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カテゴリー: 臨床薬学

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プロフェッショナルから学ぶ医薬品副作用の対応50

1版

新潟大学医歯学総合病院薬剤部 教授・薬剤部長 佐藤 博 監修
新潟副作用研究会 代表/医療法人社団健進会新津医療センター病院薬剤部 部長 継田雅美 編集

定価

2,750(本体 2,500円 +税10%)


  • B5判  219頁
  • 2013年8月 発行
  • ISBN 978-4-525-70261-8

薬物治療で生じる医薬品副作用は患者にとって不利益な事象であり,薬剤師による薬学的管理が重要な役割を担う.本書は,それらが発現した場合にどのような見極めをして対応すべきかを,明確に,かつ簡潔にまとめた.
これを読めば,自信を持って医薬品副作用の適切な判断・指導ができるようになる!

  • 目次
  • 序文
目次
第Ⅰ章 総 論
1 医薬品副作用対策─対応と心構え
 1 医薬品有害作用に対応する意義
 2 医薬品有害作用の種類と分類
 3 医薬品有害作用の発症原因と機序
 4 医薬品有害作用の管理
 5 医薬品有害反応の臨床解析法
 6 医薬品有害反応の原因薬の検出
 7 おわりに

2 副作用情報データの現状とその活用─PMDAの医薬品副作用データベース
 1 PMDAの副作用データベースに含まれる項目
 2 PMDAの医薬品副作用データベースの検索に際し注意する点
 3 おわりに 

第Ⅱ章 各 論
●「区別したい副作用と疾患」の見方

1 悪心・嘔吐
 CASE 1 ジゴキシン服用中の食欲不振
 CASE 2 SSRI服用中の悪心・嘔吐
 CASE 3 中枢性麻薬服用中の悪心・嘔吐

2 下 痢
 CASE 4 ジスチグミン服用中の下痢
 CASE 5 Clostridium difficile関連の下痢
 CASE 6 プロトンポンプ阻害薬服用中の下痢

3 腹 痛
 CASE 7 バルプロ酸服用中の心窩部痛・背部痛
 CASE 8 ビスホスホネート服用中の胸のつかえ・心窩部痛

4 口 渇
 CASE 9 オランザピン服用中の口渇
 CASE 10 PL配合顆粒服用中の口渇
 CASE 11 リアゾラム服用中の口渇

5 傾 眠
 CASE 12 抗ヒスタミン薬服用中の傾眠
 CASE 13 NSAIDs服用中の傾眠

6 倦怠感
 CASE 14 アトルバスタチン服用中の倦怠感
 CASE 15 ジクロフェナク服用中の倦怠感
 CASE 16 メトプロロール徐放錠服用中の倦怠感

7 発 疹
 CASE 17 アロプリノール服用中の発熱と全身性発疹
 CASE 18 イブプロフェンピコノール塗布中の発疹・皮膚炎
 CASE 19 ブシラミン服用中の発疹

8 発 熱
 CASE 20 チアマゾール服用中の発熱
 CASE 21 ファモチジン服用中の発熱

9 頭 痛
 CASE 22 ニトログリセリン服用後の頭痛
 CASE 23 NSAIDs服用中の頭痛
 CASE 24 テオフィリン服用中の頭痛

10 めまい
 CASE 25 ARB服用中のめまい 
 CASE 26 ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬服用中のめまい
 CASE 27 ニューキノロン系抗菌薬服用中のめまい

11 むくみ(浮腫)
 CASE 28 ロキソプロフェン服用による浮腫
 CASE 29 ピオグリタゾン服用による浮腫
 CASE 30 アムロジピン服用による浮腫

12 出 血
 CASE 31 サラゾスルファピリジン服用中の皮内出血
 CASE 32 チクロピジン服用中の脳出血

13 動 悸
 CASE 33 吸入β2刺激薬使用中の動悸
 CASE 34 抗不整脈薬内服中の動悸
 CASE 35 禁煙により誘発されたテオフィリン中毒

14 ふらつき
 CASE 36 ロキソプロフェン服用中のふらつき
 CASE 37 バルプロ酸服用中のふらつき

15 咳
 CASE 38 ACE阻害薬による空咳
 CASE 39 DMARDsによる間質性肺炎
 CASE 40 酸性NSAIDsによるアスピリン喘息

16 脱力感
 CASE 41 インフルエンザワクチン接種後の脱力感
 CASE 42 スタチン系薬剤服用中の脱力感

17 徐脈(徐脈性不整脈)
 CASE 43 β遮断点眼薬使用中の徐脈
 CASE 44 多剤併用でジルチアゼム内服中の徐脈

18 電解質異常(検査値異常)
 CASE 45 慢性心不全時の低ナトリウム血症
 CASE 46 ナファモスタット服用中の高カリウム血症

19 肝機能障害(検査値異常)
 CASE 47 カルバマゼピン服用中の肝機能検査値異常
 CASE 48 アカルボース服用中の肝機能検査値異常

20 腎機能障害(検査値異常)
 CASE 49 ブシラミン服用中の浮腫およびタンパク尿
 CASE 50 バルサルタンによる高カリウム血症を伴う急性腎障害

事項索引
薬剤索引
序文
 「副作用」という言葉は,薬物の「効果」や「治療」といった明るいイメージに比してマイナスなイメージを持つ言葉である.この副作用に真正面から取り組み,副作用に苦しむ(もしかすると副作用とは思っていない)患者を助け,あるいはこれから起こるかもしれない副作用を回避する役割を果たすのは,医療の最前線にいる現場の薬剤師である.
 1990 年,現福山大学薬学部教授宇野勝次先生,新潟大学医歯学総合病院薬剤部教授・薬剤部長佐藤博先生をはじめとする新潟のすばらしい薬剤師の先輩方が副作用研究会を立ち上げられ,本研究会を通じて,患者の安全を守ることが薬剤師の努めであることをこの地の若い薬剤師たちに教えてくださった.そして,発足から23 年経った今,本研究会に育てられてきたわれわれが,さらに若い世代の薬剤師へとその意思を伝えていかなければならない.
 新潟副作用研究会は,病院・薬局・大学などの職場を問わず薬剤師が集まり自分が経験した症例をあげて検討するなど,その時々の話題を議論している.特に症例検討では1 症例に30 分以上かけ,薬剤の副作用か否かの判定やその副作用についての勉強にも取り組んでいる.
 このような積み重ねの中で,『プロフェッショナルから学ぶ 医薬品副作用の対応50』はできあがった.本書のコンセプトは,「副作用をよりわかりやすく,取り組みやすく」である.現場でよく遭遇する症状は薬物の副作用なのか? 疾患の悪化なのか? 判断は非常に難しい.そのため本書では,まずほかの随伴症状や被疑薬剤を組み合わせることで1 つの症状が多くの意味を持つことを示した.次に,新人薬剤師とベテラン薬剤師の会話というスタイルで「副作用を疑う」経過を示し,そのポイントとなる部分の解説をつけることで副作用を見逃さずに,的確な対応ができるようにまとめた.経験が少なく,副作用の対応を苦手とする薬剤師にとってはわかりやすく学べる本として,また経験豊富な薬剤師にとっては,副作用に関する知識を整理するための復習本として手にとってもらえたら幸いである.
 最後に,本書を企画・編集するにあたり,たいへんご尽力をいただいた南山堂の大城梨絵子さん,根本英一さん,古川晶彦さんに深謝いたします.

2013 年初夏

新潟副作用研究会 代表
医療法人社団健進会新津医療センター病院薬剤部 部長
継田雅美
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