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がんばる女性をサポートする漢方処方プロセス

1版

谷川醫院 院長/京都大学医学部附属病院 特任病院准教授 
谷川聖明 著

定価

3,960(本体 3,600円 +税10%)


  • B5判  228頁
  • 2023年4月 発行
  • ISBN 978-4-525-47231-3

レーダーチャートで漢方薬が見える!

女性が訴えることの多い症候に対する漢方処方の考え方を,漢方診療を専門とされる谷川聖明先生に解説していただいている.冒頭で症例を提示することで実践的に考えることができるほか,漢方薬の特性をレーダーチャートを用いて示し,また各症候を訴える女性の陰陽や虚実の分布を分布図によって示すなど,漢方にあまり詳しくない読者でもわかりやすく漢方処方を学ぶことができるような様々な工夫が凝らされている.

  • 序文
  • 目次
序文
 漢方薬を処方するためには,ある程度の知識と経験を必要とします.漢方医学にはいろいろな流派があり,その基本概念もまちまちです.せっかく漢方の勉強をしても,いざ患者を前にすると処方薬すら浮かんでこないことがあります.漢方の学習は,外国語の習得と似ています.せっかく単語や文法を覚えても,コミュニケーションがとれなければなんの意味もありません.生きた知識を身につけることが,実際の現場で役立つスキルになります.
 本書の特徴は大きく2つあります.ひとつは,症候別に実際の症例を通し,頻用処方を学べることです.豊富な症例を経験することは漢方のスキルアップのために必要であり,症例が現す漢方医学的病態を把握することはとても重要です.本書では患者像をイメージしやすくするため,歴史的人物をとりまぜ,私自身が経験した実際の症例を数多く提示しました.
 もうひとつの特徴はチャートを多用したことです.漢方薬を処方する際の思考プロセスに必要な「陰陽・虚実」や「気血水」の概念を,チャートで示しました.陰陽や虚実をものさしとした処方の分布図や,気虚・気滞・気逆・血虚・瘀血・水毒といった気血水の異常をレーダーチャートで示し,各種漢方薬の特性を視覚的にわかりやすく示しました.他書にない画期的な試みと考えます.
 本書は「がんばる女性を漢方薬でサポートしよう」という企画からスタートしました.女性が訴えることの多い症候に対して,漢方薬をどのように処方するかを解説しています.女性医療に携わる多くの医療者にとって,本書が漢方治療の理解を深める一助となれば幸いです.最後になりますが,本書作成にご尽力いただいた南山堂の小池亜美さん,伊藤毅さんに心より深謝申し上げます.

2023年2月
谷川聖明
目次
Ⅰ総 論

1 陰 陽
2 虚 実
3 気を極める
4 血を理解する
5 水を考える

Ⅱ症候から考える処方プロセス

1 冷 え
2 のぼせ・発汗
3 頭 痛
4 めまい
5 不 眠
6 疲れやすい・だるい
7 抑うつ・不安
8 イライラ
9 月経前症候群(PMS)
10 月経痛(下腹部痛)
11 月経不順
12 不妊症
13 産後の不調
14 肌荒れ・乾燥
15 ニキビ
16 蕁麻疹
17 便 秘
18 膀胱炎

Ⅲこんなときどうする!? 漢方のお悩み相談室

CASE1 陰陽・虚実の判断が難しい場合の考え方を教えてください
CASE2 処方した漢方薬が奏功しないときの対処法を教えてください
CASE3 処方を中止するタイミング,継続してほしいのに定期服用をしてくれない
CASE4 聞くに聞けないプチお悩み集

索引
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