ケミカルピーリング これが私のコツと技
改訂2版
和歌山県立医科大学医学部皮膚科 教授 古川福実 編集
神戸大学医学部皮膚科 准教授 船坂陽子 編集
上田説子クリニック 院長 上田説子 編集
定価
10,450円(本体 9,500円 +税10%)
- B5判 301頁
- 2009年5月 発行
- ISBN 978-4-525-34542-6
EBM に基づいた新たなガイドライン「日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン改訂第3版」に準拠した形で改訂を行った.ケミカルピーリングの実際の手技の流れから「施術のコツとポイント」を解説.ケミカルピーリングをこれから始めようとする方も,さらなるレベルアップを求める方にも,納得の一冊である.
- 序文
- 目次
序文
2001年に米国皮膚科学会ケミカルピーリングガイドラインを参考にして,「日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン2001」が作成されました.当時のケミカルピーリングの認知度は,一部の皮膚科医をのぞけば決して高いものではありませんでした.しかし,折からの美容ブームと日本皮膚科学会や日本美容皮膚科学会などでのセミナーやシンポジウムなどを通じて,きわめて短期間にケミカルピーリングは皮膚科の基本的手技になったといっても過言ではありません.
本書は2003年に出版されましたが,ガイドライン2001を紹介するとともに,ガイドラインには書き込めなかった実際の手技を要領よくまとめた解説書として企画されました.幸いなことに,編集・編集協力者の予想を上回る反響がありました.さらに,2004年にガイドラインが改訂されたのに伴いガイドライン2004準拠版として改正を行いました.2006年になり,日本皮膚科学会学術委員会からevidence-based medicine(EBM)に沿った新たなガイドラインの策定が求められました.新たな委員会を発足させ完成したのが,本書に掲載されているガイドライン(改訂第3版)です.
この新ガイドラインはEBMに基づいた適応疾患の紹介・解説とともに,各疾患に用いる使用薬剤別の推奨度を確定したもので,用いる試薬の基本的な解説の追加や,施行上の留意点を整理し,施術ガイドラインとしても改良を図ってあります.以前の2001年,2004年のガイドラインに比べると,適応疾患の数は減少し,区分も変更されました.したがって,改訂第3版に掲載されていない疾患や試薬については,現時点ではエビデンスレベルが高い論文報告がないために評価対象とはなりませんでした.今後の研究や症例の蓄積などの学術誌発表を待って,適宜,改正を行っていく予定となっています.
本書はガイドラインに沿いつつも,ケミカルピーリングの一歩も二歩も進んだコツと技を紹介した本です.言い換えれば,近未来のガイドラインのプロトタイプです.第III章の2.今後EBMの蓄積が期待される適応疾患・状態をみて・読んで,新たな疾患・状態に対して科学的エビデンスを作っていきたいものです.また,ガイドラインに掲載されている疾患であっても,エビデンスレベルを上げる(ひいては推奨度を上げる)努力を行うことが大切です.
ざ瘡にアダパレンの使用が可能になった時点で,ケミカルピーリングは廃れるだろうとの意見が多くありました.しかし,本書に挙げた事例をみるごとく,さらには,日本人の繊細な感性による施術によって精神的な平安感やいわゆる皮膚若返り現象がもたらされることを認識すれば,ケミカルピーリングの今後の発展的展開が期待されるのではないでしょうか.まさに,careとcure, healingとpeelingにケミカルピーリングのエッセンスはあるようです.
今回は,上記のような理由で編集協力者として幸野 健先生に新たに加わっていただきました.多忙な中,本書の執筆していただいた多くの先生方に心から感謝を申し上げます.最後に,本書の編集に情熱を注がれた南山堂編集部高見沢恵氏に御礼を申し上げます.
2009年3月
編者
本書は2003年に出版されましたが,ガイドライン2001を紹介するとともに,ガイドラインには書き込めなかった実際の手技を要領よくまとめた解説書として企画されました.幸いなことに,編集・編集協力者の予想を上回る反響がありました.さらに,2004年にガイドラインが改訂されたのに伴いガイドライン2004準拠版として改正を行いました.2006年になり,日本皮膚科学会学術委員会からevidence-based medicine(EBM)に沿った新たなガイドラインの策定が求められました.新たな委員会を発足させ完成したのが,本書に掲載されているガイドライン(改訂第3版)です.
この新ガイドラインはEBMに基づいた適応疾患の紹介・解説とともに,各疾患に用いる使用薬剤別の推奨度を確定したもので,用いる試薬の基本的な解説の追加や,施行上の留意点を整理し,施術ガイドラインとしても改良を図ってあります.以前の2001年,2004年のガイドラインに比べると,適応疾患の数は減少し,区分も変更されました.したがって,改訂第3版に掲載されていない疾患や試薬については,現時点ではエビデンスレベルが高い論文報告がないために評価対象とはなりませんでした.今後の研究や症例の蓄積などの学術誌発表を待って,適宜,改正を行っていく予定となっています.
本書はガイドラインに沿いつつも,ケミカルピーリングの一歩も二歩も進んだコツと技を紹介した本です.言い換えれば,近未来のガイドラインのプロトタイプです.第III章の2.今後EBMの蓄積が期待される適応疾患・状態をみて・読んで,新たな疾患・状態に対して科学的エビデンスを作っていきたいものです.また,ガイドラインに掲載されている疾患であっても,エビデンスレベルを上げる(ひいては推奨度を上げる)努力を行うことが大切です.
ざ瘡にアダパレンの使用が可能になった時点で,ケミカルピーリングは廃れるだろうとの意見が多くありました.しかし,本書に挙げた事例をみるごとく,さらには,日本人の繊細な感性による施術によって精神的な平安感やいわゆる皮膚若返り現象がもたらされることを認識すれば,ケミカルピーリングの今後の発展的展開が期待されるのではないでしょうか.まさに,careとcure, healingとpeelingにケミカルピーリングのエッセンスはあるようです.
今回は,上記のような理由で編集協力者として幸野 健先生に新たに加わっていただきました.多忙な中,本書の執筆していただいた多くの先生方に心から感謝を申し上げます.最後に,本書の編集に情熱を注がれた南山堂編集部高見沢恵氏に御礼を申し上げます.
2009年3月
編者
目次
EBMに基づく検討を踏まえた新たなガイドライン─EBMの考え方
I これだけは知っておく ─基礎編─
グリコール酸
サリチル酸マクロゴール
トリクロロ酢酸
フェノール
レチノイン酸─角質に対する作用
レチノイン酸─治療の実際
機器診断─正確な測定・評価法
ケミカルピーリングの光老化における安全性に対する検証
マウスからのメッセージ
II これが私の技 ─施術編─
1.EBMに基づく適応疾患・状態
ざ 瘡
・グリコール酸
・サリチル酸(マクロゴール基剤)
ざ瘡:面皰を主体としたざ瘡(面皰型ざ瘡)
・サリチル酸(マクロゴール基剤)
ざ 瘡
・サリチル酸(マクロゴール基剤)
・サリチル酸(エタノール基剤)
ざ瘡瘢痕
・グリコール酸
・ トリクロロ酢酸
日光(性)黒子
・グリコール酸
肝 斑
・グリコール酸
雀卵斑
・グリコール
・サリチル酸(マクロゴール基剤)
炎症後色素沈着
・グリコール酸
小じわ
・グリコール酸
・サリチル酸(マクロゴール基剤)
2.今後EBMの蓄積が期待される適応疾患・状態
毛孔性苔癬
脂漏性角化症
日光角化症
魚鱗癬
疣 贅
伝染性軟属腫
アクロコルドン
脂 漏
その他
・皮膚癌
・眼瞼黄色腫
・酒 さ
・アトピー性皮膚炎
III ─資料編─
「日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版)」概説
ケミカルピーリング剤の入手先,および作り方と処方
知っておきたい行政の知識
日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版)
索 引
I これだけは知っておく ─基礎編─
グリコール酸
サリチル酸マクロゴール
トリクロロ酢酸
フェノール
レチノイン酸─角質に対する作用
レチノイン酸─治療の実際
機器診断─正確な測定・評価法
ケミカルピーリングの光老化における安全性に対する検証
マウスからのメッセージ
II これが私の技 ─施術編─
1.EBMに基づく適応疾患・状態
ざ 瘡
・グリコール酸
・サリチル酸(マクロゴール基剤)
ざ瘡:面皰を主体としたざ瘡(面皰型ざ瘡)
・サリチル酸(マクロゴール基剤)
ざ 瘡
・サリチル酸(マクロゴール基剤)
・サリチル酸(エタノール基剤)
ざ瘡瘢痕
・グリコール酸
・ トリクロロ酢酸
日光(性)黒子
・グリコール酸
肝 斑
・グリコール酸
雀卵斑
・グリコール
・サリチル酸(マクロゴール基剤)
炎症後色素沈着
・グリコール酸
小じわ
・グリコール酸
・サリチル酸(マクロゴール基剤)
2.今後EBMの蓄積が期待される適応疾患・状態
毛孔性苔癬
脂漏性角化症
日光角化症
魚鱗癬
疣 贅
伝染性軟属腫
アクロコルドン
脂 漏
その他
・皮膚癌
・眼瞼黄色腫
・酒 さ
・アトピー性皮膚炎
III ─資料編─
「日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版)」概説
ケミカルピーリング剤の入手先,および作り方と処方
知っておきたい行政の知識
日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版)
索 引