男性更年期障害
LOH症候群
1版
大阪大学大学院 教授 奥山明彦 編集
定価
4,180円(本体 3,800円 +税10%)
- B5判 245頁
- 2007年3月 発行
- ISBN 978-4-525-35611-8
高齢化の進行に伴い男性更年期障害の問題が注目されている.
本書はこの疾患を全身症状として捉え,現時点で解明されている病因・診断・治療等を泌尿器科医主導のもとに,他領域のエキスパート(循環器内科,内分泌内科はもとより,心療内科,精神科,整形外科医)とともに簡潔明解に記載した.
- 序文
- 目次
序文
男性にも女性に類似した更年期障害が存在することは,既に欧米において,60年以上前より知られており,本症に男性ホルモンの低下が関与することも,同時に指摘されて来ました.しかし生殖内分泌学や高齢医学の一分野として注目され始めたのは1980年代であります.この動きは1998年の国際男性更年期学会(ISSAM)の設立に繋がり,本邦においても2001年11月に日本Aging Male研究会が発足し,毎年,学術研究会が開催されてきました.
本症が注目を受ける理由として,先進国を中心とする高齢化の進行に伴い,健康増進や予防医学が,国家の政策として重要性を増してきたことが挙げられます.高齢者の健康増進は,高齢者の自立を促すのみならず,労働力としても期待でき,QOLの高い生活を可能にします.また,女性に対するホルモン補充療法が広く普及している一方,高齢男性に対する医療として,ED治療薬であるPDE5阻害薬の普及以外,対象となるものが存在せず,高齢男性への医療政策の遅れが,女性と男性の平均寿命の格差の助長へ関係していることへの危惧も,理由の一つと考えられます.とくに本邦は,男女とも世界第一位の長寿国であり,2005年の国勢調査では65歳以上の高齢者の占める比率は21%であり,この傾向は今後も進み,2040年までには33%に達すると推計されています.
男性更年期障害の診療理念は,中高年男性の健康促進とQOLの改善にあります.しかし医療現場では,必ずしも,この理念に従った診療が進められて来たとは言えない一面もありました.本症がPartial androgen deficiency of the aging male(PADAM)として日本に導入された当時より,男性ホルモンの低下に随伴する,EDを始めとする諸症状が,そのまま男性更年期障害と理解され,ホルモン補充療法により対応される一方で,うつ症状を主訴とする受診者が多く,診療現場で混乱を生じたり,テストステロンの基準値がないことから,欧米の診断基準として推薦されている遊離型テストステロンや生物活性型テストステロンの問題も未解決な状況にありました.これらの診療上の混乱は,本邦のみならず欧米においても存続しており,2004年のISSAMではLate-onset hypogonadism(LOH)症候群への病名変更と診療要項が提言されています.
この動きの中で,社団法人日本泌尿器科学会と日本Aging Male研究会(現日本Men’s Health医学会)が合同してワーキンググループを組織,男性更年期障害とLOH症候群の位置付け,男性ホルモンの基準値設定,ホルモン補充療法の適応と副作用回避等に関する「LOH症候群診療の手引き」が上梓されました.
LOH症候群の診療は,開始されたところであり,診療や研究面で,個々の症例について,エビデンスの蓄積が求められています.
本書は,本症を症候群として位置づけ,広く各領域の視点に立脚したエビデンスを紹介いただきました.今後,病態が解明される一助になればと考え,編纂した次第です.
平成19年2月吉日
奥山明彦
本症が注目を受ける理由として,先進国を中心とする高齢化の進行に伴い,健康増進や予防医学が,国家の政策として重要性を増してきたことが挙げられます.高齢者の健康増進は,高齢者の自立を促すのみならず,労働力としても期待でき,QOLの高い生活を可能にします.また,女性に対するホルモン補充療法が広く普及している一方,高齢男性に対する医療として,ED治療薬であるPDE5阻害薬の普及以外,対象となるものが存在せず,高齢男性への医療政策の遅れが,女性と男性の平均寿命の格差の助長へ関係していることへの危惧も,理由の一つと考えられます.とくに本邦は,男女とも世界第一位の長寿国であり,2005年の国勢調査では65歳以上の高齢者の占める比率は21%であり,この傾向は今後も進み,2040年までには33%に達すると推計されています.
男性更年期障害の診療理念は,中高年男性の健康促進とQOLの改善にあります.しかし医療現場では,必ずしも,この理念に従った診療が進められて来たとは言えない一面もありました.本症がPartial androgen deficiency of the aging male(PADAM)として日本に導入された当時より,男性ホルモンの低下に随伴する,EDを始めとする諸症状が,そのまま男性更年期障害と理解され,ホルモン補充療法により対応される一方で,うつ症状を主訴とする受診者が多く,診療現場で混乱を生じたり,テストステロンの基準値がないことから,欧米の診断基準として推薦されている遊離型テストステロンや生物活性型テストステロンの問題も未解決な状況にありました.これらの診療上の混乱は,本邦のみならず欧米においても存続しており,2004年のISSAMではLate-onset hypogonadism(LOH)症候群への病名変更と診療要項が提言されています.
この動きの中で,社団法人日本泌尿器科学会と日本Aging Male研究会(現日本Men’s Health医学会)が合同してワーキンググループを組織,男性更年期障害とLOH症候群の位置付け,男性ホルモンの基準値設定,ホルモン補充療法の適応と副作用回避等に関する「LOH症候群診療の手引き」が上梓されました.
LOH症候群の診療は,開始されたところであり,診療や研究面で,個々の症例について,エビデンスの蓄積が求められています.
本書は,本症を症候群として位置づけ,広く各領域の視点に立脚したエビデンスを紹介いただきました.今後,病態が解明される一助になればと考え,編纂した次第です.
平成19年2月吉日
奥山明彦
目次
I. 男性更年期障害とは
A. 診療指針の作成に当たって
B. 泌尿器科医の視点から
1. LOH症候群
2. 男性更年期の自覚症状とその評価
3. 男性更年期の診断に不可欠なアンドロゲン
4. 加齢に伴う男性ホルモンおよび標的臓器の変化
5. 泌尿器科における男性更年期障害の治療
6. 泌尿器科医が注意すべきARTの副作用
7. 泌尿器科医主導で作成中のPADAM診療ガイドラインについて
C. 内分泌内科医の視点から
1. 各種ホルモンの加齢変動
a. 加齢に伴う血中アンドロゲンの変動
b. 加齢に伴うGH-IGF-1系の変動
2. 各種ホルモンの加齢変動の生理的意義
a. テストステロン(T)
b. DHEA
c. GH
D. 心療内科医の視点から
1. 男性更年期障害発症の背景
2. うつ病・うつ状態
3. 自律神経失調症・心身症
4. 治療に関する提言
E. 女性更年期障害と比較して
1. 更年期の定義の比較
2. 更年期障害の病態と成因の比較
3. 自殺の比較
4. 骨粗鬆症の比較
5. HRTの比較
a. 女性のHRT
b. 男性のHRT
II. 男性更年期障害の診断
A. 臨床症状とその評価
1. 臨床症状
2. 評 価
a. 質問票による評価
b. 身体所見・検査所見による評価
B. 質問票(アンケート)の意義と活用
1. ガイドラインで推奨されている質問票
2. 男性更年期診断の質問票
3. QOL評価の質問表
C. ホルモン測定とその評価
1. ホルモン測定
a. 下垂体系ホルモン
b. テストステロン
c. テストステロン測定の問題点
d. その他のホルモン
2. 評 価 法
a. 海外の基準値
b. わが国の基準値
3. ホルモン測定の意義
D. 加齢に伴う機能低下
1. 筋・骨格機能の老化
2. 血管機能
3. 精神神経機能
4. 日常生活機能
III. 男性更年期障害の治療
A. 望ましいライフスタイル
1. 男性更年期障害とライフスタイル
2. 肥満と男性更年期障害
3. 運動・身体活動と男性更年期障害
4. 喫煙と男性更年期障害
5. 飲酒と男性更年期障害
6. 健康食品などを過信しない
7. QOLを高める
8. 望ましいライフスタイル
B. カウンセリングの意義
1. 心理的発達からみた男性更年期
2. ライフサイクル的必然としての更年期葛藤
3. 節目としての更年期は昆虫の変態の如し
4. 多次元評価の必要性
5. 多次元評価とは
6. 男性更年期における具体的問題
7. いわゆる男性更年期障害に対する心理療法的接近
8. 男性更年期に対するカウンセリングの限界性
9. みっともないことへの肯定
10. ソーシャルサポートという視点
C. テストステロン補充と問題点
1. テストステロン補充療法の適応
2. テストステロン補充療法
3. テストステロン補充療法の有効性
a. 骨に対する効果
b. 脂肪/筋肉量,筋力に対する効果
c. 認知力への効果
d. 気分と抑うつに対する効果
e. 性機能に対する効果
f. 健康関連QOLへの効果
4. テストステロン補充療法の副作用
a. 多 血 症
b. 肝機能障害
c. 睡眠時無呼吸症候群
d. 前立腺疾患
5. テストステロン補充療法と前立腺疾患
a. 前立腺肥大症,排尿障害に対する影響
b. 前立腺癌との関連
D. EDへの対応
1. Sexual Health の観点からみたED
2. LOH症候群とED
3. 男性更年期とED
4. 男性更年期障害の治療としてのEDへの対応
E. 抗うつ薬の適応と選択
1. 更年期うつ病の特徴
2. 抗うつ薬による治療について
a. 抗うつ薬の適応
b. 抗うつ薬の選択
3. 抗うつ薬と併用する治療について
a. 薬物療法
b. 精神療法
F. 海外における診断・治療の現状
1. ガイドラインについて
2. テストステロン製剤
a. 経口テストステロン製剤
b. 持続性テストステロン注射薬
c. 経皮テストステロン製剤
IV. 男性更年期障害に伴う病態
A. 睡眠障害
1. 不 眠
2. 睡眠呼吸障害
3. 周期性四肢運動障害,むずむず脚症候群
4. レム睡眠行動障害
B. 自律神経失調症
1. 自律神経失調症の概念
a. 歴史的変遷
b. 臨床症状の特徴
2. 自律神経失調症と男性更年期障害
3. 自律神経失調症の検査
a. 自律神経機能検査
b. 質 問 紙
4. 自律神経失調症に対する最近の考え方
a. 自律神経失調症と精神疾患
b. 身体表現性自律神経機能不全
5. 自律神経失調症の治療
C. 糖 尿 病
1. 概念・定義・頻度
2. 病 態
3. 糖尿病発症の分子基盤
a. インスリン抵抗性発症機構
b. インスリン分泌低下機構
4. 診断と鑑別診断
5. 治療と予後 ─トータルケアの時代になった糖尿病治療─
D. メタボリックシンドローム
1. メタボリックシンドロームの概念
2. メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の病態
3. メタボリックシンドロームの診断基準
4. メタボリックシンドロームの管理
5. 男性更年期障害とメタボリックシンドローム
E. 骨粗鬆症,筋力低下
1. 男性ホルモン低下と骨密度との関連
2. 男性ホルモン低下と筋力低下との関連
V. 男性更年期障害で注意したい泌尿器疾患
A. 慢性腎不全と性機能障害
1. 慢性腎不全,透析患者における性機能障害の発生頻度
2. 慢性腎不全,透析患者におけるEDの原因
a. 内分泌障害(低テストステロン,高LH,FSH,プロラクチン)
b. 陰茎の血管障害(動脈硬化),NO合成障害
c. 腎性貧血
d. 二次性副甲状腺機能亢進症
e. 薬 剤
f. 心理的要因(うつ)
g. そ の 他
3. 慢性腎不全患者,透析患者における診断
4. 性機能障害に対する治療
B. 前立腺肥大症 ─EDとの関係を中心にして─
1. 前立腺肥大症とは?
2. 前立腺肥大症の診断
a. 国際前立腺症状スコア:IPSS
b. 病歴の聴取
c. 理学所見
d. 一般臨床検査
e. 排尿機能検査
f. 前立腺形態評価検査(超音波検査)
g. オプション検査
h. 前立腺肥大症の全般重症度判定
3. 前立腺肥大症の治療
a. 治療のアルゴリズム
b. 前立腺肥大症の治療法
4. EDとBPHの関係(疫学研究)
5. EDとBPHの関係発生のメカニズム
6. BPHの薬物治療による性機能障害
a. 抗男性ホルモン薬(抗アンドロゲン薬)による性機能障害
b. 交感神経α遮断薬による性機能障害
7. phosphodiesterase-5阻害薬(PDE 5阻害薬)とα遮断薬併用によるEDとBPH同時治療の可能性
C. 前立腺炎
1. 男性更年期障害と前立腺炎の接点
2. 病態に基づく分類
3. 泌尿器科外来でのpelvic pain syndrome の診断手順
4. 日常生活での一般的注意事項
5. 病態別の診断・治療方針
a . 慢性非細菌性前立腺炎との境界領域や移行型・合併型
b. 排尿障害を認めるタイプ
c . 骨盤底筋の過緊張を認めるタイプ
d. 骨盤内うっ血症候群を呈するタイプ
e. 精神・心理的因子が関与するタイプ
f . 原因不明
6. 新たな治療法
D. 前立腺癌
1. ホットフラッシュ
2. 骨粗鬆症
3. 女性化乳房
4. 貧 血
5. サルコペニア
6. 抑うつ
7. 性機能障害
8. QOL障害
E. 過活動膀胱
1. 過活動膀胱とは
a. 定義と診断
b. 頻 度
c. 病因と治療
2. 過活動膀胱の発生メカニズム
a. 神経因性病因による発生メカニズム
b. 非神経因性病因による発生メカニズム
3. 男性更年期障害と過活動膀胱の関連は?
a. 過活動膀胱と勃起障害
b. 過活動膀胱とアンドロゲン欠乏状態
c. QOL
F. ペロニー病
1. 診 断
a. 診 察
b. 外来での勃起誘発法
c. 計測および記載法
2. 保存的治療法
3. 手 術
a. 手術適応
b. 麻 酔 法
c. 手 術 法
d. 術後管理
4. 成 績
a. 保存的治療法
b. plication法
c. 静脈・真皮移植
d. 陰茎プロステ─シス手術
VI. 男性更年期障害の展望 ─海外の動向も含めて─
1. Men’s Health の必要性
2. Late-onset hypogonadism:LOHの診断の問題点
3. LOHの症状と研究課題
a. 性機能症状
b. 精神・心理症状
c. 身体的症状
4. LOHに対する治療と課題
a. テストステロン補充療法
b. NOドナーへの期待
c. 代替療法および補助療法
5. LOHのスクリーニングの有用性
6. 今後の展望
索 引
A. 診療指針の作成に当たって
B. 泌尿器科医の視点から
1. LOH症候群
2. 男性更年期の自覚症状とその評価
3. 男性更年期の診断に不可欠なアンドロゲン
4. 加齢に伴う男性ホルモンおよび標的臓器の変化
5. 泌尿器科における男性更年期障害の治療
6. 泌尿器科医が注意すべきARTの副作用
7. 泌尿器科医主導で作成中のPADAM診療ガイドラインについて
C. 内分泌内科医の視点から
1. 各種ホルモンの加齢変動
a. 加齢に伴う血中アンドロゲンの変動
b. 加齢に伴うGH-IGF-1系の変動
2. 各種ホルモンの加齢変動の生理的意義
a. テストステロン(T)
b. DHEA
c. GH
D. 心療内科医の視点から
1. 男性更年期障害発症の背景
2. うつ病・うつ状態
3. 自律神経失調症・心身症
4. 治療に関する提言
E. 女性更年期障害と比較して
1. 更年期の定義の比較
2. 更年期障害の病態と成因の比較
3. 自殺の比較
4. 骨粗鬆症の比較
5. HRTの比較
a. 女性のHRT
b. 男性のHRT
II. 男性更年期障害の診断
A. 臨床症状とその評価
1. 臨床症状
2. 評 価
a. 質問票による評価
b. 身体所見・検査所見による評価
B. 質問票(アンケート)の意義と活用
1. ガイドラインで推奨されている質問票
2. 男性更年期診断の質問票
3. QOL評価の質問表
C. ホルモン測定とその評価
1. ホルモン測定
a. 下垂体系ホルモン
b. テストステロン
c. テストステロン測定の問題点
d. その他のホルモン
2. 評 価 法
a. 海外の基準値
b. わが国の基準値
3. ホルモン測定の意義
D. 加齢に伴う機能低下
1. 筋・骨格機能の老化
2. 血管機能
3. 精神神経機能
4. 日常生活機能
III. 男性更年期障害の治療
A. 望ましいライフスタイル
1. 男性更年期障害とライフスタイル
2. 肥満と男性更年期障害
3. 運動・身体活動と男性更年期障害
4. 喫煙と男性更年期障害
5. 飲酒と男性更年期障害
6. 健康食品などを過信しない
7. QOLを高める
8. 望ましいライフスタイル
B. カウンセリングの意義
1. 心理的発達からみた男性更年期
2. ライフサイクル的必然としての更年期葛藤
3. 節目としての更年期は昆虫の変態の如し
4. 多次元評価の必要性
5. 多次元評価とは
6. 男性更年期における具体的問題
7. いわゆる男性更年期障害に対する心理療法的接近
8. 男性更年期に対するカウンセリングの限界性
9. みっともないことへの肯定
10. ソーシャルサポートという視点
C. テストステロン補充と問題点
1. テストステロン補充療法の適応
2. テストステロン補充療法
3. テストステロン補充療法の有効性
a. 骨に対する効果
b. 脂肪/筋肉量,筋力に対する効果
c. 認知力への効果
d. 気分と抑うつに対する効果
e. 性機能に対する効果
f. 健康関連QOLへの効果
4. テストステロン補充療法の副作用
a. 多 血 症
b. 肝機能障害
c. 睡眠時無呼吸症候群
d. 前立腺疾患
5. テストステロン補充療法と前立腺疾患
a. 前立腺肥大症,排尿障害に対する影響
b. 前立腺癌との関連
D. EDへの対応
1. Sexual Health の観点からみたED
2. LOH症候群とED
3. 男性更年期とED
4. 男性更年期障害の治療としてのEDへの対応
E. 抗うつ薬の適応と選択
1. 更年期うつ病の特徴
2. 抗うつ薬による治療について
a. 抗うつ薬の適応
b. 抗うつ薬の選択
3. 抗うつ薬と併用する治療について
a. 薬物療法
b. 精神療法
F. 海外における診断・治療の現状
1. ガイドラインについて
2. テストステロン製剤
a. 経口テストステロン製剤
b. 持続性テストステロン注射薬
c. 経皮テストステロン製剤
IV. 男性更年期障害に伴う病態
A. 睡眠障害
1. 不 眠
2. 睡眠呼吸障害
3. 周期性四肢運動障害,むずむず脚症候群
4. レム睡眠行動障害
B. 自律神経失調症
1. 自律神経失調症の概念
a. 歴史的変遷
b. 臨床症状の特徴
2. 自律神経失調症と男性更年期障害
3. 自律神経失調症の検査
a. 自律神経機能検査
b. 質 問 紙
4. 自律神経失調症に対する最近の考え方
a. 自律神経失調症と精神疾患
b. 身体表現性自律神経機能不全
5. 自律神経失調症の治療
C. 糖 尿 病
1. 概念・定義・頻度
2. 病 態
3. 糖尿病発症の分子基盤
a. インスリン抵抗性発症機構
b. インスリン分泌低下機構
4. 診断と鑑別診断
5. 治療と予後 ─トータルケアの時代になった糖尿病治療─
D. メタボリックシンドローム
1. メタボリックシンドロームの概念
2. メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の病態
3. メタボリックシンドロームの診断基準
4. メタボリックシンドロームの管理
5. 男性更年期障害とメタボリックシンドローム
E. 骨粗鬆症,筋力低下
1. 男性ホルモン低下と骨密度との関連
2. 男性ホルモン低下と筋力低下との関連
V. 男性更年期障害で注意したい泌尿器疾患
A. 慢性腎不全と性機能障害
1. 慢性腎不全,透析患者における性機能障害の発生頻度
2. 慢性腎不全,透析患者におけるEDの原因
a. 内分泌障害(低テストステロン,高LH,FSH,プロラクチン)
b. 陰茎の血管障害(動脈硬化),NO合成障害
c. 腎性貧血
d. 二次性副甲状腺機能亢進症
e. 薬 剤
f. 心理的要因(うつ)
g. そ の 他
3. 慢性腎不全患者,透析患者における診断
4. 性機能障害に対する治療
B. 前立腺肥大症 ─EDとの関係を中心にして─
1. 前立腺肥大症とは?
2. 前立腺肥大症の診断
a. 国際前立腺症状スコア:IPSS
b. 病歴の聴取
c. 理学所見
d. 一般臨床検査
e. 排尿機能検査
f. 前立腺形態評価検査(超音波検査)
g. オプション検査
h. 前立腺肥大症の全般重症度判定
3. 前立腺肥大症の治療
a. 治療のアルゴリズム
b. 前立腺肥大症の治療法
4. EDとBPHの関係(疫学研究)
5. EDとBPHの関係発生のメカニズム
6. BPHの薬物治療による性機能障害
a. 抗男性ホルモン薬(抗アンドロゲン薬)による性機能障害
b. 交感神経α遮断薬による性機能障害
7. phosphodiesterase-5阻害薬(PDE 5阻害薬)とα遮断薬併用によるEDとBPH同時治療の可能性
C. 前立腺炎
1. 男性更年期障害と前立腺炎の接点
2. 病態に基づく分類
3. 泌尿器科外来でのpelvic pain syndrome の診断手順
4. 日常生活での一般的注意事項
5. 病態別の診断・治療方針
a . 慢性非細菌性前立腺炎との境界領域や移行型・合併型
b. 排尿障害を認めるタイプ
c . 骨盤底筋の過緊張を認めるタイプ
d. 骨盤内うっ血症候群を呈するタイプ
e. 精神・心理的因子が関与するタイプ
f . 原因不明
6. 新たな治療法
D. 前立腺癌
1. ホットフラッシュ
2. 骨粗鬆症
3. 女性化乳房
4. 貧 血
5. サルコペニア
6. 抑うつ
7. 性機能障害
8. QOL障害
E. 過活動膀胱
1. 過活動膀胱とは
a. 定義と診断
b. 頻 度
c. 病因と治療
2. 過活動膀胱の発生メカニズム
a. 神経因性病因による発生メカニズム
b. 非神経因性病因による発生メカニズム
3. 男性更年期障害と過活動膀胱の関連は?
a. 過活動膀胱と勃起障害
b. 過活動膀胱とアンドロゲン欠乏状態
c. QOL
F. ペロニー病
1. 診 断
a. 診 察
b. 外来での勃起誘発法
c. 計測および記載法
2. 保存的治療法
3. 手 術
a. 手術適応
b. 麻 酔 法
c. 手 術 法
d. 術後管理
4. 成 績
a. 保存的治療法
b. plication法
c. 静脈・真皮移植
d. 陰茎プロステ─シス手術
VI. 男性更年期障害の展望 ─海外の動向も含めて─
1. Men’s Health の必要性
2. Late-onset hypogonadism:LOHの診断の問題点
3. LOHの症状と研究課題
a. 性機能症状
b. 精神・心理症状
c. 身体的症状
4. LOHに対する治療と課題
a. テストステロン補充療法
b. NOドナーへの期待
c. 代替療法および補助療法
5. LOHのスクリーニングの有用性
6. 今後の展望
索 引