カートを見る
処方Q&A 循環器疾患
1版
国立循環器病研究センター循環器病リハビリテーション部
稗田道成 編著
国立循環器病研究センター薬剤部 特任副薬剤部長 和田恭一 編著
定価
4,290円（本体 3,900円 ＋税10%）
- B5判 310頁
- 2015年5月 発行
- ISBN 978-4-525-70341-7
循環器領域の薬物治療において，薬剤師がよく悩むことを具体的にQuestionとして挙げ，それに対して，医師が「なぜこの薬を出したのか」，その処方意図を解説しています．循環器領域のエキスパートが，実臨床での「処方の極意」をわかりやすくまとめました．
- 序文
- 目次
序文
近年，わが国における心臓血管疾患・脳血管疾患は，死亡数においてはがんに次いで第２・３位ですが，罹患患者数ではがん患者数をはるかに上回っています．この状況の中で，循環器疾患の診断・治療法は，数多くのエビデンスを積み重ね日々進歩し，その治療法を取り扱う医師や薬剤師の専門的な知識は，量的にも質的にも増加しています．このような専門性が求められる循環器疾患の薬物療法を適正に推進するために，チーム医療の一員としての薬剤師の役割は大きいと言えます．
本書は，書籍「処方Q&A100 呼吸器疾患」に続くシリーズ書籍として企画されました．循環器疾患の書籍は医師向けが多く，薬剤師の日常の疑問に即答できるような専門書籍は数少ないのが正直なところです．また，薬剤師が理解できるように臨床上重要な解剖・生理や血液検査や画像検査の見方を含めて，矮小化せず論じている書籍は多くありません．そこで，病院薬剤師のみならず，保険薬局薬剤師，薬剤部レジデント，薬学部実務実習生の臨床的疑問を解決し，その解決の背景にある病態や治療方針を本質的に理解できる書籍を目指しました．そのため本書を構成する主な項目（Question）は，循環器疾患を虚血性心疾患，心不全，不整脈，高血圧，下肢虚血性疾患，肺高血圧など疾患別に分類し，実臨床の現場でよく遭遇するものにしました．そして，その項目に対する解説（Answer）は，病棟業務や薬局業務といった臨床現場で短時間のうちに把握できるよう，各項目２〜５ページで完結するように工夫しました．また，わずかな誌面の中でも，臨床的解決策の裏付けとなる古典的エビデンスから最新の知見までできるだけたくさん盛り込むようにしました．しかし，単なるエビデンスの羅列ではなく，情報が有機的な繋がりを持つようにも努力しました．
以上のことから，本書は病院薬剤師や保険薬局薬剤師を対象として循環器疾患の日々の疑問を解決できるような構成として作成されていますが，同時に，循環器領域の重要な大規模臨床試験を含めた約800篇もの文献のエッセンスを盛り込んでいます．そのため，薬剤師，薬学生のみならず，初期研修医や看護師の指導書や教科書としても利用しやすく，なおかつ，ベッドサイドでも使えるリファレンスブックになったのではないかと自負しております．臨床で抱いた疑問を本書のQ&Aを通じて解決し，病態の本質と治療方針の背景を理解することで，チーム医療の一員として，病院や保険薬局で医師に治療方針について自信を持って疑義照会でき，また，医師と互角に議論できる薬剤師力をますます深める一助になれば幸いです．
2015年春
編者
本書は，書籍「処方Q&A100 呼吸器疾患」に続くシリーズ書籍として企画されました．循環器疾患の書籍は医師向けが多く，薬剤師の日常の疑問に即答できるような専門書籍は数少ないのが正直なところです．また，薬剤師が理解できるように臨床上重要な解剖・生理や血液検査や画像検査の見方を含めて，矮小化せず論じている書籍は多くありません．そこで，病院薬剤師のみならず，保険薬局薬剤師，薬剤部レジデント，薬学部実務実習生の臨床的疑問を解決し，その解決の背景にある病態や治療方針を本質的に理解できる書籍を目指しました．そのため本書を構成する主な項目（Question）は，循環器疾患を虚血性心疾患，心不全，不整脈，高血圧，下肢虚血性疾患，肺高血圧など疾患別に分類し，実臨床の現場でよく遭遇するものにしました．そして，その項目に対する解説（Answer）は，病棟業務や薬局業務といった臨床現場で短時間のうちに把握できるよう，各項目２〜５ページで完結するように工夫しました．また，わずかな誌面の中でも，臨床的解決策の裏付けとなる古典的エビデンスから最新の知見までできるだけたくさん盛り込むようにしました．しかし，単なるエビデンスの羅列ではなく，情報が有機的な繋がりを持つようにも努力しました．
以上のことから，本書は病院薬剤師や保険薬局薬剤師を対象として循環器疾患の日々の疑問を解決できるような構成として作成されていますが，同時に，循環器領域の重要な大規模臨床試験を含めた約800篇もの文献のエッセンスを盛り込んでいます．そのため，薬剤師，薬学生のみならず，初期研修医や看護師の指導書や教科書としても利用しやすく，なおかつ，ベッドサイドでも使えるリファレンスブックになったのではないかと自負しております．臨床で抱いた疑問を本書のQ&Aを通じて解決し，病態の本質と治療方針の背景を理解することで，チーム医療の一員として，病院や保険薬局で医師に治療方針について自信を持って疑義照会でき，また，医師と互角に議論できる薬剤師力をますます深める一助になれば幸いです．
2015年春
編者
目次
第1章 循環器一般の基礎知識
循環器診療の現場で役立つ解剖生理
循環器診療で実施する検査の特徴とその見方
循環器薬理学の基本
循環器診療で用いる注射薬と使用時の注意点
第2章 虚血性心疾患
虚血性心疾患の基礎知識
1 冠動脈造影を行う際の，造影剤腎症の予防に必要な対処法を教えてください．
2 急性心筋梗塞の際の抗凝固・抗血小板療法の注意点について教えてください．
3 心筋梗塞二次予防において，数値目標があるものを教えてください．
4 心筋梗塞急性期の薬物治療について教えてください．
5 急性冠症候群における血栓溶解療法について教えてください．
6 抗血小板療法の注意点を教えてください．また，中止時期についても教えてください．
7 心筋梗塞後の虚血性心疾患の長期予後を考慮した薬剤選択を教えてください．
8 心筋梗塞後の虚血性心疾患の長期予後を考慮した，脂質異常に対する標準的な薬剤選択について教えてください．
9 スタチンの臨床効果と水溶性スタチンと脂溶性スタチンの違いについて教えてください．
10 スタチンの副作用・相互作用について教えてください．また，横紋筋融解症の診断・対応について教えてください．
11 冠動脈硬化病変（プラーク）が安定化しているときの薬物治療を教えてください．
12 冠動脈攣縮（spasm）の治療薬を教えてください．
第3章 心不全
心不全の基礎知識
13 心不全患者の増悪因子とその管理について教えてください．
14 カテコラミン，PDEⅢ阻害薬の導入方法と減量のコツ，使い分けについて教えてください．
15 hANPの開始量，使い方を教えてください．
16 硝酸薬の開始量，使い方を教えてください．
17 ジゴキシンの心不全に対する適応と使い方を教えてください．
18 ピモベンダンの使用意義と導入のコツを教えてください．
19 β遮断薬の導入方法，目標内服量，増量のコツを教えてください．
20 β遮断薬の使い分けについて教えてください．
21 ACE阻害薬やARBを導入するタイミングを教えてください．
22 ACE阻害薬とARBの使い分けについて教えてください．
23 抗アルドステロン薬の心不全に対する使用意義と導入のコツを教えてください．
24 心不全に対する利尿薬の使い分けについて教えてください．
25 利尿薬の点滴から内服に切り替えるときの量の調節について教えてください．
26 利尿薬の副作用である高尿酸血症の原因と治療について教えてください．
27 腎機能低下時の高尿酸血症治療薬の投与方法について教えてください．
28 トルバプタンの導入基準・服用継続や中止基準について教えてください．
29 hANPの溶解方法と使用濃度について教えてください．
30 腎機能低下時のジゴキシンの投与方法について教えてください．
31 トルバプタンを使用する際に注意する副作用について教えてください．
第4章 不整脈
不整脈の基礎知識
32 カリウム異常と不整脈の関連について教えてください．
33 カルシウム異常と不整脈の関連について教えてください．
34 心房細動治療のコツを教えてください．
35 心房細動に対する抗不整脈薬の使い分けについて教えてください．
36 心房細動時の経口抗凝固薬の導入基準について教えてください．
37 ワルファリンの投与時の注意点について教えてください．
38 新規経口抗凝固薬の使い分けについて教えてください．
39 新規経口抗凝固薬の投与における注意点について教えてください．
40 発作性上室性頻拍症（PSVT）のときの治療薬を教えてください．
41 難治性心室頻拍・心室細動に対する治療薬を教えてください．
42 アミオダロン導入時に検査すべき内容を教えてください．
43 QT延長を起こす薬剤を教えてください．
44 腎機能低下時の抗不整脈薬の投与方法について教えてください．
45 アミオダロンの主な副作用と対処方法について教えてください．
46 ヘパリン起因性血小板減少症（HIT）について教えてください．
47 ヘパリン起因性血小板減少症（HIT）の場合の抗凝固療法について教えてください．
48 周術期に経口抗凝固薬を中止するタイミングについて教えてください．
49 甲状腺機能異常と不整脈の関係について教えてください．
第5章 高血圧
高血圧の基礎知識
50 家庭で血圧を測る意義と適切な測定方法について教えてください．
51 血圧が高いときに気をつける生活習慣について教えてください．
52 降圧薬の第1選択を教えてください．
53 収縮期血圧か拡張期血圧のどちらかが高い場合の降圧薬の選択方法を教えてください．
54 目標血圧にならない場合の対応と，次の手を教えてください．
55 妊婦に対する降圧薬の投与について気をつける点を教えてください．
56 腎機能低下患者の高血圧に対する第1選択薬を教えてください．
57 糖尿病合併の高血圧に対する第1選択薬を教えてください．
58 虚血性心疾患合併高血圧に対する第1選択薬を教えてください．
59 Ca拮抗薬の使い分けについて教えてください．
60 Ca拮抗薬の副作用で特に気をつける点を教えてください．
61 Ca拮抗薬の服用患者にCa製剤やCaサプリメントを投与してもよいですか？
62 ACE阻害薬・ARBの副作用で気をつける点を教えてください．
63 高血圧に対する利尿薬の使い分けについて教えてください．
64 利尿薬の副作用で気をつける点を教えてください．
65 高血圧に合剤を使う意義と使い分けについて教えてください．
66 大動脈解離の際に使う薬を教えてください．
67 腎機能低下時のACE阻害薬・ARBの投与方法について教えてください．
第6章 下肢虚血
下肢虚血の基礎知識
68 末梢血管カテーテル治療（EVT）の治療薬について教えてください．
第7章 その他の循環器疾患
感染性心内膜炎の基礎知識
69 感染性心内膜炎の治療法について教えてください．
深部静脈血栓症，肺血栓塞栓症の基礎知識
70 深部静脈血栓症のときの抗血小板薬，抗凝固薬の使い分けについて教えてください．
71 急性肺血栓塞栓症の治療薬を教えてください．
肺高血圧症の基礎知識
72 肺高血圧症の治療薬を教えてください．
73 エポプロステノールの副作用で気をつける点について教えてください．
74 エポプロステノール導入時の注意点について教えてください．
循環器診療の現場で役立つ解剖生理
循環器診療で実施する検査の特徴とその見方
循環器薬理学の基本
循環器診療で用いる注射薬と使用時の注意点
第2章 虚血性心疾患
虚血性心疾患の基礎知識
1 冠動脈造影を行う際の，造影剤腎症の予防に必要な対処法を教えてください．
2 急性心筋梗塞の際の抗凝固・抗血小板療法の注意点について教えてください．
3 心筋梗塞二次予防において，数値目標があるものを教えてください．
4 心筋梗塞急性期の薬物治療について教えてください．
5 急性冠症候群における血栓溶解療法について教えてください．
6 抗血小板療法の注意点を教えてください．また，中止時期についても教えてください．
7 心筋梗塞後の虚血性心疾患の長期予後を考慮した薬剤選択を教えてください．
8 心筋梗塞後の虚血性心疾患の長期予後を考慮した，脂質異常に対する標準的な薬剤選択について教えてください．
9 スタチンの臨床効果と水溶性スタチンと脂溶性スタチンの違いについて教えてください．
10 スタチンの副作用・相互作用について教えてください．また，横紋筋融解症の診断・対応について教えてください．
11 冠動脈硬化病変（プラーク）が安定化しているときの薬物治療を教えてください．
12 冠動脈攣縮（spasm）の治療薬を教えてください．
第3章 心不全
心不全の基礎知識
13 心不全患者の増悪因子とその管理について教えてください．
14 カテコラミン，PDEⅢ阻害薬の導入方法と減量のコツ，使い分けについて教えてください．
15 hANPの開始量，使い方を教えてください．
16 硝酸薬の開始量，使い方を教えてください．
17 ジゴキシンの心不全に対する適応と使い方を教えてください．
18 ピモベンダンの使用意義と導入のコツを教えてください．
19 β遮断薬の導入方法，目標内服量，増量のコツを教えてください．
20 β遮断薬の使い分けについて教えてください．
21 ACE阻害薬やARBを導入するタイミングを教えてください．
22 ACE阻害薬とARBの使い分けについて教えてください．
23 抗アルドステロン薬の心不全に対する使用意義と導入のコツを教えてください．
24 心不全に対する利尿薬の使い分けについて教えてください．
25 利尿薬の点滴から内服に切り替えるときの量の調節について教えてください．
26 利尿薬の副作用である高尿酸血症の原因と治療について教えてください．
27 腎機能低下時の高尿酸血症治療薬の投与方法について教えてください．
28 トルバプタンの導入基準・服用継続や中止基準について教えてください．
29 hANPの溶解方法と使用濃度について教えてください．
30 腎機能低下時のジゴキシンの投与方法について教えてください．
31 トルバプタンを使用する際に注意する副作用について教えてください．
第4章 不整脈
不整脈の基礎知識
32 カリウム異常と不整脈の関連について教えてください．
33 カルシウム異常と不整脈の関連について教えてください．
34 心房細動治療のコツを教えてください．
35 心房細動に対する抗不整脈薬の使い分けについて教えてください．
36 心房細動時の経口抗凝固薬の導入基準について教えてください．
37 ワルファリンの投与時の注意点について教えてください．
38 新規経口抗凝固薬の使い分けについて教えてください．
39 新規経口抗凝固薬の投与における注意点について教えてください．
40 発作性上室性頻拍症（PSVT）のときの治療薬を教えてください．
41 難治性心室頻拍・心室細動に対する治療薬を教えてください．
42 アミオダロン導入時に検査すべき内容を教えてください．
43 QT延長を起こす薬剤を教えてください．
44 腎機能低下時の抗不整脈薬の投与方法について教えてください．
45 アミオダロンの主な副作用と対処方法について教えてください．
46 ヘパリン起因性血小板減少症（HIT）について教えてください．
47 ヘパリン起因性血小板減少症（HIT）の場合の抗凝固療法について教えてください．
48 周術期に経口抗凝固薬を中止するタイミングについて教えてください．
49 甲状腺機能異常と不整脈の関係について教えてください．
第5章 高血圧
高血圧の基礎知識
50 家庭で血圧を測る意義と適切な測定方法について教えてください．
51 血圧が高いときに気をつける生活習慣について教えてください．
52 降圧薬の第1選択を教えてください．
53 収縮期血圧か拡張期血圧のどちらかが高い場合の降圧薬の選択方法を教えてください．
54 目標血圧にならない場合の対応と，次の手を教えてください．
55 妊婦に対する降圧薬の投与について気をつける点を教えてください．
56 腎機能低下患者の高血圧に対する第1選択薬を教えてください．
57 糖尿病合併の高血圧に対する第1選択薬を教えてください．
58 虚血性心疾患合併高血圧に対する第1選択薬を教えてください．
59 Ca拮抗薬の使い分けについて教えてください．
60 Ca拮抗薬の副作用で特に気をつける点を教えてください．
61 Ca拮抗薬の服用患者にCa製剤やCaサプリメントを投与してもよいですか？
62 ACE阻害薬・ARBの副作用で気をつける点を教えてください．
63 高血圧に対する利尿薬の使い分けについて教えてください．
64 利尿薬の副作用で気をつける点を教えてください．
65 高血圧に合剤を使う意義と使い分けについて教えてください．
66 大動脈解離の際に使う薬を教えてください．
67 腎機能低下時のACE阻害薬・ARBの投与方法について教えてください．
第6章 下肢虚血
下肢虚血の基礎知識
68 末梢血管カテーテル治療（EVT）の治療薬について教えてください．
第7章 その他の循環器疾患
感染性心内膜炎の基礎知識
69 感染性心内膜炎の治療法について教えてください．
深部静脈血栓症，肺血栓塞栓症の基礎知識
70 深部静脈血栓症のときの抗血小板薬，抗凝固薬の使い分けについて教えてください．
71 急性肺血栓塞栓症の治療薬を教えてください．
肺高血圧症の基礎知識
72 肺高血圧症の治療薬を教えてください．
73 エポプロステノールの副作用で気をつける点について教えてください．
74 エポプロステノール導入時の注意点について教えてください．
