カテゴリー: 基礎薬学
図解 製剤学
1版
城西大学薬学部 教授 杉林堅次 編集
定価
3,850円(本体 3,500円 +税10%)
- B5判 277頁
- 2013年4月 発行
- ISBN 978-4-525-77821-7
「みてわかる薬学」シリーズ!!
“左頁に文章,右頁に図表”という紙面構成を踏襲し,豊富な図表を用いることで,製剤の特性や製造方法,関連する試験法などをわかりやすく解説した.DDSにも言及しており,製剤設計に必要な基礎知識がこれ一冊で習得できる.第十六改正日本薬局方にも対応している.
- 序文
- 目次
序文
薬剤学は「物理薬剤学,生物薬剤学(薬物動態学を含む),製剤学,臨床薬剤学(調剤学)」の大きく4つの領域に分けられる.すでに「みてわかる薬学」教科書シリーズとして物理薬剤学と生物薬剤学をカバーする「図解薬剤学」と,調剤学を中心とした「図解臨床調剤学」が発刊されており,大変好評を得ている.そこで,薬剤学領域全体を網羅する教科書シリーズとすべく,今回,「みてわかる薬学 図解製剤学」を上梓することとなった.
本書は,大きく分けて製剤学概論,物理薬剤学,製剤の種類と特性,製剤試験法,品質管理,そしてドラッグデリバリーシステムからなっている.2011年4月に公示された第十六改正日本薬局方では製剤総則が大幅に見直されたが,本書では,製剤学概論,製剤の種類と特性,製剤試験法などの項目を局方改正後の考え方や記述に対応させた.また,製剤学を学ぶ際には,物理薬剤学をオーバービューしておく必要があるとの観点から,本シリーズの「図解薬剤学」と一部重複するものの,製剤学を学ぶ前の必修物理薬剤学を2章に入れることにした.さらに,医薬品製剤を安全に使用するために知っておかなければならない製剤の試験法や品質管理についても組み入れた.また,最後には究極の製剤ともいうべきドラッグデリバリーシステムの概念と実際についての記述を入れることとした.
本書は,シリーズで踏襲している紙面構成の特長を活かし,可能なかぎり本文を左ページにし,その内容に対応する具体的な図表を右ページに配置するようにして,理解の助けとなるようにした.そして,薬学教育モデル・コアカリキュラムとの対応表と各章末のまとめを用意することで,学生の自学自習を推し進めるべく配慮した.前述したように,既刊の「図解薬剤学」と重複する内容もあるが,製剤学を学ぶ際に必要な解説であるため,そのまま記載したことを改めて付け加えておく.ただ,今後,本書を育てていくにあたって,重複内容などについてはさらに工夫していき,シリーズとしてまとめられるように考えていきたい.紙面の都合もあり,詳細な説明の不足している部分もあるが,より高度な内容について知りたいと希望する学生諸君は,巻末に示した文献にあたることを勧める次第である.このような趣旨で本書を上梓したが,不備な点や思わぬ誤りについては,読者のご批判がいただければ幸いである.
本書の刊行を推進してくださり,いろいろご高配をいただいた南山堂鈴木 肇代表取締役,大城梨絵子氏,門脇佳子氏を始め,編集部の皆様に厚くお礼申し上げる.
2013年2月
杉林堅次
本書は,大きく分けて製剤学概論,物理薬剤学,製剤の種類と特性,製剤試験法,品質管理,そしてドラッグデリバリーシステムからなっている.2011年4月に公示された第十六改正日本薬局方では製剤総則が大幅に見直されたが,本書では,製剤学概論,製剤の種類と特性,製剤試験法などの項目を局方改正後の考え方や記述に対応させた.また,製剤学を学ぶ際には,物理薬剤学をオーバービューしておく必要があるとの観点から,本シリーズの「図解薬剤学」と一部重複するものの,製剤学を学ぶ前の必修物理薬剤学を2章に入れることにした.さらに,医薬品製剤を安全に使用するために知っておかなければならない製剤の試験法や品質管理についても組み入れた.また,最後には究極の製剤ともいうべきドラッグデリバリーシステムの概念と実際についての記述を入れることとした.
本書は,シリーズで踏襲している紙面構成の特長を活かし,可能なかぎり本文を左ページにし,その内容に対応する具体的な図表を右ページに配置するようにして,理解の助けとなるようにした.そして,薬学教育モデル・コアカリキュラムとの対応表と各章末のまとめを用意することで,学生の自学自習を推し進めるべく配慮した.前述したように,既刊の「図解薬剤学」と重複する内容もあるが,製剤学を学ぶ際に必要な解説であるため,そのまま記載したことを改めて付け加えておく.ただ,今後,本書を育てていくにあたって,重複内容などについてはさらに工夫していき,シリーズとしてまとめられるように考えていきたい.紙面の都合もあり,詳細な説明の不足している部分もあるが,より高度な内容について知りたいと希望する学生諸君は,巻末に示した文献にあたることを勧める次第である.このような趣旨で本書を上梓したが,不備な点や思わぬ誤りについては,読者のご批判がいただければ幸いである.
本書の刊行を推進してくださり,いろいろご高配をいただいた南山堂鈴木 肇代表取締役,大城梨絵子氏,門脇佳子氏を始め,編集部の皆様に厚くお礼申し上げる.
2013年2月
杉林堅次
目次
◆ 薬学教育モデル・コアカリキュラム対応表
1章 製剤学概論
A 製剤通則
B 日本薬局方製剤総則の剤形と定義
C 投与経路による剤形分類
D 形態による剤形分類
2章 製剤学のための物理薬剤学
A 物質の溶解
1. 溶解度
2. 溶解速度
3. Hixon Crowellの立方根則
4. マトリックスからの薬物放出
5. 分配平衡
B 粉 体
1. 粒子径の定義と測定法
2. 粒度分布と平均粒子径
3. 集合体としての粉体の性質
4. ぬ れ
5. 吸湿性
C 分散系
1. 界面活性剤
2. 臨界ミセル濃度
3. 乳剤の型と性質
4. 分散粒子の沈降現象と安定化
D レオロジー(変形と流動)
1. 弾性と粘性
2. ニュートン,非ニュートン流体と流動曲線(レオグラム)
3. チキソトロピー
4. レオロジーの測定
E 薬物と製剤材料の安定性
1. 反応速度と安定化
2. 安定性に影響する因子
3章 製剤の種類と特性
A 経口投与する製剤
1. 錠 剤
2. カプセル剤
3. 顆粒剤・散剤
4. 経口液剤
5. シロップ剤
6. 経口ゼリー剤
B 口腔内に適用する製剤
1. 口腔用錠剤
2. 口腔用スプレー剤
3. 口腔用半固形剤
4. 含嗽剤
C 注射により投与する製剤(注射剤)
D 透析に用いる製剤(透析用剤)
E 気管支・肺に適用する製剤(吸入剤)
F 目に投与する製剤
1. 点眼剤
2. 眼軟膏剤
G 耳に投与する製剤(点耳剤)
H 鼻に適用する製剤(点鼻剤)
I 直腸に適用する製剤
1. 坐 剤
2. 直腸用半固形剤
3. 注腸剤
J 腟に適用する製剤
1. 腟 錠
2. 腟用坐剤
K 皮膚などに適用する製剤
1. 外用固形剤
2. 外用液剤
3. スプレー剤
4. 軟膏剤
5. クリーム剤
6. ゲル剤
7. 貼付剤
L 生薬関連製剤
M 製剤に用いる添加剤
1. 添加剤
2. 浸透圧と等張化
4章 製剤に関連する試験法
A 製剤均一性試験法
1. 含量均一性試験
2. 質量偏差試験
3. 判定基準
B 製剤の粒度の試験法
C 崩壊試験法
D 溶出試験法
1. 装 置
2. 試験方法と判定
E 注射剤に関する試験法
1. 注射剤の採取容量試験法
2. 注射剤の不溶性異物検査法
3. 注射剤の不溶性微粒子試験法
4. 無菌試験法
5. 発熱性物質試験法
6. エンドトキシン試験法
F 眼科用剤に関する試験法
1. 眼軟膏剤の金属性異物試験法
2. 点眼剤の不溶性微粒子試験法
3. 点眼剤の不溶性異物検査法
G 制酸力試験法と消化力試験法
1. 制酸力試験法
2. 消化力試験法
5章 製剤の品質管理
A 品質管理の必要性と医薬品が分解する要因
1. 温 度
2. 光
3. 酸 素
4. 湿 度
5. 加水分解
6. 微生物
7. 物理的刺激
8. その他
B 安定性と有効性の評価
1. 苛酷試験
2. 加速試験
3. 長期保存試験
C 容器・包装の種類と特徴
1. 密閉容器
2. 気密容器
3. 密封容器
4. 遮 光
5. 容器・包装の表示
6. 記載禁止事項
7. 封
8. 直接の容器・被包の記載例
9. 容器・包装材料試験法
D 貯法・保存条件
1. 有効期限,有効期間
2. 製造から使用までの品質管理
6章 DDS(ドラッグデリバリーシステム)
A DDSの目的と分類
B 放出制御型製剤
1. 放出制御型経口製剤
2. 速崩性錠剤
3. 経皮吸収型製剤
4. 埋め込み注射剤・持続性注射剤
5. その他
6. 徐放性製剤に用いられる製剤材料の種類と性質
C ターゲティング
1. 局所投与
2. 作用発現点に特異性のある薬物の開発
3. 特異的な生体反応の利用
4. プロドラッグ
5. 薬物キャリアーの利用
6. 生物学的認識機構の利用
7. 体外部からの制御
D プロドラッグ
1. 安定性の改善を目的としたプロドラッグ
2. 溶解性の改善を目的としたプロドラッグ
3. 吸収の改善および血中滞留性の改善(持続化)を目的としたプロドラッグ
4. 標的組織での活性化を目的としたプロドラッグ
文 献
索 引
1章 製剤学概論
A 製剤通則
B 日本薬局方製剤総則の剤形と定義
C 投与経路による剤形分類
D 形態による剤形分類
2章 製剤学のための物理薬剤学
A 物質の溶解
1. 溶解度
2. 溶解速度
3. Hixon Crowellの立方根則
4. マトリックスからの薬物放出
5. 分配平衡
B 粉 体
1. 粒子径の定義と測定法
2. 粒度分布と平均粒子径
3. 集合体としての粉体の性質
4. ぬ れ
5. 吸湿性
C 分散系
1. 界面活性剤
2. 臨界ミセル濃度
3. 乳剤の型と性質
4. 分散粒子の沈降現象と安定化
D レオロジー(変形と流動)
1. 弾性と粘性
2. ニュートン,非ニュートン流体と流動曲線(レオグラム)
3. チキソトロピー
4. レオロジーの測定
E 薬物と製剤材料の安定性
1. 反応速度と安定化
2. 安定性に影響する因子
3章 製剤の種類と特性
A 経口投与する製剤
1. 錠 剤
2. カプセル剤
3. 顆粒剤・散剤
4. 経口液剤
5. シロップ剤
6. 経口ゼリー剤
B 口腔内に適用する製剤
1. 口腔用錠剤
2. 口腔用スプレー剤
3. 口腔用半固形剤
4. 含嗽剤
C 注射により投与する製剤(注射剤)
D 透析に用いる製剤(透析用剤)
E 気管支・肺に適用する製剤(吸入剤)
F 目に投与する製剤
1. 点眼剤
2. 眼軟膏剤
G 耳に投与する製剤(点耳剤)
H 鼻に適用する製剤(点鼻剤)
I 直腸に適用する製剤
1. 坐 剤
2. 直腸用半固形剤
3. 注腸剤
J 腟に適用する製剤
1. 腟 錠
2. 腟用坐剤
K 皮膚などに適用する製剤
1. 外用固形剤
2. 外用液剤
3. スプレー剤
4. 軟膏剤
5. クリーム剤
6. ゲル剤
7. 貼付剤
L 生薬関連製剤
M 製剤に用いる添加剤
1. 添加剤
2. 浸透圧と等張化
4章 製剤に関連する試験法
A 製剤均一性試験法
1. 含量均一性試験
2. 質量偏差試験
3. 判定基準
B 製剤の粒度の試験法
C 崩壊試験法
D 溶出試験法
1. 装 置
2. 試験方法と判定
E 注射剤に関する試験法
1. 注射剤の採取容量試験法
2. 注射剤の不溶性異物検査法
3. 注射剤の不溶性微粒子試験法
4. 無菌試験法
5. 発熱性物質試験法
6. エンドトキシン試験法
F 眼科用剤に関する試験法
1. 眼軟膏剤の金属性異物試験法
2. 点眼剤の不溶性微粒子試験法
3. 点眼剤の不溶性異物検査法
G 制酸力試験法と消化力試験法
1. 制酸力試験法
2. 消化力試験法
5章 製剤の品質管理
A 品質管理の必要性と医薬品が分解する要因
1. 温 度
2. 光
3. 酸 素
4. 湿 度
5. 加水分解
6. 微生物
7. 物理的刺激
8. その他
B 安定性と有効性の評価
1. 苛酷試験
2. 加速試験
3. 長期保存試験
C 容器・包装の種類と特徴
1. 密閉容器
2. 気密容器
3. 密封容器
4. 遮 光
5. 容器・包装の表示
6. 記載禁止事項
7. 封
8. 直接の容器・被包の記載例
9. 容器・包装材料試験法
D 貯法・保存条件
1. 有効期限,有効期間
2. 製造から使用までの品質管理
6章 DDS(ドラッグデリバリーシステム)
A DDSの目的と分類
B 放出制御型製剤
1. 放出制御型経口製剤
2. 速崩性錠剤
3. 経皮吸収型製剤
4. 埋め込み注射剤・持続性注射剤
5. その他
6. 徐放性製剤に用いられる製剤材料の種類と性質
C ターゲティング
1. 局所投与
2. 作用発現点に特異性のある薬物の開発
3. 特異的な生体反応の利用
4. プロドラッグ
5. 薬物キャリアーの利用
6. 生物学的認識機構の利用
7. 体外部からの制御
D プロドラッグ
1. 安定性の改善を目的としたプロドラッグ
2. 溶解性の改善を目的としたプロドラッグ
3. 吸収の改善および血中滞留性の改善(持続化)を目的としたプロドラッグ
4. 標的組織での活性化を目的としたプロドラッグ
文 献
索 引