カテゴリー: 臨床看護学
デキる看護師の検査値note
1版
藤田医科大学保健衛生学部 講師 酒井博崇 編
藤田医科大学病院 副院長 岩田充永 編集協力
定価
2,420円(本体 2,200円 +税10%)
- AB判 138頁
- 2022年8月 発行
- ISBN 978-4-525-50491-5
やっぱり「デキる看護師」になりたい!総合的アセスメントのためのスキルアップbook
看護師が統合的なアセスメントを実践するには,①患者との医療面接,②臨床検査・画像検査などのデータ,③身体所見・病歴の理解,が必要です.
本書では,そのひとつである「検査値」についてアセスメントに必要な情報をまとめました.忙しい臨床で直感的に判断しがちな検査データも,理論的に読み解くことができれば,常に的確な患者ケアを行い,医師と意思疎通が図れる「デキる看護師」になります.
本書は,看護師がよく直面する9つのシーンを切り口に,病態生理の解説,検査値の評価方法,症例を用いたアセスメントの実践で構成しました.また,執筆者らによるwebセミナーも配信中です.本書とともに見ることで,さらに理解が深まりアセスメント力が身に付きます.
- 序文
- 目次
序文
「デキる看護師」と言われ,皆さんはどのような看護師をイメージするでしょうか?本書では「検査値」を取り上げていますが,私は看護師として「検査値を読める看護師 =デキる看護師」ではない!と思います.「デキる看護師=検査値も読むことができる」と考えています.
勤務している診療科や,在宅などの分野において,検査に対する考え方,用いる検査はさまざまです.検査は患者の客観的データとして身近なものであり,検査値を読むことは患者状態を把握する上で必要な知識となっています.つまり,「検査値を読むことができる看護師」は患者・家族に寄り添うことができ,生活背景・社会背景から全人的ケアと個別性を持った日常生活援助も可能です.本書ではその「検査値」に関して,皆様の一助となれればと思い,執筆者と共に筆を執らせて頂きました.
執筆者は全員が臨床現場で活躍する診療看護師Nurse Practitioner(NP)です.NPは医師と協働し,医師と看護師の両視点から患者をみています.その経験や知識から,本書では,看護師が知りたい知識,臨床に役立つ知識をまとめました.
検査値に関して,看護学校の講義・実習で学ぶ機会があっても実用の段階まで至らず,多くの看護師は病院に勤務するようになってからその知識を求められるのではないでしょうか? しかし,いざとなると多くの看護師は3つのパターンで悩み,失敗します.
① 検査値の関連性・原因が分からない:基準値より高い・低いは数値をみれば分かるが,検査値が変動する理由や疾患・病態との関係が分からない.
② 生理学が分からない:検査値を勉強しようと思っても本に書いてある用語が分からない.生理学は範囲が広すぎてどこから勉強していいか分からない.
③ 実臨床に落とし込めない:自分が担当している患者にどうやって使えばいいのか分からない.
私もそうでした.そんな問題を少しでも解決できるよう本書では,①皆さんが接する臨床の場面・病態ごとに構成しました.検査値は単発で変化することもありますが,複合的な変化も多いです.場面・病態ごとに関連性と原因を一緒に考えながら読んで頂けると思います.②本書はノート形式です.本文の説明だけで完結することは難しく,また求める内容,必要な知識はそれぞれ異なると思います.分からない用語は調べて,新しく学んだ知識・必要な知識を書き込んであなただけのノートにしてください.③症例をベースに,アセスメントとポイントを示しました.検査値の数字だけではなく,そこには患者がいる,患者をみるということを忘れないでください.視点・観点=プロブレムの抽出,思考過程=アセスメントであることを習得し担当している患者へ繋げて頂けたら幸いです.
本書にタイアップしたWebセミナーを配信します.通勤や就寝前の空いた時間で利用するなど,本書とハイブリッドでぜひ活用してください.
2022年7月
酒井 博崇
勤務している診療科や,在宅などの分野において,検査に対する考え方,用いる検査はさまざまです.検査は患者の客観的データとして身近なものであり,検査値を読むことは患者状態を把握する上で必要な知識となっています.つまり,「検査値を読むことができる看護師」は患者・家族に寄り添うことができ,生活背景・社会背景から全人的ケアと個別性を持った日常生活援助も可能です.本書ではその「検査値」に関して,皆様の一助となれればと思い,執筆者と共に筆を執らせて頂きました.
執筆者は全員が臨床現場で活躍する診療看護師Nurse Practitioner(NP)です.NPは医師と協働し,医師と看護師の両視点から患者をみています.その経験や知識から,本書では,看護師が知りたい知識,臨床に役立つ知識をまとめました.
検査値に関して,看護学校の講義・実習で学ぶ機会があっても実用の段階まで至らず,多くの看護師は病院に勤務するようになってからその知識を求められるのではないでしょうか? しかし,いざとなると多くの看護師は3つのパターンで悩み,失敗します.
① 検査値の関連性・原因が分からない:基準値より高い・低いは数値をみれば分かるが,検査値が変動する理由や疾患・病態との関係が分からない.
② 生理学が分からない:検査値を勉強しようと思っても本に書いてある用語が分からない.生理学は範囲が広すぎてどこから勉強していいか分からない.
③ 実臨床に落とし込めない:自分が担当している患者にどうやって使えばいいのか分からない.
私もそうでした.そんな問題を少しでも解決できるよう本書では,①皆さんが接する臨床の場面・病態ごとに構成しました.検査値は単発で変化することもありますが,複合的な変化も多いです.場面・病態ごとに関連性と原因を一緒に考えながら読んで頂けると思います.②本書はノート形式です.本文の説明だけで完結することは難しく,また求める内容,必要な知識はそれぞれ異なると思います.分からない用語は調べて,新しく学んだ知識・必要な知識を書き込んであなただけのノートにしてください.③症例をベースに,アセスメントとポイントを示しました.検査値の数字だけではなく,そこには患者がいる,患者をみるということを忘れないでください.視点・観点=プロブレムの抽出,思考過程=アセスメントであることを習得し担当している患者へ繋げて頂けたら幸いです.
本書にタイアップしたWebセミナーを配信します.通勤や就寝前の空いた時間で利用するなど,本書とハイブリッドでぜひ活用してください.
2022年7月
酒井 博崇
目次
【アセスメント編:どんな検査値をみる?】
1章 感染症かな? と思ったら
感染症の病態生理
1 感染症を疑ったら
2 生体における防御機構
3 感染症の分類
4 感染症の原因
感染症を評価する検査値
症例から学ぶ検査値を用いた感染症のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
2章 貧血かな? と思ったら
貧血の病態生理
1 血球と造血について
2 貧血の定義
3 貧血を起こす病態生理
貧血を評価する検査値
1 検査値を用いた評価方法
症例から学ぶ検査値を用いた貧血のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
3章 出血傾向かな? と思ったら
出血傾向の病態生理
1 止血・線溶のメカニズム
2 凝固異常・抗凝固薬
出血傾向を評価する検査値
1 血小板(PLT)
2 プロトロンビン時間(PT)
3 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
4 フィブリノゲン(Fg)
5 フィブリン分解産物(FDP)/フィブリノゲン分解産物(FgDP),Dーダイマー
症例から学ぶ検査値を用いた出血傾向のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
4章 呼吸不全かな? と思ったら
呼吸不全の病態生理
1 呼吸・循環・代謝のシステム
2 血液ガスに関する用語
3 呼吸不全とは
4 呼吸不全の原因
呼吸不全を評価する検査値
1 検査値を用いた評価方法
2 ガス交換の評価
3 酸塩基平衡の評価
症例から学ぶ検査値を用いた呼吸不全のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
5章 脱水かな? と思ったら
脱水の病態生理
1 体液量調節のシステム
2 脱水とは
脱水を評価する検査値
1 脱水の評価方法
2 脱水の評価に用いられる検査値
症例から学ぶ検査値を用いた脱水のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
6章 低栄養かな? と思ったら
低栄養の病態生理
1 栄養と体重減少
2 栄養状態に関する用語
低栄養を評価する検査値
1 主疾患の検査項目
2 栄養の評価に関連する主な検査値
3 検査値を用いた評価方法
症例から学ぶ検査値を用いた低栄養のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
7章 虚血性心疾患かな? と思ったら
虚血性心疾患の病態生理
虚血性心疾患を評価する検査値
症例から学ぶ検査値を用いた虚血性心疾患のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
8章 心不全かな? と思ったら
心不全の病態生理
1 心不全の定義
2 心不全の原因疾患
3 心不全に関わる要因
心不全を評価する検査値
症例から学ぶ検査値を用いた心不全のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
9章 腎不全かな? と思ったら
腎不全の病態生理
1 腎機能
2 腎不全とは
3 急性腎不全を疑った際に考えること,アセスメントのステップ
腎不全を評価する検査値
1 腎不全に関連する主な検査値
2 腎代替療法の基準
症例から学ぶ検査値を用いた腎不全のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
【アドバンス編:さらに知っておきたい病態と検査】
1章 病態の知識
結 核
1 結核菌の感染経路
2 結核の検査
褥 瘡
1 褥瘡の発生要因と検査
2 褥瘡に関連した検査値
意識障害
1 意識障害の原因検索
2 意識障害に関連した検査
腹痛,消化管出血
1 腹痛の原因検索
2 腹痛に関連した検査値
3 消化管出血
2章 検査の知識
血糖値(GLU)
ヘモグロビンA1c(HbA1c)
検査結果に影響を及ぼす静脈採血・検体の取り扱いの手技
1 駆血,うっ滞
2 溶 血
3 輸液,輸血
4 血液培養検査
【付録:基準値・略語】
血液検査の基準
検査略語
略 語
1章 感染症かな? と思ったら
感染症の病態生理
1 感染症を疑ったら
2 生体における防御機構
3 感染症の分類
4 感染症の原因
感染症を評価する検査値
症例から学ぶ検査値を用いた感染症のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
2章 貧血かな? と思ったら
貧血の病態生理
1 血球と造血について
2 貧血の定義
3 貧血を起こす病態生理
貧血を評価する検査値
1 検査値を用いた評価方法
症例から学ぶ検査値を用いた貧血のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
3章 出血傾向かな? と思ったら
出血傾向の病態生理
1 止血・線溶のメカニズム
2 凝固異常・抗凝固薬
出血傾向を評価する検査値
1 血小板(PLT)
2 プロトロンビン時間(PT)
3 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
4 フィブリノゲン(Fg)
5 フィブリン分解産物(FDP)/フィブリノゲン分解産物(FgDP),Dーダイマー
症例から学ぶ検査値を用いた出血傾向のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
4章 呼吸不全かな? と思ったら
呼吸不全の病態生理
1 呼吸・循環・代謝のシステム
2 血液ガスに関する用語
3 呼吸不全とは
4 呼吸不全の原因
呼吸不全を評価する検査値
1 検査値を用いた評価方法
2 ガス交換の評価
3 酸塩基平衡の評価
症例から学ぶ検査値を用いた呼吸不全のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
5章 脱水かな? と思ったら
脱水の病態生理
1 体液量調節のシステム
2 脱水とは
脱水を評価する検査値
1 脱水の評価方法
2 脱水の評価に用いられる検査値
症例から学ぶ検査値を用いた脱水のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
6章 低栄養かな? と思ったら
低栄養の病態生理
1 栄養と体重減少
2 栄養状態に関する用語
低栄養を評価する検査値
1 主疾患の検査項目
2 栄養の評価に関連する主な検査値
3 検査値を用いた評価方法
症例から学ぶ検査値を用いた低栄養のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
7章 虚血性心疾患かな? と思ったら
虚血性心疾患の病態生理
虚血性心疾患を評価する検査値
症例から学ぶ検査値を用いた虚血性心疾患のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
8章 心不全かな? と思ったら
心不全の病態生理
1 心不全の定義
2 心不全の原因疾患
3 心不全に関わる要因
心不全を評価する検査値
症例から学ぶ検査値を用いた心不全のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
9章 腎不全かな? と思ったら
腎不全の病態生理
1 腎機能
2 腎不全とは
3 急性腎不全を疑った際に考えること,アセスメントのステップ
腎不全を評価する検査値
1 腎不全に関連する主な検査値
2 腎代替療法の基準
症例から学ぶ検査値を用いた腎不全のアセスメント
1 症 例
2 デキる看護師のポイント
【アドバンス編:さらに知っておきたい病態と検査】
1章 病態の知識
結 核
1 結核菌の感染経路
2 結核の検査
褥 瘡
1 褥瘡の発生要因と検査
2 褥瘡に関連した検査値
意識障害
1 意識障害の原因検索
2 意識障害に関連した検査
腹痛,消化管出血
1 腹痛の原因検索
2 腹痛に関連した検査値
3 消化管出血
2章 検査の知識
血糖値(GLU)
ヘモグロビンA1c(HbA1c)
検査結果に影響を及ぼす静脈採血・検体の取り扱いの手技
1 駆血,うっ滞
2 溶 血
3 輸液,輸血
4 血液培養検査
【付録:基準値・略語】
血液検査の基準
検査略語
略 語