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カテゴリー: 臨床薬学

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医薬品副作用・安全性ガイドブック

1版

一般社団法人日本医薬品安全性学会 監修
一般社団法人日本医薬品安全性学会 前理事長/
千葉科学大学薬学部 客員教授 宇野勝次 編

定価

5,280(本体 4,800円 +税10%)


  • A5判  344頁
  • 2021年12月 発行
  • ISBN 978-4-525-72661-4

お手持ちの医薬品集の副作用&安全性情報を補完する一冊!

同効薬の副作用・安全性情報を比較できるなど,医薬品の適正使用の指針を,安全性の視点からチェックできるガイドブック.薬効分類ごとに「共通」と「医薬品各論」の項を設け,禁忌疾患,併用禁忌,警告,高頻度副作用,重大な副作用,過敏症,TDM,腎機能,肝機能,小児,高齢者,妊婦,授乳婦,その他の注意事項について要点を整理し,医薬品の副作用・安全性情報を網羅した.お手持ちの医薬品集に記載されていない,副作用&安全性情報を補完する一冊.

  • 目次
  • 序文
  • 書評
目次
本書の見方

1  抗菌薬
2  抗ウイルス薬
3  抗真菌薬
4  予防接種用薬
5  抗寄生虫薬
6  消毒薬
7  抗腫瘍薬
8  心不全治療薬,昇圧薬
9  狭心症治療薬
10 抗不整脈薬
11 降圧薬
12 利尿薬
13 血管拡張薬
14 脂質異常症治療薬
15 糖尿病治療薬
16 痛風治療薬
17 胃腸機能調整薬
18 消化性潰瘍治療薬
19 腸疾患治療薬
20 下剤
21 肝疾患治療薬
22 胆道疾患治療薬
23 膵疾患治療薬
24 腎疾患用薬
25 泌尿・生殖器用薬
26 鎮咳薬・去痰薬
27 気管支拡張薬・気管支喘息治療薬
28 呼吸障害改善薬
29 抗アレルギー薬
30 副腎皮質ステロイド
31 免疫抑制薬
32 抗リウマチ薬
33 鎮痛薬
34 片頭痛治療薬
35 抗不安・睡眠薬
36 抗精神病薬,抗うつ薬,気分安定薬,精神刺激薬
37 自律神経作用薬
38 抗てんかん薬
39 パーキンソン病治療薬
40 抗脳卒中・抗認知症薬
41 全身麻酔薬
42 局所麻酔薬
43 筋弛緩薬
44 麻薬および類似薬
45 血液製剤
46 造血薬
47 止血薬
48 抗血栓薬
49 女性ホルモン製剤,子宮用薬
50 男性ホルモン製剤
51 代謝異常治療薬
52 甲状腺治療薬
53 骨・カルシウム代謝薬
54 ビタミン剤
55 輸液・栄養製剤
56 眼科用薬
57 耳鼻科用薬
58 歯科・口腔用薬
59 痔疾患治療薬
60 皮膚科用薬
61 中毒治療薬
62 造影剤
63 漢方薬

索引
序文
 本書『医薬品副作用・安全性ガイドブック』は,当初一般社団法人日本医薬品安全性学会(JASDS)認定の医薬品安全性指導者(DSD),医薬品安全性専門薬剤師(DSSP)および医薬品安全性情報スペシャリスト(CDSIS)に対して,『医薬品副作用アセスメント』(南山堂)の対のテキストとして医薬品自体の副作用や安全性の情報を提供するために企画し,JASDSの各領域の専門家が代表的医薬品の代表的な副作用・安全性情報を解説するよう作成計画を立てたものであった.しかし,作成が進行していく中で一部の医薬品,副作用,安全性に限定してしまうと,臨床現場で起こる多種多様な医薬品の副作用や安全性の問題点に応えることができなくなり,医療現場での利用価値が小さくなるという考えに至り,本書の編集方針を変更することになった.
 そのため,本書は現在使用されているほとんどの医薬品の副作用や安全性の情報を「医薬品各論」に網羅することになり,テキストというよりは便覧や辞書的傾向が強くなった.ただし,医薬品の薬効分類毎に「共通」の項を設け,各薬効分類群の全体的な副作用・安全性情報をまとめ,各薬効分類群の安全性に関する全体像を把握できると同時に,各医薬品の副作用や安全性を同効薬と比較できるように編集し,医療現場では勿論,テキストとしても活用できるように配慮した.
 本書の構成は薬効分類毎に「共通」と「医薬品各論」の項を設け,「共通」には各薬効分類群の禁忌疾患(禁忌),併用禁忌(併禁),警告,高頻度副作用(副作用),重大な副作用(重副),過敏症,TDM,腎機能,肝機能,小児,高齢者,妊婦,授乳婦,その他の注意事項(注)について解説し,「医薬品各論」には各医薬品の剤形,禁忌,併禁,副作用,重副,小児,高齢者,妊婦,授乳婦, 注ついて記載し,医薬品の副作用・安全性情報を網羅した.
 本書が他の医薬品集や便覧と最も異なる有益な点は,「医薬品各論」で副作用症状だけでなく発現頻度を示し,「共通」で同効薬の副作用発現頻度の順序を示したことである.また,「共通」と「医薬品各論」で小児,高齢者,妊婦,授乳婦の安全性の評価を示していることである.すなわち,本書は医薬品の安全性の視点から医薬品の適正使用の指針を示している.そのため,JASDS学会員に限らず,薬物治療に関わる多くの医師や薬剤師などの医療従事者にとって医薬品の安全性ガイドブックとして活用していだけると信じている.医療現場の一施設につき本書一冊を配置して頂き,本書が医療現場で医薬品の安全性の指針の一助となれば幸いである.

2021年清秋
編者・著者代表
宇野勝次
書評
「医薬協業」に必携の一冊

狭間研至(ファルメディコ株式会社 代表取締役社長)

 医薬分業時代にこそ,医薬協業が求められる.そんな話をしてきた私にとって,まさに膝を打つような内容で,専門性を発揮しチーム医療の一員として活躍することを目指す諸兄諸姉にお勧めしたい.
 そもそも,医薬協業とは,医師が処方し,薬剤師が調剤するという表面的かつ画一的な分業ではなく,医師と薬剤師がそれぞれの専門性を活かして患者の症状を読み解き,より良い結果を得るという新しい薬物治療管理の手法である.薬剤師が服用後のFollowを行って得る薬学的なAssessmentは,当然ながら医師によるそれと異なるため,速やかにそれを医師にFeedbackすることで,処方カスケードからポリファーマシーへという流れを断ち切ることができる.
 その際に重要なのは,自分が調剤した薬剤が,患者の体内でどのような作用を起こしうるのかということに関する薬剤師の知識の豊富さと正確性である.これがなければ,薬剤師のAssessmentの質は上がらず,医薬協業的薬物治療管理も成功しない.医薬品の適正使用・医療安全の確保のためにも,不可欠な一冊と言えよう.
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