ファーマシューティカル
アロマセラピー&メディカルハーブ
1版
グリーンフラスコ 代表/東邦大学薬学部 客員講師 林 真一郎 著
定価
2,090円(本体 1,900円 +税10%)
- B5判 144頁
- 2011年4月 発行
- ISBN 978-4-525-70401-8
セルフメディケーションの時代を迎え,薬物療法だけでなく,薬学的知識と技術を活用したアロマセラピーやメディカルハーブなどの相補・補完療法もバランスよく提案できる薬剤師が求められている.本書は薬剤師が取り組むべきアロマセラピーやメディカルハーブのスタイルを解説した内容であり,この分野へアプローチする際の入門書である.
- 序文
- 目次
序文
日本人の疾病構造は,結核などの感染症から生活習慣病へ,さらには老人退行性疾患へと急激にシフトしています.こうした背景や患者さんのニーズが多様化するのをうけて,医薬品,手術,放射線を3つの武器にする近代・西洋医学と,植物療法,心理療法,音楽療法などの相補・代替療法 complementary and alternative medicine(CAM)の両方を視野に入れ,患者さん中心の医療を実現しようという統合医療 integrative medicineの普及が進んでいます.ここで注意したいのは,統合医療が決して「現代医学を否定したり対立するものではない」ということです.統合医療の世界的なリーダーであるアリゾナ大学医学部のAndrew Weil博士は,統合医療プログラムの目的の1つとして「現代医学の内側に統合医療モデルを構築すること」を揚げています.
アスピリンがホワイトウイロウから,ワルファリンがアルファルファから生まれたように,メディカルハーブは医薬品の起源といえます.植物療法では有効成分をハーブティーやチンキ剤といった粗抽出物(複合成分)の形で用いるのに対し,医薬品は単離・合成して用いるといった違いはあるものの,薬剤師や薬学生は,はじめから植物療法に近い位置にいるといえます.そのため,薬剤師が修めた植物化学や生化学,薬理学といった知識や製剤などの技術は,そのまま植物療法を学ぶうえで生かすことができるのです.
本書は植物療法を自ら実践したり,患者さんに提案できるようになることを目標に,① メディカルハーブや精油の品質管理,② ガレノス製剤(ローマの医師ガレノスが確立し,現在まで続く製剤技法),③ 医薬品との薬物相互作用といったファーマシューティカルな3つの視点を重視して,薬剤師や薬学生を対象に編集されました.統合医療の時代を迎え,薬物療法だけでなく,植物療法もバランスよく提案できる薬剤師をめざして,本書を活用していただければ幸いです.
2011年3月
林 真一郎
アスピリンがホワイトウイロウから,ワルファリンがアルファルファから生まれたように,メディカルハーブは医薬品の起源といえます.植物療法では有効成分をハーブティーやチンキ剤といった粗抽出物(複合成分)の形で用いるのに対し,医薬品は単離・合成して用いるといった違いはあるものの,薬剤師や薬学生は,はじめから植物療法に近い位置にいるといえます.そのため,薬剤師が修めた植物化学や生化学,薬理学といった知識や製剤などの技術は,そのまま植物療法を学ぶうえで生かすことができるのです.
本書は植物療法を自ら実践したり,患者さんに提案できるようになることを目標に,① メディカルハーブや精油の品質管理,② ガレノス製剤(ローマの医師ガレノスが確立し,現在まで続く製剤技法),③ 医薬品との薬物相互作用といったファーマシューティカルな3つの視点を重視して,薬剤師や薬学生を対象に編集されました.統合医療の時代を迎え,薬物療法だけでなく,植物療法もバランスよく提案できる薬剤師をめざして,本書を活用していただければ幸いです.
2011年3月
林 真一郎
目次
1章 薬剤師が取り組むべきアロマセラピー&メディカルハーブ
A 薬剤師が関わる目的と薬学的視点からのアプローチ
植物療法の定義と特徴
統合医療における植物療法
薬剤師の職能としての植物療法
薬学的視点からのアプローチ
B 職務における活用の具体例
2章 アロマセラピー
A アロマセラピーの基礎知識
精油の抽出と保存
精油の作用機序
精油の活用法
B 精油の作用
精油の多様な作用
精油の構造活性相関と作用
精油の構造活性相関と安全性
C 薬学的視点からみるアロマセラピー
精油の品質管理
精油の剤形と製剤
精油と医薬品の薬物相互作用
D 主要精油8種のモノグラフ
クラリセージ
ティートリー
ペパーミント
ベルガモット
ユーカリ
ラベンダー
ローズマリー
ローマンカモミール
3章 メディカルハーブ
A メディカルハーブの基礎知識
メディカルハーブの収穫と保存
メディカルハーブの作用機序
メディカルハーブの活用法
B メディカルハーブの作用
メディカルハーブの多様な作用
植物化学成分の分類と作用
植物化学成分の分類と安全性
C 薬学的視点からみるメディカルハーブ
メディカルハーブの品質管理
メディカルハーブの剤形と製剤
メディカルハーブと医薬品の薬物相互作用
D 主要メディカルハーブ12種のモノグラフ
エキナセア
エルダーフラワー
カレンデュラ(マリーゴルド)
ジャーマンカモミール
セントジョンズワート
ダンディライオン
ネトル
ハイビスカス
パッションフラワー
ペパーミント
マルベリー
ローズヒップ
4章 症状別の植物療法
A 植物療法を始める(提案する)前に
B 症状別のケア
不眠・抑うつ
がぜ・インフルエンザ
花粉症
アトピー性皮膚炎
胃 炎
便 秘
月経痛・月経前症候群
更年期障害
冷え症・肩こり
妊娠・出産時の植物療法
生活習慣病の植物療法
高齢者の植物療法
5章 情報収集のテクニック
A EBMとインターネット検索
EBMの基礎知識
インターネット検索
B 有用な情報源
書 籍
ウェブサイト
索 引
A 薬剤師が関わる目的と薬学的視点からのアプローチ
植物療法の定義と特徴
統合医療における植物療法
薬剤師の職能としての植物療法
薬学的視点からのアプローチ
B 職務における活用の具体例
2章 アロマセラピー
A アロマセラピーの基礎知識
精油の抽出と保存
精油の作用機序
精油の活用法
B 精油の作用
精油の多様な作用
精油の構造活性相関と作用
精油の構造活性相関と安全性
C 薬学的視点からみるアロマセラピー
精油の品質管理
精油の剤形と製剤
精油と医薬品の薬物相互作用
D 主要精油8種のモノグラフ
クラリセージ
ティートリー
ペパーミント
ベルガモット
ユーカリ
ラベンダー
ローズマリー
ローマンカモミール
3章 メディカルハーブ
A メディカルハーブの基礎知識
メディカルハーブの収穫と保存
メディカルハーブの作用機序
メディカルハーブの活用法
B メディカルハーブの作用
メディカルハーブの多様な作用
植物化学成分の分類と作用
植物化学成分の分類と安全性
C 薬学的視点からみるメディカルハーブ
メディカルハーブの品質管理
メディカルハーブの剤形と製剤
メディカルハーブと医薬品の薬物相互作用
D 主要メディカルハーブ12種のモノグラフ
エキナセア
エルダーフラワー
カレンデュラ(マリーゴルド)
ジャーマンカモミール
セントジョンズワート
ダンディライオン
ネトル
ハイビスカス
パッションフラワー
ペパーミント
マルベリー
ローズヒップ
4章 症状別の植物療法
A 植物療法を始める(提案する)前に
B 症状別のケア
不眠・抑うつ
がぜ・インフルエンザ
花粉症
アトピー性皮膚炎
胃 炎
便 秘
月経痛・月経前症候群
更年期障害
冷え症・肩こり
妊娠・出産時の植物療法
生活習慣病の植物療法
高齢者の植物療法
5章 情報収集のテクニック
A EBMとインターネット検索
EBMの基礎知識
インターネット検索
B 有用な情報源
書 籍
ウェブサイト
索 引