まるごとわかる!精神疾患
1版
大阪人間科学大学 特任教授/
兵庫教育大学 客員教授/
東布施野田クリニック 理事長・院長 野田哲朗 監修
神奈川大学人間科学部人間科学科 教授/
一般社団法人臨床心理職能開発機構南浦和つながりクリニック 代表理事 山蔦圭輔 著
東京薬科大学薬学部臨床医療薬学センター 講師 大友隆之 著
定価
2,200円(本体 2,000円 +税10%)
- AB判 92頁
- 2023年9月 発行
- ISBN 978-4-525-50431-1
こころの病気を抱える患者に寄り添うナースのための入門書
臨床現場に訪れる患者さんは多様な悩みや困りごとを抱えています.それらの成り立ちを理解し,患者さんに寄り添うためにも,精神医学的知識は欠かせません.
本書では,精神疾患のなかでも代表的な,うつ病,統合失調症,睡眠障害,摂食障害,依存症などを取り上げ,読みやすい文章とフルカラーのイラストで親しみやすく解説しました.
ナースをはじめとした,実際に精神疾患の支援を行う方々の第一ステップに役立つ一冊です.
- 序文
- 目次
序文
本書では,さまざまな精神疾患のうち,代表的ともいえる,うつ病や統合失調症,睡眠障害や摂食障害,依存症などをわかりやすくまとめました.また,精神疾患とは何か,どのような治療法が適するかなどについて概説し,実際に精神疾患の支援を行う際の第一ステップに役立てることができるよう工夫しています.
臨床場面において,多様な困りごとを抱えた「患者」や「クライエント」(心理臨床場面において,相談に訪れる方々をクライエントと呼ぶことがあります)に対面し,その困りごとの成り立ちを精査しアセスメントするうえで,精神医学的知識は欠かせません.そして,これらの知識は患者やクライエントの理解を促進するとともに,関わり方を選択するうえでも必要不可欠です.診断は医師により行われるものですが,診断基準に記載されている精神疾患やその症状などは,診断に用いるためだけに用いられるものではありません.私たち人間の心理/精神世界は,目で見て,あるいは話を聴いて,十分に理解できるものとはいえず,それは手に取るようにわかるといった性質をもつものではありません.こうした中,少しでも苦しみの中に生きる患者やクライエントが楽になれるよう,専門家として関わりをもとうとするとき,その苦しみを「扱いやすくすること」は必要不可欠です.そして,「扱いやすくすること」とは,その苦しみを十分に理解し,疾病概念として捉えることであり,ここでは診断基準に記載される内容が大いに役に立ちます.
一方,〇〇症や〇〇障害というラベリングが弊害を引き起こすこともあります.弊害とは,その名前で患者やクライエントを見てしまい,本来の「困っている人」をどこかに忘れてしまうことです.言い換えると,障害でその人を枠づけしてしまうということです.他者を理解するツールとして,本書が役に立つこと,これからの対人理解の土台となることを願っております.
本書は,監修を精神科医師の野田哲朗先生にお願いし,薬物療法では薬学部で教鞭をふるう大友隆之先生にご執筆をお願い致しました.心理専門職としての知識や経験を精神医学や薬学の知識や経験で補完していただきました.この場を借りてお礼申し上げます.また,筆の遅い私を見守って下さいました,南山堂編集部の松村みどり氏,吉原成紀氏に深くお礼申し上げます.
2023年7月
神奈川大学人間科学部人間科学科 教授
一般社団法人臨床心理職能開発機構南浦和つながりクリニック 代表理事
山蔦圭輔
臨床場面において,多様な困りごとを抱えた「患者」や「クライエント」(心理臨床場面において,相談に訪れる方々をクライエントと呼ぶことがあります)に対面し,その困りごとの成り立ちを精査しアセスメントするうえで,精神医学的知識は欠かせません.そして,これらの知識は患者やクライエントの理解を促進するとともに,関わり方を選択するうえでも必要不可欠です.診断は医師により行われるものですが,診断基準に記載されている精神疾患やその症状などは,診断に用いるためだけに用いられるものではありません.私たち人間の心理/精神世界は,目で見て,あるいは話を聴いて,十分に理解できるものとはいえず,それは手に取るようにわかるといった性質をもつものではありません.こうした中,少しでも苦しみの中に生きる患者やクライエントが楽になれるよう,専門家として関わりをもとうとするとき,その苦しみを「扱いやすくすること」は必要不可欠です.そして,「扱いやすくすること」とは,その苦しみを十分に理解し,疾病概念として捉えることであり,ここでは診断基準に記載される内容が大いに役に立ちます.
一方,〇〇症や〇〇障害というラベリングが弊害を引き起こすこともあります.弊害とは,その名前で患者やクライエントを見てしまい,本来の「困っている人」をどこかに忘れてしまうことです.言い換えると,障害でその人を枠づけしてしまうということです.他者を理解するツールとして,本書が役に立つこと,これからの対人理解の土台となることを願っております.
本書は,監修を精神科医師の野田哲朗先生にお願いし,薬物療法では薬学部で教鞭をふるう大友隆之先生にご執筆をお願い致しました.心理専門職としての知識や経験を精神医学や薬学の知識や経験で補完していただきました.この場を借りてお礼申し上げます.また,筆の遅い私を見守って下さいました,南山堂編集部の松村みどり氏,吉原成紀氏に深くお礼申し上げます.
2023年7月
神奈川大学人間科学部人間科学科 教授
一般社団法人臨床心理職能開発機構南浦和つながりクリニック 代表理事
山蔦圭輔
目次
第1章 精神疾患の診療の実際
1.精神疾患とは
1)精神疾患の分類
2)精神疾患の症状
2.精神疾患の検査・診断
1)脳波検査
2)画像診断
3)神経心理学検査
4)知能検査
5)投影法による検査
6)質問紙法による検査
7)精神疾患の診断と診断基準
3.精神疾患の治療① 心理(精神)療法
1)精神分析療法
2)認知行動療法
4.精神疾患の治療② 薬物療法
1)精神疾患の薬物療法とは
2)抗精神病薬
3)抗うつ薬
4)気分安定薬
5)その他の治療薬
第2章 疾患別 知っておきたい基礎知識
1.うつ病,双極性障害
1)うつ病/大うつ病性障害
2)双極性障害
2.統合失調症
1)統合失調症の症状と経過
2)統合失調症の分類
3)統合失調症の治療
3.睡眠障害
1)不眠症(不眠障害)とは
2)概日リズム睡眠-覚醒障害群
3)過眠症(過眠障害),ナルコレプシー
4)呼吸関連睡眠障害群
4.摂食障害
1)神経性やせ症/神経性無食欲症
2)神経性過食症/神経性大食症
3)摂食障害の治療
5.依存症(嗜癖・アディクション)
1)依存症とは
2)アルコール関連障害群
3)ギャンブル障害
6.パーソナリティ障害
1)パーソナリティ障害全般の特徴
2)パーソナリティ障害の種類
3)パーソナリティ障害の治療
7.不安症
1)不安症とは
2)不安症の分類
3)不安にまつわる障害の治療
8.ストレス反応・適応障害
1)ストレスとは
2)ストレス反応・適応障害の分類
3)ストレス反応・適応障害の治療
9.強迫症/強迫性障害
1)強迫症/強迫性障害の症状
2)強迫症/強迫性障害の治療
3)強迫症/強迫性障害の関連疾患
10.発達障害
1)発達障害とは
2)自閉症スペクトラム症(ASD)
3)注意欠如・多動症(ADHD)
4)限局性学習症(LD)
5)その他の発達障害
COLUMN
精神科デイケア/精神保健及び精神障害者福祉に関する法律/愛着障害
1.精神疾患とは
1)精神疾患の分類
2)精神疾患の症状
2.精神疾患の検査・診断
1)脳波検査
2)画像診断
3)神経心理学検査
4)知能検査
5)投影法による検査
6)質問紙法による検査
7)精神疾患の診断と診断基準
3.精神疾患の治療① 心理(精神)療法
1)精神分析療法
2)認知行動療法
4.精神疾患の治療② 薬物療法
1)精神疾患の薬物療法とは
2)抗精神病薬
3)抗うつ薬
4)気分安定薬
5)その他の治療薬
第2章 疾患別 知っておきたい基礎知識
1.うつ病,双極性障害
1)うつ病/大うつ病性障害
2)双極性障害
2.統合失調症
1)統合失調症の症状と経過
2)統合失調症の分類
3)統合失調症の治療
3.睡眠障害
1)不眠症(不眠障害)とは
2)概日リズム睡眠-覚醒障害群
3)過眠症(過眠障害),ナルコレプシー
4)呼吸関連睡眠障害群
4.摂食障害
1)神経性やせ症/神経性無食欲症
2)神経性過食症/神経性大食症
3)摂食障害の治療
5.依存症(嗜癖・アディクション)
1)依存症とは
2)アルコール関連障害群
3)ギャンブル障害
6.パーソナリティ障害
1)パーソナリティ障害全般の特徴
2)パーソナリティ障害の種類
3)パーソナリティ障害の治療
7.不安症
1)不安症とは
2)不安症の分類
3)不安にまつわる障害の治療
8.ストレス反応・適応障害
1)ストレスとは
2)ストレス反応・適応障害の分類
3)ストレス反応・適応障害の治療
9.強迫症/強迫性障害
1)強迫症/強迫性障害の症状
2)強迫症/強迫性障害の治療
3)強迫症/強迫性障害の関連疾患
10.発達障害
1)発達障害とは
2)自閉症スペクトラム症(ASD)
3)注意欠如・多動症(ADHD)
4)限局性学習症(LD)
5)その他の発達障害
COLUMN
精神科デイケア/精神保健及び精神障害者福祉に関する法律/愛着障害