カテゴリー: 臨床薬学

みて・きいて・たしかめる!薬学×フィジカルアセスメント
1版
東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科 臨床准教授 戸井田達典 医学監修
九州医療科学大学薬学部薬学科 臨床薬学第一講座 教授 徳永 仁 著
定価
2,750円(本体 2,500円 +税10%)
- B5判 144頁
- 2025年4月 発行
- ISBN 978-4-525-70831-3
全身状態をたしかめて,アセスメントにつなげよう.
医療の高度化とチーム医療の推進により,薬剤師にはこれまで以上に治療に対し積極的な関与が求められている.安全な薬物療法の提供だけでなく,副作用の早期発見や処方変更の提案など,病棟や在宅医療の現場での役割が拡大している.しかし,これを実践するには,患者の状態を適切に評価する「フィジカルアセスメント」の技術が不可欠である.
本書は,薬学生および薬剤師がフィジカルアセスメントを実践できるよう,基本的な技術と身体所見の評価方法を簡潔に解説した.
薬学生の教科書としてはもちろん,臨床の現場でフィジカルアセスメントを活用したい薬剤師にも役立つ一冊.よりよい薬物治療を患者に提供するため,フィジカルアセスメントの技術を身につけよう.
- 序文
- 目次
序文
急速に進化する医療環境のなかで,医療の高度化,業務の拡大や高齢化による疾病構造の変化が進んでいます.これに伴い,安全で質の高い医療を提供するためには,チーム医療の推進が不可欠です.厚生労働省によれば,チーム医療は「医療に従事する多種多様な医療スタッフが,各々の高い専門性を前提に,目的と情報を共有し,業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い,患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」とされています.特に,薬剤師の役割はチーム医療のなかでの薬物治療における主体的な参加にあり,その有益性が強調されています.
現在,薬剤師は医薬品情報を活用し,処方監査や服薬指導などを通じて安全な薬物療法の実施に貢献しています.しかし,副作用の早期発見や処方変更の提案など,特に病棟や在宅医療の現場での役割は,まだ十分に活用されていないとの指摘もあります.これに対応するため,厚生労働省は,薬剤師が薬物療法に,さらに積極的に関与すべきと通知しています.この通知により,薬剤師は在宅患者を含む薬物治療を受ける全患者の治療過程を管理し,副作用の監視や処方の適切な変更を提案することが求められています.これを実行するためには,患者の自覚症状,身体所見,検査所見などの総合的な情報を集め,評価する能力が必要です.この情報収集と評価のプロセスが「フィジカルアセスメント」と呼ばれています.フィジカルアセスメントの重要性は,医師や看護師だけでなく,薬剤師にも等しく求められます.チーム医療においては,収集された患者情報は共有され,多職種がそれぞれの専門性を活かしながら協働していきます.このため,薬剤師にとってもフィジカルアセスメントのスキルは必須となっており,患者の治療計画における重要な意思決定に寄与できるようになることが期待されています.この教科書は,そうした知識と技術を薬学生や薬剤師に提供することを目的としています.
本書が薬学生や薬剤師をはじめとする様々な医療専門職を目指す学生さんの教科書としてだけでなく,チーム医療を行っているスタッフの皆様のお役に立てることを願っています.そして,薬学的観点からのフィジカルアセスメントにより,副作用の監視や処方提案の一助になることを強く願っています.
2025年2月
徳永 仁
現在,薬剤師は医薬品情報を活用し,処方監査や服薬指導などを通じて安全な薬物療法の実施に貢献しています.しかし,副作用の早期発見や処方変更の提案など,特に病棟や在宅医療の現場での役割は,まだ十分に活用されていないとの指摘もあります.これに対応するため,厚生労働省は,薬剤師が薬物療法に,さらに積極的に関与すべきと通知しています.この通知により,薬剤師は在宅患者を含む薬物治療を受ける全患者の治療過程を管理し,副作用の監視や処方の適切な変更を提案することが求められています.これを実行するためには,患者の自覚症状,身体所見,検査所見などの総合的な情報を集め,評価する能力が必要です.この情報収集と評価のプロセスが「フィジカルアセスメント」と呼ばれています.フィジカルアセスメントの重要性は,医師や看護師だけでなく,薬剤師にも等しく求められます.チーム医療においては,収集された患者情報は共有され,多職種がそれぞれの専門性を活かしながら協働していきます.このため,薬剤師にとってもフィジカルアセスメントのスキルは必須となっており,患者の治療計画における重要な意思決定に寄与できるようになることが期待されています.この教科書は,そうした知識と技術を薬学生や薬剤師に提供することを目的としています.
本書が薬学生や薬剤師をはじめとする様々な医療専門職を目指す学生さんの教科書としてだけでなく,チーム医療を行っているスタッフの皆様のお役に立てることを願っています.そして,薬学的観点からのフィジカルアセスメントにより,副作用の監視や処方提案の一助になることを強く願っています.
2025年2月
徳永 仁
目次
1 総 論
2 バイタルサイン
1 脈 拍
手順:脈拍の測定手順
解説:脈 拍
2 呼 吸
手順:呼吸の測定手順
解説:呼 吸
3 血 圧
手順:血圧の測定手順
解説:血 圧
4 体 温
手順:体温の測定手順
解説:体 温
5 意識レベル
6 尿
3 聴診によるアセスメント
1 聴 診
2 肺 音
手順:肺音の聴診手順
解説:肺 音
3 心 音
手順:心音の聴診手順
解説:心 音
4 腸 音
手順:腸音の聴診手順
解説:腸 音
4 全身のアセスメント
1 頭頸部・眼
2 胸腹部
3 四 肢
4 その他の部位
5 機器を用いたアセスメント
1 心電図計
2 その他の検査機器
3 アプリケーション
6 評価スケール・指標を用いたアセスメント
1 痛 み
2 糞便状態
3 日常生活活動(ADL)
4 脳神経
5 泌尿器系
7 救命救急手技
1 救命救急の技術
2 一次救命救急
3 二次救命救急
4 気道異物除去
付録
・臨床で使用される主な医療用語
・疾患名および術式などの略語
・臨床検査値
2 バイタルサイン
1 脈 拍
手順:脈拍の測定手順
解説:脈 拍
2 呼 吸
手順:呼吸の測定手順
解説:呼 吸
3 血 圧
手順:血圧の測定手順
解説:血 圧
4 体 温
手順:体温の測定手順
解説:体 温
5 意識レベル
6 尿
3 聴診によるアセスメント
1 聴 診
2 肺 音
手順:肺音の聴診手順
解説:肺 音
3 心 音
手順:心音の聴診手順
解説:心 音
4 腸 音
手順:腸音の聴診手順
解説:腸 音
4 全身のアセスメント
1 頭頸部・眼
2 胸腹部
3 四 肢
4 その他の部位
5 機器を用いたアセスメント
1 心電図計
2 その他の検査機器
3 アプリケーション
6 評価スケール・指標を用いたアセスメント
1 痛 み
2 糞便状態
3 日常生活活動(ADL)
4 脳神経
5 泌尿器系
7 救命救急手技
1 救命救急の技術
2 一次救命救急
3 二次救命救急
4 気道異物除去
付録
・臨床で使用される主な医療用語
・疾患名および術式などの略語
・臨床検査値