臨床で活かせる アロマ&ハーブ療法
1版
明治国際医療大学附属統合医療センター長・教授 今西二郎 監修
グリーンフラスコ代表・東邦大学薬学部 客員講師 林 真一郎 著
定価
2,420円(本体 2,200円 +税10%)
- B5判 196頁
- 2015年6月 発行
- ISBN 978-4-525-70411-7
植物療法(アロマ&ハーブ)の活用方法を,代替補完医療が考慮されうる領域に絞り,レシピや事例をあげて解説しました.また,植物療法の安全性や有用性,相互作用についても解説しています.
この分野を臨床現場に取り入れる際に,ぜひ本書を活用してください!
精油とハーブのモノグラフ60種も掲載!!
- 序文
- 目次
序文
監修のことば
アロマセラピーやハーブ療法は,最近では,身近な健康法,リラクセーション法として普及してきている.私たち日本人にとっては,比較的新しいものと感じているかもしれない.しかし,これらは古来より,伝統医学の中で重要な位置を占めてきたのである.言い換えれば,ほとんどすべての伝統医学や民間療法と呼ばれているものでは,アロマセラピーやハーブ療法が実践されてきた.たとえば,インドの伝統医学であるアーユルヴェーダやアラブの伝統医学であるユナニでは,アロマセラピーやハーブ療法が大きな役割を果たしている.
ヨーロッパ,アメリカでは,学問の世界で「アロマセラピー」や「ハーブ療法」を分けずに「植物療法(フィトセラピー phytotherapy)」として2つの療法を包含している.一方,わが国では,植物療法という用語があまり普及しておらず,ハーブ療法とアロマセラピーは別物のような感じで,2つに分けられている.しかし,ハーブ療法はハーブ全体を,アロマセラピーはハーブに含まれるエッセンシャルオイル(精油)を用いた療法であり,どちらもハーブ(植物)が主体であることには変わりない.
このようなことから,本書は,アロマセラピーとハーブ療法の2つをカバーした植物療法についての解説を目的としている.第1章は総論で,アロマセラピーで使用するエッセンシャルオイル(精油),ハーブ療法で用いられる剤形などについての詳細な解説があり,さらにそれらの安全性や相互作用についても記述している.本書のかなりの部分を占めているのが,領域別のアロマセラピー,ハーブ療法の実際である.これらは,精神科,内科,消化器科,小児科,老年科,婦人科,泌尿器科,腫瘍,アレルギー・免疫など臨床全般にまたがり,各疾患や症状の具体的な治療法が述べられているだけでなく,治療例として症例も紹介されている.さらに資料として,代表的な精油やハーブのモノグラフ60種が網羅されている.
本書が,植物療法の標準書として,将来にもわたって認められていくものと確信している.
2015年5月
明治国際医療大学附属統合医療センター長・教授
日本ハーブ療法研究会 代表世話人
今西二郎
序
欧米では,近代・西洋医学と相補・代替療法 complementary and alternative medicine(CAM)の両方を視野に入れ,患者さん中心の医療を実現しようという統合医療 integrative medicine が,理念の段階から実践の段階へと進みつつあります.そして,アロマやハーブといった植物療法 phytotherapy は,数あるCAMの中でも中心的な役割りを果たしています.その理由として,植物療法はヒポクラテス以来の伝統的・経験的な知見と,近代以後の科学的検証による知見を併せもつことがあげられます.またハーブは,近代・西洋医学の柱となる医薬品の原点でもあることから,それを用いる植物療法は,近代・西洋医学とCAMとの橋渡しをする役割を担います.その意味において,統合医療の世界的リーダーであるアリゾナ大学医学部の Andrew Weil 博士が,植物療法の専門家でもあることは偶然ではありません.
植物療法とは,植物が生合成する植物化学phytochemical成分を含んだ粗抽出物を用いて,ヒトが生まれながらにして有している自然治癒力(自己治癒力と自己調節機能)に働きかけ,疾病の予防や治療に役立てる療法のことをいいます.また,1980年代にスタートした,わが国の食品の機能性研究や栄養疫学によって,野菜や果物といった植物性食品が,生活習慣病やアレルギー,がんなどの疾病を予防する機能をもつことが明らかになりました.こうしたことから,現代植物療法 modern phytotherapy とは,毎日の暮らしの中で,野菜や果物,それにハーブティーなどの植物製剤を活用して,ストレスによって低下した生体防御機能を賦活し,生命力を回復するライフスタイルを構築することといえます.
読者の皆様に本書を活用していただき,わが国の医療においてもエビデンス(科学的根拠)に基づく植物療法の臨床応用が進むことを期待しています.
2015年5月
林 真一郎
アロマセラピーやハーブ療法は,最近では,身近な健康法,リラクセーション法として普及してきている.私たち日本人にとっては,比較的新しいものと感じているかもしれない.しかし,これらは古来より,伝統医学の中で重要な位置を占めてきたのである.言い換えれば,ほとんどすべての伝統医学や民間療法と呼ばれているものでは,アロマセラピーやハーブ療法が実践されてきた.たとえば,インドの伝統医学であるアーユルヴェーダやアラブの伝統医学であるユナニでは,アロマセラピーやハーブ療法が大きな役割を果たしている.
ヨーロッパ,アメリカでは,学問の世界で「アロマセラピー」や「ハーブ療法」を分けずに「植物療法(フィトセラピー phytotherapy)」として2つの療法を包含している.一方,わが国では,植物療法という用語があまり普及しておらず,ハーブ療法とアロマセラピーは別物のような感じで,2つに分けられている.しかし,ハーブ療法はハーブ全体を,アロマセラピーはハーブに含まれるエッセンシャルオイル(精油)を用いた療法であり,どちらもハーブ(植物)が主体であることには変わりない.
このようなことから,本書は,アロマセラピーとハーブ療法の2つをカバーした植物療法についての解説を目的としている.第1章は総論で,アロマセラピーで使用するエッセンシャルオイル(精油),ハーブ療法で用いられる剤形などについての詳細な解説があり,さらにそれらの安全性や相互作用についても記述している.本書のかなりの部分を占めているのが,領域別のアロマセラピー,ハーブ療法の実際である.これらは,精神科,内科,消化器科,小児科,老年科,婦人科,泌尿器科,腫瘍,アレルギー・免疫など臨床全般にまたがり,各疾患や症状の具体的な治療法が述べられているだけでなく,治療例として症例も紹介されている.さらに資料として,代表的な精油やハーブのモノグラフ60種が網羅されている.
本書が,植物療法の標準書として,将来にもわたって認められていくものと確信している.
2015年5月
明治国際医療大学附属統合医療センター長・教授
日本ハーブ療法研究会 代表世話人
今西二郎
序
欧米では,近代・西洋医学と相補・代替療法 complementary and alternative medicine(CAM)の両方を視野に入れ,患者さん中心の医療を実現しようという統合医療 integrative medicine が,理念の段階から実践の段階へと進みつつあります.そして,アロマやハーブといった植物療法 phytotherapy は,数あるCAMの中でも中心的な役割りを果たしています.その理由として,植物療法はヒポクラテス以来の伝統的・経験的な知見と,近代以後の科学的検証による知見を併せもつことがあげられます.またハーブは,近代・西洋医学の柱となる医薬品の原点でもあることから,それを用いる植物療法は,近代・西洋医学とCAMとの橋渡しをする役割を担います.その意味において,統合医療の世界的リーダーであるアリゾナ大学医学部の Andrew Weil 博士が,植物療法の専門家でもあることは偶然ではありません.
植物療法とは,植物が生合成する植物化学phytochemical成分を含んだ粗抽出物を用いて,ヒトが生まれながらにして有している自然治癒力(自己治癒力と自己調節機能)に働きかけ,疾病の予防や治療に役立てる療法のことをいいます.また,1980年代にスタートした,わが国の食品の機能性研究や栄養疫学によって,野菜や果物といった植物性食品が,生活習慣病やアレルギー,がんなどの疾病を予防する機能をもつことが明らかになりました.こうしたことから,現代植物療法 modern phytotherapy とは,毎日の暮らしの中で,野菜や果物,それにハーブティーなどの植物製剤を活用して,ストレスによって低下した生体防御機能を賦活し,生命力を回復するライフスタイルを構築することといえます.
読者の皆様に本書を活用していただき,わが国の医療においてもエビデンス(科学的根拠)に基づく植物療法の臨床応用が進むことを期待しています.
2015年5月
林 真一郎
目次
第1章 総 論(概説)
1 植物療法とは
定義と特徴
歴史と現代的意義
2 植物療法における製剤の基本
品質管理
製剤と剤形
3 植物療法の安全性と薬物相互作用
安全性とクラス分類
薬物相互作用とクラス分類
4 植物療法の信頼性
植物療法のEBM
植物療法に関する有用な情報源
第2章 領域別のアロマ&ハーブ療法
1 精神科領域の植物療法
心身疲労
不眠・抑うつ
2 内科領域の植物療法
かぜ・インフルエンザ
心血管系機能障害
糖尿病
3 消化器科領域の植物療法
胃炎・胃潰瘍
消化器系機能障害
肝機能障害
4 アレルギー・免疫科領域の植物療法
花粉症・アレルギー性鼻炎
アトピー性皮膚炎
関節リウマチ
コラム 抗炎症食
5 泌尿器科領域の植物療法
泌尿器系機能障害
膀胱炎・尿道炎
6 婦人科領域の植物療法
月経前症候群
更年期障害
7 小児科および老年病科領域の植物療法
小児科領域
老年症候群
8 腫瘍科領域の植物療法
がん化学予防
がん緩和ケア
資 料 精油とハーブのモノグラフ
1 臨床で用いる精油12種
木曽ヒノキ
クラリセージ
高知ユズ
ゼラニウム
ティートリー
ネロリ
ペパーミント
ユーカリ
ラベンダー
ローズ
ローズマリー
ローマンカモミール
2 臨床で用いるハーブ48種
赤ブドウ葉
アーティチョーク
アルテア(マシュマロウ)
アンジェリカ
イチョウ葉
イブニングプリムローズ
ウィッチヘーゼル
ウスベニアオイ
エキナセア
エゾウコギ
エルダーフラワー
カレンデュラ
クミスクチン
クランベリー
サフラン
ジャーマンカモミール
白 樺
ジンジャー
スギナ
セージ
セントジョンズワート
ソウパルメット
タイム
ダンディライオン
チェストベリー
デビルズクロウ
ネトル
ハイビスカス
パッションフラワー
バレリアン
ビルベリー
フィーバーフュー
フェンネル
ブラックコホシュ
ペパーミント
ヘンプ
ホーソン
マ カ
マ テ
マルベリー
マレイン
ミルクシスル
ラズベリーリーフ
リンデン
レモンバーム(メリッサ)
ローズ
ローズヒップ
ローズマリー
一般索引
ハーブ索引
精油索引
1 植物療法とは
定義と特徴
歴史と現代的意義
2 植物療法における製剤の基本
品質管理
製剤と剤形
3 植物療法の安全性と薬物相互作用
安全性とクラス分類
薬物相互作用とクラス分類
4 植物療法の信頼性
植物療法のEBM
植物療法に関する有用な情報源
第2章 領域別のアロマ&ハーブ療法
1 精神科領域の植物療法
心身疲労
不眠・抑うつ
2 内科領域の植物療法
かぜ・インフルエンザ
心血管系機能障害
糖尿病
3 消化器科領域の植物療法
胃炎・胃潰瘍
消化器系機能障害
肝機能障害
4 アレルギー・免疫科領域の植物療法
花粉症・アレルギー性鼻炎
アトピー性皮膚炎
関節リウマチ
コラム 抗炎症食
5 泌尿器科領域の植物療法
泌尿器系機能障害
膀胱炎・尿道炎
6 婦人科領域の植物療法
月経前症候群
更年期障害
7 小児科および老年病科領域の植物療法
小児科領域
老年症候群
8 腫瘍科領域の植物療法
がん化学予防
がん緩和ケア
資 料 精油とハーブのモノグラフ
1 臨床で用いる精油12種
木曽ヒノキ
クラリセージ
高知ユズ
ゼラニウム
ティートリー
ネロリ
ペパーミント
ユーカリ
ラベンダー
ローズ
ローズマリー
ローマンカモミール
2 臨床で用いるハーブ48種
赤ブドウ葉
アーティチョーク
アルテア(マシュマロウ)
アンジェリカ
イチョウ葉
イブニングプリムローズ
ウィッチヘーゼル
ウスベニアオイ
エキナセア
エゾウコギ
エルダーフラワー
カレンデュラ
クミスクチン
クランベリー
サフラン
ジャーマンカモミール
白 樺
ジンジャー
スギナ
セージ
セントジョンズワート
ソウパルメット
タイム
ダンディライオン
チェストベリー
デビルズクロウ
ネトル
ハイビスカス
パッションフラワー
バレリアン
ビルベリー
フィーバーフュー
フェンネル
ブラックコホシュ
ペパーミント
ヘンプ
ホーソン
マ カ
マ テ
マルベリー
マレイン
ミルクシスル
ラズベリーリーフ
リンデン
レモンバーム(メリッサ)
ローズ
ローズヒップ
ローズマリー
一般索引
ハーブ索引
精油索引