カテゴリー: 癌・腫瘍学
オンコロジークリニカルガイド
乳癌薬物療法
改訂2版
国立がん研究センター中央病院乳腺外科 科長 木下貴之 編集
京都大学大学院医学研究科外科学乳腺外科 教授 戸井雅和 編集
定価
6,050円(本体 5,500円 +税10%)
- B5判 506頁
- 2016年11月 発行
- ISBN 978-4-525-42442-8
最新治療をひも解くためのエビデンスをコンパクトに解説!
乳癌のKey Drugsやエビデンスレベルの高い薬物療法の最新知見をコンパクトに解説.また,国内外の大規模臨床試験や米国臨床腫瘍学会ASCOやザンクトガレンコンセンサス会議などの情報も盛り込んだ.本分野の第一線で活躍する医師が、重要ポイントを体系的にわかりやすく整理.乳癌領域のプロフェッショナルを目指す医療従事者に必携の書.
- 序文
- 目次
序文
2013年11月に初版が発刊された本書は,お陰様で多くの読者から温かい支持を頂戴いたしました.そしてここに,改訂2版を上梓できるに至りました.著者の先生方,ならびに関係各位に心から御礼を申し上げます.
乳癌の薬物療法には内分泌療法,化学療法,分子標的療法があり,最近では乳癌のサブタイプや再発リスクから薬物療法の方針を決定する個別化医療が一般的になってきました.乳癌薬物療法の進歩は日進月歩であり,その内容の多くは海外にて実施されている大規模臨床試験やASCO,ESMO,St. Gallen Breast Cancer Conference,San Antonio Breast Cancer Symposiumなどの国際会議から得られるエビデンスに基づいて日々更新され続けています.
初版から一貫して本書の特徴として,最新エビデンスの漏れのない網羅があります.今回も著者の先生方には,発表されていない臨床試験の成績にも丁寧な解説を加えていただきました.一方,EBM全盛のがん薬物療法ではありますが,薬理作用など基礎的な知識をもって臨む必要があることから,作用機序など基礎的な解説や新しい分子標的療法の使用から明らかになってきた副作用対策なども充実させました.
3年前の初版が発刊されて以後も,乳癌薬物療法の進歩とともに内容が充実,進歩する本書を慎んで皆様にお届けいたします.
2016年秋
国立がん研究センター中央病院乳腺外科 科長
木下貴之
京都大学大学院医学研究科外科学講座乳腺外科学 教授
戸井雅和
乳癌の薬物療法には内分泌療法,化学療法,分子標的療法があり,最近では乳癌のサブタイプや再発リスクから薬物療法の方針を決定する個別化医療が一般的になってきました.乳癌薬物療法の進歩は日進月歩であり,その内容の多くは海外にて実施されている大規模臨床試験やASCO,ESMO,St. Gallen Breast Cancer Conference,San Antonio Breast Cancer Symposiumなどの国際会議から得られるエビデンスに基づいて日々更新され続けています.
初版から一貫して本書の特徴として,最新エビデンスの漏れのない網羅があります.今回も著者の先生方には,発表されていない臨床試験の成績にも丁寧な解説を加えていただきました.一方,EBM全盛のがん薬物療法ではありますが,薬理作用など基礎的な知識をもって臨む必要があることから,作用機序など基礎的な解説や新しい分子標的療法の使用から明らかになってきた副作用対策なども充実させました.
3年前の初版が発刊されて以後も,乳癌薬物療法の進歩とともに内容が充実,進歩する本書を慎んで皆様にお届けいたします.
2016年秋
国立がん研究センター中央病院乳腺外科 科長
木下貴之
京都大学大学院医学研究科外科学講座乳腺外科学 教授
戸井雅和
目次
第Ⅰ章 総 論
1 乳癌の発生と進展
2 乳癌とホルモン受容体
3 乳癌のサブタイプ分類と薬物療法
4 乳癌薬物療法の効果予測因子
5 早期乳癌の個別化治療を巡る最新情報?St.Gallenコンセンサス会議2015
6 遺伝子検査
第Ⅱ章 乳癌薬物療法の実際
■ 術前薬物療法
1 適応と課題
2 臨床試験とエビデンス
3 薬剤と代表的レジメン
4 効果判定と予後
5 今後の展望
■ 術後化学療法
1 適応と課題
2 臨床試験とエビデンス
3 薬剤と代表的レジメン
4 アンスラサイクリン系薬剤の位置づけ
5 タキサンの位置づけ
6 今後の展望
■ 術後内分泌療法
1 ホルモン感受性の判定と内分泌療法の適応
2 閉経後乳癌に対する内分泌療法?SERMs,アロマターゼ阻害薬
3 閉経前乳癌に対する内分泌療法?SERMs,LH-RHアゴニスト
4 投与期間
5 効果予測因子
■ 転移・再発乳癌に対する薬物療法
1 薬物療法選択の考え方? Hortobagyiのアルゴリズム
2 ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する内分泌療法のエビデンス
3 ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する化学療法の役割
4 ホルモン受容体陰性転移・再発乳癌に対する治療戦略
5 経口FU薬
6 ビノレルビン
7 ゲムシタビン
8 カルボプラチン
9 エリブリン
10 アブラキサン
11 ベバシズマブ
12 エベロリムス
13 ビスホスホネート製剤,ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤の実際
■ 分子標的治療
1 乳癌に対し適応のある分子標的薬の作用機序
2 トラスツズマブ
3 ラパチニブ
4 ベバシズマブ
5 ペルツズマブ
6 T-DM1 臨床試験と実際の投与方法
7 術前薬物療法における分子標的薬
8 術後薬物療法における分子標的薬
9 転移・再発乳癌に対する分子標的薬の使い方
10 今後承認される可能性のある分子標的薬
第Ⅲ章 乳癌薬物療法の副作用対策
1 血液毒性G-CSF
2 消化器症状(悪心・嘔吐,下痢を中心に)
3 心毒性
4 薬剤性肺障害
5 末梢神経障害
6 アレルギー反応,infusion reaction
7 皮膚障害,手足症候群,脱毛
8 感染症(肝炎・結核など)
9 口内炎
10 骨粗鬆症
11 妊孕性
第Ⅳ章 乳癌薬物療法の代表的臨床試験
1 術前化学療法
2 術後化学療法
3 分子標的療法
4 内分泌療法(術前・術後)
5 再発後薬物療法
1 乳癌の発生と進展
2 乳癌とホルモン受容体
3 乳癌のサブタイプ分類と薬物療法
4 乳癌薬物療法の効果予測因子
5 早期乳癌の個別化治療を巡る最新情報?St.Gallenコンセンサス会議2015
6 遺伝子検査
第Ⅱ章 乳癌薬物療法の実際
■ 術前薬物療法
1 適応と課題
2 臨床試験とエビデンス
3 薬剤と代表的レジメン
4 効果判定と予後
5 今後の展望
■ 術後化学療法
1 適応と課題
2 臨床試験とエビデンス
3 薬剤と代表的レジメン
4 アンスラサイクリン系薬剤の位置づけ
5 タキサンの位置づけ
6 今後の展望
■ 術後内分泌療法
1 ホルモン感受性の判定と内分泌療法の適応
2 閉経後乳癌に対する内分泌療法?SERMs,アロマターゼ阻害薬
3 閉経前乳癌に対する内分泌療法?SERMs,LH-RHアゴニスト
4 投与期間
5 効果予測因子
■ 転移・再発乳癌に対する薬物療法
1 薬物療法選択の考え方? Hortobagyiのアルゴリズム
2 ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する内分泌療法のエビデンス
3 ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する化学療法の役割
4 ホルモン受容体陰性転移・再発乳癌に対する治療戦略
5 経口FU薬
6 ビノレルビン
7 ゲムシタビン
8 カルボプラチン
9 エリブリン
10 アブラキサン
11 ベバシズマブ
12 エベロリムス
13 ビスホスホネート製剤,ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤の実際
■ 分子標的治療
1 乳癌に対し適応のある分子標的薬の作用機序
2 トラスツズマブ
3 ラパチニブ
4 ベバシズマブ
5 ペルツズマブ
6 T-DM1 臨床試験と実際の投与方法
7 術前薬物療法における分子標的薬
8 術後薬物療法における分子標的薬
9 転移・再発乳癌に対する分子標的薬の使い方
10 今後承認される可能性のある分子標的薬
第Ⅲ章 乳癌薬物療法の副作用対策
1 血液毒性G-CSF
2 消化器症状(悪心・嘔吐,下痢を中心に)
3 心毒性
4 薬剤性肺障害
5 末梢神経障害
6 アレルギー反応,infusion reaction
7 皮膚障害,手足症候群,脱毛
8 感染症(肝炎・結核など)
9 口内炎
10 骨粗鬆症
11 妊孕性
第Ⅳ章 乳癌薬物療法の代表的臨床試験
1 術前化学療法
2 術後化学療法
3 分子標的療法
4 内分泌療法(術前・術後)
5 再発後薬物療法