにくいとか,用語が難しくて敬遠してしまうというような声を時々聞きます.実は決してそんなに難しいものではありません.通常の身体的診療にちょっとしたヒントを加えることで大きな治療効果が上がったり,視点を変えて診療してみることで,アプローチの糸口が見つかったりします.
著者が基本にしているのは行動をより適切なものに修正していくことで,心身医学の初学者にもお勧めのアプローチ法です.なぜかというと「行動」はある意味見えるからです.皮膚科医は見たものを分析して判断することが得意ですし,患者さん達も多くの場合「見える」皮膚の変化に悩まされていますので,「見える」ものに焦点を当てたアプローチは,治療者と患者さんの両方にとって取り組みやすい方法だと思うのです.
そういった経験をまとめて皮膚心身医学の入門的な本ができないものかと思案していたところ,幸運なことに書籍化のお話をいただき,ここに「心身医学的アプローチはじめてみませんか?ひふとこころ」の1冊が出来上がりました.
本書はChapterⅠからⅤで構成されていますが,どこから読み始めてもよいように,ところどころに(p.○○参照)のように道しるべが挿入してあります.行ったり来たりしながら,これは使えそうというアプローチが見つかりましたら実践してみてください.もっと知りたい,学びたいという方法は,読者御自身で深く掘り下げていただくことを期待します.
また,疾患についての一般的な解説や薬物療法に関しては,成書やその道のエキスパートが書かれた論文などを参照していただければと思います.
心身医学は心の治療だけを考えるのではありません.薬物療法などの身体的治療と統合して行うことで,皮膚と心の治療をいわば車の両輪のようにバランスよく行って正しい方向に進もうとするものです.
本書を手に取っていただき1人でも多くの医療者が皮膚疾患の心身医学的アプローチに関心をもたれ,実践していかれることを願っています.
皮膚科医である著者が心身医学を学び,本書の上梓に至るまでには多くの先生方にご指導を賜りました.
皮膚心身医学の分野の研究や診療の道を開いてくださった川島 眞先生,皮膚心身医学の真髄を学ばせていただいた小林美咲先生,いつも暖かい励ましや専門的助言をくださった細谷律子先生,著者の心身医学の実践を後押ししてくださった上出良一先生,そして尊敬してやまない松永佳世子先生からは科学者のあるべき姿勢をお教えいただくと同時に,深い慈しみと励ましを賜りました.この場を借りて先生方に深謝いたします.
また同僚の精神科医である加茂康二,登志子夫妻からは著者の質問や相談に対し,いつも専門領域からの適確なアドバイスをいただきました.ここに厚くお礼申し上げます.
最後に南山堂編集部の高見沢恵様には,1年間にわたり忍耐強く著者を鼓舞してくださり,そのご尽力に心より感謝申し上げます.2008年に拙著「もっとよくなるアトピー性皮膚炎 皮膚疾患への心身医学的アプローチ」を編集していただいて以来17年ぶりのことですが,ますます知的で素敵な編集者になっておられ,毎回のやりとりはとても楽しいものでした.それがなくなるのはちょっと寂しい感じもしています.ともあれ,本当にありがとうございました!
2025年3月 ミツマタの花の咲く頃に
檜垣祐子
本書はこのような皮膚を場として起きる皮膚疾患に対する心身医学的アプローチを紹介しています.
皮膚心身医学は必要だとは思うけれどもとっつきにくいとか,用語が難しくて敬遠してしまうというような声を時々聞きます.実は決してそんなに難しいものではありません.通常の身体的診療にちょっとしたヒントを加えることで大きな治療効果が上がったり,視点を変えて診療してみることで,アプローチの糸口が見つかったりします.
著者が基本にしているのは行動をより適切なものに修正していくことで,心身医学の初学者にもお勧めのアプローチ法です.なぜかというと「行動」はある意味見えるからです.皮膚科医は見たものを分析して判断することが得意ですし,患者さん達も多くの場合「見える」皮膚の変化に悩まされていますので,「見える」ものに焦点を当てたアプローチは,治療者と患者さんの両方にとって取り組みやすい方法だと思うのです.
そういった経験をまとめて皮膚心身医学の入門的な本ができないものかと思案していたところ,幸運なことに書籍化のお話をいただき,ここに「心身医学的アプローチはじめてみませんか?ひふとこころ」の1冊が出来上がりました.
本書はChapterⅠからⅤで構成されていますが,どこから読み始めてもよいように,ところどころに(p.○○参照)のように道しるべが挿入してあります.行ったり来たりしながら,これは使えそうというアプローチが見つかりましたら実践してみてください.もっと知りたい,学びたいという方法は,読者御自身で深く掘り下げていただくことを期待します.
また,疾患についての一般的な解説や薬物療法に関しては,成書やその道のエキスパートが書かれた論文などを参照していただければと思います.
心身医学は心の治療だけを考えるのではありません.薬物療法などの身体的治療と統合して行うことで,皮膚と心の治療をいわば車の両輪のようにバランスよく行って正しい方向に進もうとするものです.
本書を手に取っていただき1人でも多くの医療者が皮膚疾患の心身医学的アプローチに関心をもたれ,実践していかれることを願っています.
皮膚科医である著者が心身医学を学び,本書の上梓に至るまでには多くの先生方にご指導を賜りました.
皮膚心身医学の分野の研究や診療の道を開いてくださった川島 眞先生,皮膚心身医学の真髄を学ばせていただいた小林美咲先生,いつも暖かい励ましや専門的助言をくださった細谷律子先生,著者の心身医学の実践を後押ししてくださった上出良一先生,そして尊敬してやまない松永佳世子先生からは科学者のあるべき姿勢をお教えいただくと同時に,深い慈しみと励ましを賜りました.この場を借りて先生方に深謝いたします.
また同僚の精神科医である加茂康二,登志子夫妻からは著者の質問や相談に対し,いつも専門領域からの適確なアドバイスをいただきました.ここに厚くお礼申し上げます.
最後に南山堂編集部の高見沢恵様には,1年間にわたり忍耐強く著者を鼓舞してくださり,そのご尽力に心より感謝申し上げます.2008年に拙著「もっとよくなるアトピー性皮膚炎 皮膚疾患への心身医学的アプローチ」を編集していただいて以来17年ぶりのことですが,ますます知的で素敵な編集者になっておられ,毎回のやりとりはとても楽しいものでした.それがなくなるのはちょっと寂しい感じもしています.ともあれ,本当にありがとうございました!
2025年3月 ミツマタの花の咲く頃に
檜垣祐子
目次
Chapter1 皮膚の心身医学について学ぼう
皮膚の心身医学と皮膚心身症
皮膚心身医学とは?
皮膚疾患の心理社会的側面
皮膚心身症はどんな病気?
ストレスと皮膚
ストレスと皮膚の関係は?
3つのストレス反応が起きる
ストレスはこんなところに現れる
デイリーハッスルズとライフイベント
皮膚心身症のストレス因子は?
ストレスにどう対処するか
ものごとの捉え方と心の関数
ストレス対処を難しくする認知のゆがみ
ストレスに対処する─ストレスコーピングスキル
対人コミュニケーションのためのアサーションスキル
セルフケアの達成を目標にする
医療行動科学とは
セルフケア達成のための行動科学的アプローチ
行動変化のステージモデル
Chapter2 皮膚の心身医学を実践しよう
診療の始まりは傾聴から
傾聴は治療技術の1つ
傾聴に欠かせない受容と共感
受容と共感による患者とのコミュニケーション
自己一致とは?
皮膚科診療における傾聴のポイント─初診
皮膚科診療における傾聴のポイント─再診
ものごとの捉え方(認知)のゆがみ
ものごとの捉え方(f)の見極めは,ストレス因子(x)を見つけるよりも大切
完璧主義が推察される言葉「きちんと」,「ちゃんと」,「全部」
ヤジロベエも転ぶ0-100パターン
段取りしすぎて,失敗の機会がない
小さな目標を設定して達成しよう
「べき主義」は言葉を言い換える練習を
マイナス化思考にはいいこと探し
ストレス反応への対応
身体反応への対応
心理反応への対応
イライラは自分の中にある
焦りは搔破行動に直結
落ち込みはそっと傾聴
不安は必要なものですが・・・
不安の種を探さない
不安は意欲の裏返し
行動反応への対応
スクラッチ日記の活用
症状とストレスグラフ:心身相関への気づきが第一歩
条件反射制御法
ハビットリバーサル─代替行動をとる
ストレス対処スキルをアップしよう
ストレスに気づくのが出発点
ストレス対処法のいろいろ
ストレス解消─休息は案外難しい
優先順位をつける
お勧めはソーシャルサポート
対人関係のストレスにはコミュニケーションスキルで対応
ウイン・ウインのアサーションスキルを使ってみよう
YouメッセージよりIメッセージ
あえて主張しないスキルもある
対人関係のイライラ対策
セルフケア行動をサポートしよう
セルフケアのチェックリスト
セルフケア行動に影響するもの
ステージモデルで行動変化を達成しよう
セルフエフィカシー─自己効力感を高めるエンパワーメント
結果よりもプロセス重視
経験のファイルを増やす
ヘルスビリーフを高めるエンパワーメント
去年の今頃と比べる
うまくいった体験を増やす
階段に踊り場があるように
自分を大切にするセルフケア
メンタルケア科との連携
どんな場合にメンタルケア科受診を勧めるか
受診を勧める際のポイント
メンタルケア科を受診したら
Chapter3 子どもの心と皮膚
子どもの発達段階の特徴
乳幼児期:基本的信頼感の確立
学童期:社会的関係の拡大と勤勉性
思春期:自立の欲求とそれに伴う不安
子どもの発達段階に応じた対応
乳幼児期:母親をねぎらい安心してもらう
学童期:子どもの勤勉性に働きかける
思春期:1人前の人として接する
子どものストレスとその対策
子どもの皮膚心身症
親をサポートすることが大切
Chapter4 女性医療と皮膚心身医学
性差医療と女性外来
女性皮膚科外来─受診患者の傾向
日常的に経験する皮膚疾患をバイオサイコソーシャルに診る
女性ホルモンの変動と皮膚の老化
更年期の自律神経失調症と皮膚
更年期周辺世代の皮膚のトラブル調査
更年期女性の心理社会的特徴
主訴より愁訴として受け止める
皮膚にも不定愁訴がある
外見に関する不定愁訴
微細な皮膚の変化と心気症
身体醜形障害にも注意する
自覚症状に関する不定愁訴
いわゆる敏感肌も不定愁訴で受診
Chapter5 疾患各論
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は皮膚心身症の代表的疾患
ストレス下の搔破行動に着目
スクラッチ日記の勧め
心身相関の気づきを促す「症状とストレスグラフ」
搔破行動は不適切なストレス対処
ストレス対処スキルの向上を目指す
ストレスごとから遠ざかる
コミュニケーションスキルの向上を図る─アサーションの提案
一段落の踊り場を意識する
ストレス解消─休息と睡眠習慣の改善を図る
ステロイド忌避は治療環境への不適応─認知のゆがみ
痒 疹
慢性の痒疹は搔破行動の修正を
痒疹結節に名前をつけてみよう
腹を立てると痒くなる
結節性痒疹の疾病負荷
結節性痒疹の精神医学的側面
慢性特発性蕁麻疹
慢性特発性蕁麻疹とストレス
慢性特発性蕁麻疹と精神疾患の合併
ものごとの捉え方とストレス対処のスキル
アレキシサイミアと心身相関への気づき
服薬アドヒアランスを高めるために
慢性特発性蕁麻疹に対する心身医学的アプローチ
乾 癬
乾癬の悪化因子としてのストレス
患者の抱えるストレス因子
乾癬患者の精神医学的特徴とアレキシサイミア
乾癬に対する心身医学的アプローチ
モチベーションの維持と自己実現
掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症のQOLへの影響
掌蹠膿疱症患者の精神医学的側面
掌蹠膿疱症の悪化因子としてのストレスと搔破行動
掌蹠膿疱症患者の行動面の課題
尋常性痤瘡
尋常性痤瘡患者の心理社会的問題
尋常性痤瘡と抑うつ,不安
尋常性痤瘡とストレス,搔破行動
尋常性痤瘡に対する心身医学的アプローチ
円形脱毛症
円型脱毛症とストレスの関係
悪化因子としてのストレスへの対応
円形脱毛症から派生する心理社会的問題
心理社会的問題への対応
傾 聴
行動科学的アプローチ
ウィッグの使用を検討する
円型脱毛症と不安,抑うつ
抜毛症
抜毛症の精神医学的特徴
抜毛行為は嫌な気分を解消するための手段
抜毛症の誘因となる心理社会的背景
学童期の抜毛症への対応
抜毛行為の修正を図るには
あえて抜毛行為に焦点を当てないことも
メンタルケア科,児童精神科の受診を勧めるとき
原発性局所多汗症
ストレスに過剰に反応して発汗を生じる
多汗症状による心理社会的影響が深刻
原発性局所多汗症と不安
原発性局所多汗症への心身医学的アプローチ
皮膚瘙痒症
皮膚瘙痒症の心理社会的側面
心因性皮膚瘙痒症
心因性皮膚瘙痒症の診断
皮膚瘙痒症に対する心身医学的アプローチ
器質的疾患の検索をするときには
心因性の外陰部瘙痒症とその鑑別
酒皶・赤ら顔
赤ら顔は皮膚科症候名?
治りにくい赤ら顔は2階建ての状態
酒皶・赤ら顔の心理社会的側面
酒皶・赤ら顔の心身医学的アプローチ
酒皶・赤ら顔のスキンケア,生活指導
敏感肌
敏感肌に悩む人は案外多い
敏感肌を不定愁訴として受け止める
敏感肌への対応
患者の訴えをよく聴く
併存する疾患,病態を見極める─炎症性皮膚疾患,更年期障害,心気症に注意
敏感肌の評価に使える質問紙─センシティブ スケール
スキンケア,生活習慣の見直し
索 引
新規全身治療薬の出現で心身医学はもはや不要!?
リラックスボールを握ってみよう!
『今ここ』を大切にしよう
睡眠はとても大切
辛いものはダメ?
何回噛みますか?
心身症を克服するとかえってしんどい?
ボディイメージとQOL
男性更年期とLOH症候群
5分でできる心身医学
疾病利得と疾病への逃避
バイオサイコソーシャルアンドスピリチュアルモデル
皮膚の心身医学と皮膚心身症
皮膚心身医学とは?
皮膚疾患の心理社会的側面
皮膚心身症はどんな病気?
ストレスと皮膚
ストレスと皮膚の関係は?
3つのストレス反応が起きる
ストレスはこんなところに現れる
デイリーハッスルズとライフイベント
皮膚心身症のストレス因子は?
ストレスにどう対処するか
ものごとの捉え方と心の関数
ストレス対処を難しくする認知のゆがみ
ストレスに対処する─ストレスコーピングスキル
対人コミュニケーションのためのアサーションスキル
セルフケアの達成を目標にする
医療行動科学とは
セルフケア達成のための行動科学的アプローチ
行動変化のステージモデル
Chapter2 皮膚の心身医学を実践しよう
診療の始まりは傾聴から
傾聴は治療技術の1つ
傾聴に欠かせない受容と共感
受容と共感による患者とのコミュニケーション
自己一致とは?
皮膚科診療における傾聴のポイント─初診
皮膚科診療における傾聴のポイント─再診
ものごとの捉え方(認知)のゆがみ
ものごとの捉え方(f)の見極めは,ストレス因子(x)を見つけるよりも大切
完璧主義が推察される言葉「きちんと」,「ちゃんと」,「全部」
ヤジロベエも転ぶ0-100パターン
段取りしすぎて,失敗の機会がない
小さな目標を設定して達成しよう
「べき主義」は言葉を言い換える練習を
マイナス化思考にはいいこと探し
ストレス反応への対応
身体反応への対応
心理反応への対応
イライラは自分の中にある
焦りは搔破行動に直結
落ち込みはそっと傾聴
不安は必要なものですが・・・
不安の種を探さない
不安は意欲の裏返し
行動反応への対応
スクラッチ日記の活用
症状とストレスグラフ:心身相関への気づきが第一歩
条件反射制御法
ハビットリバーサル─代替行動をとる
ストレス対処スキルをアップしよう
ストレスに気づくのが出発点
ストレス対処法のいろいろ
ストレス解消─休息は案外難しい
優先順位をつける
お勧めはソーシャルサポート
対人関係のストレスにはコミュニケーションスキルで対応
ウイン・ウインのアサーションスキルを使ってみよう
YouメッセージよりIメッセージ
あえて主張しないスキルもある
対人関係のイライラ対策
セルフケア行動をサポートしよう
セルフケアのチェックリスト
セルフケア行動に影響するもの
ステージモデルで行動変化を達成しよう
セルフエフィカシー─自己効力感を高めるエンパワーメント
結果よりもプロセス重視
経験のファイルを増やす
ヘルスビリーフを高めるエンパワーメント
去年の今頃と比べる
うまくいった体験を増やす
階段に踊り場があるように
自分を大切にするセルフケア
メンタルケア科との連携
どんな場合にメンタルケア科受診を勧めるか
受診を勧める際のポイント
メンタルケア科を受診したら
Chapter3 子どもの心と皮膚
子どもの発達段階の特徴
乳幼児期:基本的信頼感の確立
学童期:社会的関係の拡大と勤勉性
思春期:自立の欲求とそれに伴う不安
子どもの発達段階に応じた対応
乳幼児期:母親をねぎらい安心してもらう
学童期:子どもの勤勉性に働きかける
思春期:1人前の人として接する
子どものストレスとその対策
子どもの皮膚心身症
親をサポートすることが大切
Chapter4 女性医療と皮膚心身医学
性差医療と女性外来
女性皮膚科外来─受診患者の傾向
日常的に経験する皮膚疾患をバイオサイコソーシャルに診る
女性ホルモンの変動と皮膚の老化
更年期の自律神経失調症と皮膚
更年期周辺世代の皮膚のトラブル調査
更年期女性の心理社会的特徴
主訴より愁訴として受け止める
皮膚にも不定愁訴がある
外見に関する不定愁訴
微細な皮膚の変化と心気症
身体醜形障害にも注意する
自覚症状に関する不定愁訴
いわゆる敏感肌も不定愁訴で受診
Chapter5 疾患各論
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は皮膚心身症の代表的疾患
ストレス下の搔破行動に着目
スクラッチ日記の勧め
心身相関の気づきを促す「症状とストレスグラフ」
搔破行動は不適切なストレス対処
ストレス対処スキルの向上を目指す
ストレスごとから遠ざかる
コミュニケーションスキルの向上を図る─アサーションの提案
一段落の踊り場を意識する
ストレス解消─休息と睡眠習慣の改善を図る
ステロイド忌避は治療環境への不適応─認知のゆがみ
痒 疹
慢性の痒疹は搔破行動の修正を
痒疹結節に名前をつけてみよう
腹を立てると痒くなる
結節性痒疹の疾病負荷
結節性痒疹の精神医学的側面
慢性特発性蕁麻疹
慢性特発性蕁麻疹とストレス
慢性特発性蕁麻疹と精神疾患の合併
ものごとの捉え方とストレス対処のスキル
アレキシサイミアと心身相関への気づき
服薬アドヒアランスを高めるために
慢性特発性蕁麻疹に対する心身医学的アプローチ
乾 癬
乾癬の悪化因子としてのストレス
患者の抱えるストレス因子
乾癬患者の精神医学的特徴とアレキシサイミア
乾癬に対する心身医学的アプローチ
モチベーションの維持と自己実現
掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症のQOLへの影響
掌蹠膿疱症患者の精神医学的側面
掌蹠膿疱症の悪化因子としてのストレスと搔破行動
掌蹠膿疱症患者の行動面の課題
尋常性痤瘡
尋常性痤瘡患者の心理社会的問題
尋常性痤瘡と抑うつ,不安
尋常性痤瘡とストレス,搔破行動
尋常性痤瘡に対する心身医学的アプローチ
円形脱毛症
円型脱毛症とストレスの関係
悪化因子としてのストレスへの対応
円形脱毛症から派生する心理社会的問題
心理社会的問題への対応
傾 聴
行動科学的アプローチ
ウィッグの使用を検討する
円型脱毛症と不安,抑うつ
抜毛症
抜毛症の精神医学的特徴
抜毛行為は嫌な気分を解消するための手段
抜毛症の誘因となる心理社会的背景
学童期の抜毛症への対応
抜毛行為の修正を図るには
あえて抜毛行為に焦点を当てないことも
メンタルケア科,児童精神科の受診を勧めるとき
原発性局所多汗症
ストレスに過剰に反応して発汗を生じる
多汗症状による心理社会的影響が深刻
原発性局所多汗症と不安
原発性局所多汗症への心身医学的アプローチ
皮膚瘙痒症
皮膚瘙痒症の心理社会的側面
心因性皮膚瘙痒症
心因性皮膚瘙痒症の診断
皮膚瘙痒症に対する心身医学的アプローチ
器質的疾患の検索をするときには
心因性の外陰部瘙痒症とその鑑別
酒皶・赤ら顔
赤ら顔は皮膚科症候名?
治りにくい赤ら顔は2階建ての状態
酒皶・赤ら顔の心理社会的側面
酒皶・赤ら顔の心身医学的アプローチ
酒皶・赤ら顔のスキンケア,生活指導
敏感肌
敏感肌に悩む人は案外多い
敏感肌を不定愁訴として受け止める
敏感肌への対応
患者の訴えをよく聴く
併存する疾患,病態を見極める─炎症性皮膚疾患,更年期障害,心気症に注意
敏感肌の評価に使える質問紙─センシティブ スケール
スキンケア,生活習慣の見直し
索 引
新規全身治療薬の出現で心身医学はもはや不要!?
リラックスボールを握ってみよう!
『今ここ』を大切にしよう
睡眠はとても大切
辛いものはダメ?
何回噛みますか?
心身症を克服するとかえってしんどい?
ボディイメージとQOL
男性更年期とLOH症候群
5分でできる心身医学
疾病利得と疾病への逃避
バイオサイコソーシャルアンドスピリチュアルモデル