カテゴリー: 臨床薬学
図解 医薬品情報学
改訂5版
一般社団法人 医療データ活用基盤整備機構 理事 折井孝男 編
定価
4,950円(本体 4,500円 +税10%)
- B5判 439頁
- 2023年4月 発行
- ISBN 978-4-525-78165-1
医薬品情報を有用に利活用するための入門書!
インターネット等により誰もが容易に情報入手可能な現在,薬剤師もその中から必要な情報を見極め入手し,自信をもって発信・提供することが望まれる.本書は医薬品情報に関わる基礎的な要素を,さまざまな角度から分かりやすく解説した.薬学生や医薬関係者のテキストとして最適な書である.今版より,講義等で使用可能な演習問題を新設した.
- 序文
- 目次
序文
医療は急速に進歩するとともに,それに付随する事項も同様に進化することが求められる.医薬品に係る情報も同様に進化し続けている.ICT,AI化の進歩は,医療デジタルトランスフォーメーション〔医療DX:保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防,薬剤処方など)において発生する情報やデータを,全体最適された基盤を通して,業務やシステム,データの保存の標準化を図り,国民自身の予防を促進し,より良質な医療やケアをうけられるように,社会や生活の形を変えることと定義〕など現在最も必要とされているものであり,さらに,クラウド技術もAIを含む高度なサービスを効率よく提供できる基盤となっている.これらの技術とその情報は世の中の動きに遅れをとることなく,われわれ医療に係る関係者に留まらず,患者のためにも対応することが必須といえる.
Society5.0が提唱されている. このSocietyは,サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合したシステムにより,経済発展と社会的課題の解決を両立する,人間中心の社会(Society)である.このSocietyも1.0から新たな社会を指すもので,第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿5.0として提唱されており,電子お薬手帳や電子処方箋など,さまざまな知識や情報が共有される.
さて,改正薬機法(2019年12月交付)により厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」平成30年12月25日においては,薬剤師の行う対人業務を充実させる観点から,医薬品の品質の確保を前提として対物業務の効率化を図る必要のあることから,「調剤機器や情報技術の活用等も含めた業務効率化のために有効な取り組みの検討を進めるべき」とされた.
対物業務から対人業務へと,薬剤師業務が「薬剤師としての裁量」を求められる時代に入っている.さらに医療用医薬品ではバーコードを利活用した医療用医薬品添付文書の電子化がすすみ,従来の紙による情報の提供がなくなり,電子的方法により情報を入手できるようになっている.このことは,「最新の情報を入手できる」という利点を有している.すると,本書「図解 医薬品情報学」も電子化されるのではないかと考えてしまう.しかし,印刷物(本書)は,ネットなどを利用して調べるヒトによるバイアスを無くすものであるといえる.さらに,ネット環境がない場合でも医薬品情報の基礎的知識を習得する情報源といえる.
医薬品情報学という学問を大学等での学年ごとの「タテ」だけで考えると,世の中での課題,多彩なロールモデルに出会う機会が少ないといえる.そこで,学年を横断した「ヨコ」という視点を持ち,常に医薬品情報学にはさまざまな学問が関わってくるのを感じることがとても大切である.「タテ」の学問だけでなく「ヨコ」の視点を取り入れて学問を考えていくと,学生生活の中だけでなく,世の中でのさまざまな問題に気づくようになるといえる.そして,学生生活を通して「自分のやりたいことはこれだ」ということに気づくだけでなく,充実感を得られるのではないかと思われる.頭の中で考えることはとても大切なことであるが,それに加えて「ヨコ」の視点を取り入れることにより,充実感と場合によっては達成感を学生生活において得ることができる.学生生活ではさまざまな学問を学ぶが,そのすべてに対して同じことがいえると思う.冒頭にも述べたが世の中はグローバル化している.インターネットの利活用によりさまざまなチャンスが溢れているといえる.可能であれば,国内だけに留まらず,海外の学問(医薬品情報学など)に触れることも大切なことである.さらに,国際学会に参加すれば自分の考え方を知り,素晴らしい仲間に会える機会が増える.日本という「タテ」だけでなく,国を超えた「ヨコ」へと展開できる.よく考えて行動して欲しいと思う.そして,多くの可能性を広げて欲しいと考える.
グローバルな世界は予想を超えるスピードで変化・進化している.グローバルな世界は「タテ」ではなく「ヨコ」の広がりが大切な世界といえる.未来を背負う世代が相互理解を深め,国(家)を超えた多様性を有し,多職種とのつながりと信頼を持つことが大切である.医薬品の情報(医薬品情報学)は,このような連携を図る大切な情報(学問)であるといえる.
本書は「医薬品情報学」の有するさまざまな視点を持つことにより「自分の道・方向性」に繋がる.そこで,医薬品情報について,何を,どのように学ぶかということは各人それぞれであるが,この「自分の道・方向性」を感じることがとても大事だと思う.
COVID-19の流行が続いている中,本改訂作業にご尽力頂いた南山堂編集部に甚大なる感謝をするとともに,今回の改訂版に留まらず,本書が医療の進歩に遅れをとることなく,医薬品に係わる情報を利活用する人々に大きな活力を与えることを期待する.
2023年3月
COVID-19の世界的流行,2022FIFAサッカーワールドカップ開催,
さらに,医療DX,電子処方箋など医療,社会の大きな変化の中で…….
折井孝男
Society5.0が提唱されている. このSocietyは,サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合したシステムにより,経済発展と社会的課題の解決を両立する,人間中心の社会(Society)である.このSocietyも1.0から新たな社会を指すもので,第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿5.0として提唱されており,電子お薬手帳や電子処方箋など,さまざまな知識や情報が共有される.
さて,改正薬機法(2019年12月交付)により厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」平成30年12月25日においては,薬剤師の行う対人業務を充実させる観点から,医薬品の品質の確保を前提として対物業務の効率化を図る必要のあることから,「調剤機器や情報技術の活用等も含めた業務効率化のために有効な取り組みの検討を進めるべき」とされた.
対物業務から対人業務へと,薬剤師業務が「薬剤師としての裁量」を求められる時代に入っている.さらに医療用医薬品ではバーコードを利活用した医療用医薬品添付文書の電子化がすすみ,従来の紙による情報の提供がなくなり,電子的方法により情報を入手できるようになっている.このことは,「最新の情報を入手できる」という利点を有している.すると,本書「図解 医薬品情報学」も電子化されるのではないかと考えてしまう.しかし,印刷物(本書)は,ネットなどを利用して調べるヒトによるバイアスを無くすものであるといえる.さらに,ネット環境がない場合でも医薬品情報の基礎的知識を習得する情報源といえる.
医薬品情報学という学問を大学等での学年ごとの「タテ」だけで考えると,世の中での課題,多彩なロールモデルに出会う機会が少ないといえる.そこで,学年を横断した「ヨコ」という視点を持ち,常に医薬品情報学にはさまざまな学問が関わってくるのを感じることがとても大切である.「タテ」の学問だけでなく「ヨコ」の視点を取り入れて学問を考えていくと,学生生活の中だけでなく,世の中でのさまざまな問題に気づくようになるといえる.そして,学生生活を通して「自分のやりたいことはこれだ」ということに気づくだけでなく,充実感を得られるのではないかと思われる.頭の中で考えることはとても大切なことであるが,それに加えて「ヨコ」の視点を取り入れることにより,充実感と場合によっては達成感を学生生活において得ることができる.学生生活ではさまざまな学問を学ぶが,そのすべてに対して同じことがいえると思う.冒頭にも述べたが世の中はグローバル化している.インターネットの利活用によりさまざまなチャンスが溢れているといえる.可能であれば,国内だけに留まらず,海外の学問(医薬品情報学など)に触れることも大切なことである.さらに,国際学会に参加すれば自分の考え方を知り,素晴らしい仲間に会える機会が増える.日本という「タテ」だけでなく,国を超えた「ヨコ」へと展開できる.よく考えて行動して欲しいと思う.そして,多くの可能性を広げて欲しいと考える.
グローバルな世界は予想を超えるスピードで変化・進化している.グローバルな世界は「タテ」ではなく「ヨコ」の広がりが大切な世界といえる.未来を背負う世代が相互理解を深め,国(家)を超えた多様性を有し,多職種とのつながりと信頼を持つことが大切である.医薬品の情報(医薬品情報学)は,このような連携を図る大切な情報(学問)であるといえる.
本書は「医薬品情報学」の有するさまざまな視点を持つことにより「自分の道・方向性」に繋がる.そこで,医薬品情報について,何を,どのように学ぶかということは各人それぞれであるが,この「自分の道・方向性」を感じることがとても大事だと思う.
COVID-19の流行が続いている中,本改訂作業にご尽力頂いた南山堂編集部に甚大なる感謝をするとともに,今回の改訂版に留まらず,本書が医療の進歩に遅れをとることなく,医薬品に係わる情報を利活用する人々に大きな活力を与えることを期待する.
2023年3月
COVID-19の世界的流行,2022FIFAサッカーワールドカップ開催,
さらに,医療DX,電子処方箋など医療,社会の大きな変化の中で…….
折井孝男
目次
第1章 医薬品情報学を学ぶ意義
1 医薬品情報学とは
A 医薬品情報学の流れ
B 医薬品情報と薬学教育
C 医薬品情報の共有とICT化からIoT,AI,DX,そしてSociety 5.0
D 医薬品情報の基本理念
2 薬剤師に求められる職能と医薬品情報学
A 薬剤師の資質
B 薬剤師に求められる職能
C 臨床研究への積極的参画
D 自己研鑽・生涯教育
E 薬学教育と医薬品情報
3 情報社会における医薬品情報
A 現代は“情報社会”の時代
B 情報社会における医薬品情報
4 社会を支える医薬品情報①:地域包括ケアとセルフメディケーション
A 「患者のための薬局ビジョン」とは
B 地域包括ケアシステムと薬剤師
C セルフケア・セルフメディケーションと薬剤師
D かかりつけ薬剤師・薬局を取り巻く最近の動向
5 社会を支える医薬品情報②:薬物乱用防止教育とアンチ・ドーピング
A 薬物乱用防止教育のための医薬品情報
B アンチ・ドーピングのための医薬品情報
6 社会を支える医薬品情報③:災害時医療と情報
A 情報は災害医療支援の成否を左右する
B 災害時医療支援体制と薬剤師
C 薬剤師による災害支援と情報
D 災害医療支援活動における情報共有ツール
第2章 「医薬品情報学」総論
1 医薬品情報の種類と特徴
A 医薬品情報として求められる内容
B 医薬品情報の活用
2 医薬品情報に関わるさまざまな職種
A 医薬品としての承認取得段階
B 市販後の臨床使用段階
C 情報の個別最適化
D セルフメディケーション
E 医薬品情報に関わる職種とその役割の例示
3 医薬品情報学に関連する主な法律・制度
A 医薬関係者の責務
B 医薬品
C 医薬品の開発・製造
D 薬局・医薬品販売業
4 医薬品の研究・開発の流れと医薬品情報
A 医薬品とは
B 医薬品開発の現状
C 医薬品開発の大まかな流れ
D 非臨床試験
E 臨床試験(治験)
F 後発医薬品の製造販売承認申請
G バイオ後続品(バイオシミラー)の製造販売承認申請
5 製造販売後(市販後)に構築される医薬品情報
A 製造販売後(市販後)調査制度とは
B 医薬品リスク管理計画
6 医薬品におけるレギュラトリーサイエンス
A レギュラトリーサイエンスとは
B 科学・医療・食品安全分野におけるレギュラトリーサイエンスの展開
C レギュラトリーサイエンス・フロー
D 医薬品のレギュラトリーサイエンス
E レギュラトリーサイエンスの必要性と意義
第3章 医薬品情報の収集・評価・加工・提供・管理
1 医薬品情報源の分類と特徴
A 情報源の分類と特徴
B 一次資料
C 二次資料
D 三次資料
2 医薬品情報の流れ
A 厚生労働省,医薬品医療機器総合機構が発行する資料
B 製薬企業が発行する資料
C 医薬品卸売販売業が提供する資料
3 医薬品添付文書の法的位置付けと作成の目的
A 作成の目的
B 歴史と位置付け
4 医薬品添付文書の記載項目
A 医療用医薬品
B 一般用医薬品
5 医薬品インタビューフォーム
A 医薬品インタビューフォームの位置付け
B 医薬品インタビューフォームの歴史
C 医薬品インタビューフォームの記載項目
D 医薬品インタビューフォームの利用例
6 医薬品リスク管理計画
A 適用範囲と検討を行うタイミング
B RMPの概要
C GVP省令およびGPSP省令の改正と医薬品リスク管理計画
D RMPのライフサイクル
E 医療現場でのRMPの活用
7 医薬品情報の検索・収集
A 効能・効果に関する情報検索・収集
B 副作用に関する情報検索・収集
C 相互作用に関する情報検索・収集
D 薬剤鑑別に関する情報検索・収集
E 妊婦・産婦・授乳婦等への投与に関する情報検索・収集
F 中毒に関する情報検索・収集
8 文献データベースによる医薬品情報の検索・収集
A Advanced検索:特定のフィールドから絞り込んで検索する
B Subheading,同義語リスト,階層構造
9 医薬品情報の評価
A 医薬品情報を評価する必要性
B 医薬品情報の評価のためのプロセス
C 医薬品の有効性情報の評価
D 医薬品の安全性情報の評価
10 医薬品情報の加工・提供・管理
A 医薬品情報の加工
B 医薬品情報の提供
C 医薬品情報の管理
第4章 EBMと医薬品情報
1 EBMの基本的概念と実践
A EBMの基本的概念
B 臨床疑問(clinical question;CQ)
C EBMの実践と5つのステップ
2 主な臨床研究法とエビデンスレベル
A 介入研究:ランダム化比較試験
B 観察研究
C エビデンスレベル
3 臨床研究論文の批判的吟味
A 課題の設定はされているか
B 研究デザインは適切か
C 被験者の選択と割り付け
D 症例数の設定根拠
E 脱落とデータ解析
F 評価指標(アウトカム)
G 結果の提示
H 外的妥当性
4 メタアナリシスと医薬品情報
5 臨床での診療ガイドラインの位置付けとEBM
A 診療ガイドラインとは
B GRADEシステムの確立
C エビデンスの質の評価
D 推奨度
E 推奨度の表現とランク付け
第5章 臨床研究の結果を理解するための生物統計の基本
1 臨床研究における統計解析と推定
2 臨床研究で用いられる基本的な用語と統計量
A 平均値と中央値の算出方法
B 標準偏差
C 標準誤差
D 信頼区間
E 範 囲
3 検 定
4 臨床研究における仮説検定と過誤
A 臨床研究における仮説検定
B 第一種の過誤(αエラー)と第二種の過誤(βエラー)
5 さまざまな確率分布
A 正規分布
B 標準正規分布
C t分布
D 二項分布とポアソン分布
E カイ二乗分布
F F分布
6 パラメトリックなデータとノンパラメトリックなデータの違い
7 群間の差の検定
A 変数の種類
B 検定方法
C 対応のあるt検定,対応のないt検定,ウェルチのt検定
D マン・ホイットニーのU検定とウィルコクソンの符号付順位和検定
E カイ二乗検定とフィッシャーの正確確率検定
8 主な回帰分析と相関係数の検定
A 重回帰分析
B ロジスティック回帰分析
9 生存時間解析
A ログランク検定
B Cox比例ハザードモデル
第6章 臨床研究デザインと解析
1 臨床研究の主な統計手法
2 臨床研究におけるバイアス・交絡
A 交 絡
B 選択バイアス
C 情報バイアス
3 観察研究での主な疫学研究デザイン
A 縦断研究と横断研究
B コホート研究
C ケース・コホート研究
D 症例対照研究
E コホート内症例対照研究(ネステッドケースコントロール研究)
4 副作用と医薬品の因果関係評価
5 優越性試験・同等性試験・非劣性試験
A 優越性試験
B 同等性試験
C 非劣性試験
6 介入研究の計画上の技法
7 統計解析時の注意点
8 介入研究の効果指標
9 臨床研究の結果の主なパラメータ
A さまざまなパラメータの算出
B パラメータの算出例
第7章 医薬品の比較・評価
1 医薬品の選択・採用
A 病院における医薬品の採用
B 薬事委員会
C 保険薬局における医薬品の採用
D 医薬品を選択・採用するための検討項目
2 同種同効薬の有効性・安全性の比較・評価
A 同種同効薬,同効薬とは
B 同種同効薬,同効薬の問題点
C 薬剤師による同種同効薬,同効薬の比較・評価
D 医薬品の有効性の評価
E 医薬品の安全性の評価
3 先発医薬品と後発医薬品・バイオシミラーの比較・評価
A 後発医薬品とは
B 後発医薬品を使用する意義
C 後発医薬品選択における着眼点
D バイオシミラーの比較・評価
第8章 薬物治療に必要な患者情報とその収集・評価・管理
1 薬物療法に必要な患者の基本情報
A 患者情報
B 基本情報
C 病歴情報
D 薬歴情報
E 健康関連情報
F 社会的情報
G 各医療スタッフからの情報
2 患者情報源の種類
A 病院の場合
B 保険薬局の場合
3 処方監査・調剤に必要な医薬品情報
A 処方箋と医薬品情報
B 内用薬,外用薬,注射薬(在宅自己注射可能なもの)の調剤と患者情報
C 注射薬の調剤と患者情報
4 服薬指導・情報提供に必要な医薬品情報
A 服薬指導
B 保険薬局における服薬指導
C 病院における服薬指導
5 薬学管理に必要な医薬品情報―医薬品の効果・副作用の評価
A 医薬品の効果の評価
B 医薬品の副作用の評価
C 医薬品の効果・副作用からの薬物治療の評価
6 問題志向型システムによる患者情報の収集・評価
A 問題志向型システムとは
B 問題志向型診療録
7 患者情報の記録と管理
A 記録方法
B 患者情報の取り扱いと管理
第9章 個別化医療と医薬品情報
1 個人差を重視した薬物治療の計画・立案
A 薬物治療の個別最適化
B 遺伝子多型検査
C 年齢・臓器機能
D 情報の活用
2 遺伝的素因を考慮した薬物治療と医薬品情報
A ゲノム薬理学を活用した薬物治療
B 薬物の効果・副作用に関連する遺伝子検査
C 薬物動態に関連する遺伝子型と表現型
D 遺伝的要素を考慮した薬物治療
E 添付文書の活用
3 心臓疾患患者の薬物治療・投与設計と医薬品情報
A 心臓疾患が薬物動態に与える影響
B 吸 収
C 分 布
D 代 謝
E 排 泄
4 腎機能低下者の薬物治療・投与設計と医薬品情報
A 腎機能低下者への薬物投与設計
B 薬剤性腎障害
5 肝疾患・肝機能低下者への薬物投与
A 薬剤性肝障害
B 肝疾患・肝機能低下者への薬物投与設計
6 小児の薬物治療と医薬品情報
A 小児期とは
B 小児の年齢区分
C 薬物動態の特徴
D 小児薬用量の考え方
E 小児の臨床検査値
7 妊婦・授乳婦の薬物治療と医薬品情報
A 妊娠期の薬物使用に関する基本的な考え方と知識
B 授乳期の薬物使用に関する基本的な考え方と知識
C 妊婦・授乳婦の薬物療法に関する代表的な情報源
8 高齢者の薬物治療と医薬品情報
A 高齢者における薬物治療
B 高齢者における薬物動態
C 生理的変動
D ポリファーマシー
9 栄養状態の異なる患者の薬物治療と医薬品情報
A 肥満の定義と現状
B 肥満における生理的変動
C サルコペニア肥満
10 コンパニオン診断に基づく薬物治療と医薬品情報
A コンパニオン診断薬の例
B コンパニオン診断薬の課題
第10章 「医薬品情報学」演習
演習1 EBMの実践
演習2 添付文書・インタビューフォームから情報を収集し,考察する
演習3 適切な情報源から医薬品情報を入手し,治療を適正化する
演習4 遺伝子的素因を考慮した薬物治療の実践
演習5 PubMedを用いた一次情報の検索とその検証
演習6 腎機能低下者への処方提案
演習7 肝機能低下者の薬物治療・投与設計
演習8 小児に用いる医薬品選択時の検討点
演習9 高齢者の薬物治療・投与設計
演習10 相対的乳児薬物投与量(RID)の算出に基づく乳児へのリスク評価
演習11 医療従事者向けのDI資料(同種同効薬の比較)の作成
演習12 統計の基本①
演習13 統計の基本②
1 医薬品情報学とは
A 医薬品情報学の流れ
B 医薬品情報と薬学教育
C 医薬品情報の共有とICT化からIoT,AI,DX,そしてSociety 5.0
D 医薬品情報の基本理念
2 薬剤師に求められる職能と医薬品情報学
A 薬剤師の資質
B 薬剤師に求められる職能
C 臨床研究への積極的参画
D 自己研鑽・生涯教育
E 薬学教育と医薬品情報
3 情報社会における医薬品情報
A 現代は“情報社会”の時代
B 情報社会における医薬品情報
4 社会を支える医薬品情報①:地域包括ケアとセルフメディケーション
A 「患者のための薬局ビジョン」とは
B 地域包括ケアシステムと薬剤師
C セルフケア・セルフメディケーションと薬剤師
D かかりつけ薬剤師・薬局を取り巻く最近の動向
5 社会を支える医薬品情報②:薬物乱用防止教育とアンチ・ドーピング
A 薬物乱用防止教育のための医薬品情報
B アンチ・ドーピングのための医薬品情報
6 社会を支える医薬品情報③:災害時医療と情報
A 情報は災害医療支援の成否を左右する
B 災害時医療支援体制と薬剤師
C 薬剤師による災害支援と情報
D 災害医療支援活動における情報共有ツール
第2章 「医薬品情報学」総論
1 医薬品情報の種類と特徴
A 医薬品情報として求められる内容
B 医薬品情報の活用
2 医薬品情報に関わるさまざまな職種
A 医薬品としての承認取得段階
B 市販後の臨床使用段階
C 情報の個別最適化
D セルフメディケーション
E 医薬品情報に関わる職種とその役割の例示
3 医薬品情報学に関連する主な法律・制度
A 医薬関係者の責務
B 医薬品
C 医薬品の開発・製造
D 薬局・医薬品販売業
4 医薬品の研究・開発の流れと医薬品情報
A 医薬品とは
B 医薬品開発の現状
C 医薬品開発の大まかな流れ
D 非臨床試験
E 臨床試験(治験)
F 後発医薬品の製造販売承認申請
G バイオ後続品(バイオシミラー)の製造販売承認申請
5 製造販売後(市販後)に構築される医薬品情報
A 製造販売後(市販後)調査制度とは
B 医薬品リスク管理計画
6 医薬品におけるレギュラトリーサイエンス
A レギュラトリーサイエンスとは
B 科学・医療・食品安全分野におけるレギュラトリーサイエンスの展開
C レギュラトリーサイエンス・フロー
D 医薬品のレギュラトリーサイエンス
E レギュラトリーサイエンスの必要性と意義
第3章 医薬品情報の収集・評価・加工・提供・管理
1 医薬品情報源の分類と特徴
A 情報源の分類と特徴
B 一次資料
C 二次資料
D 三次資料
2 医薬品情報の流れ
A 厚生労働省,医薬品医療機器総合機構が発行する資料
B 製薬企業が発行する資料
C 医薬品卸売販売業が提供する資料
3 医薬品添付文書の法的位置付けと作成の目的
A 作成の目的
B 歴史と位置付け
4 医薬品添付文書の記載項目
A 医療用医薬品
B 一般用医薬品
5 医薬品インタビューフォーム
A 医薬品インタビューフォームの位置付け
B 医薬品インタビューフォームの歴史
C 医薬品インタビューフォームの記載項目
D 医薬品インタビューフォームの利用例
6 医薬品リスク管理計画
A 適用範囲と検討を行うタイミング
B RMPの概要
C GVP省令およびGPSP省令の改正と医薬品リスク管理計画
D RMPのライフサイクル
E 医療現場でのRMPの活用
7 医薬品情報の検索・収集
A 効能・効果に関する情報検索・収集
B 副作用に関する情報検索・収集
C 相互作用に関する情報検索・収集
D 薬剤鑑別に関する情報検索・収集
E 妊婦・産婦・授乳婦等への投与に関する情報検索・収集
F 中毒に関する情報検索・収集
8 文献データベースによる医薬品情報の検索・収集
A Advanced検索:特定のフィールドから絞り込んで検索する
B Subheading,同義語リスト,階層構造
9 医薬品情報の評価
A 医薬品情報を評価する必要性
B 医薬品情報の評価のためのプロセス
C 医薬品の有効性情報の評価
D 医薬品の安全性情報の評価
10 医薬品情報の加工・提供・管理
A 医薬品情報の加工
B 医薬品情報の提供
C 医薬品情報の管理
第4章 EBMと医薬品情報
1 EBMの基本的概念と実践
A EBMの基本的概念
B 臨床疑問(clinical question;CQ)
C EBMの実践と5つのステップ
2 主な臨床研究法とエビデンスレベル
A 介入研究:ランダム化比較試験
B 観察研究
C エビデンスレベル
3 臨床研究論文の批判的吟味
A 課題の設定はされているか
B 研究デザインは適切か
C 被験者の選択と割り付け
D 症例数の設定根拠
E 脱落とデータ解析
F 評価指標(アウトカム)
G 結果の提示
H 外的妥当性
4 メタアナリシスと医薬品情報
5 臨床での診療ガイドラインの位置付けとEBM
A 診療ガイドラインとは
B GRADEシステムの確立
C エビデンスの質の評価
D 推奨度
E 推奨度の表現とランク付け
第5章 臨床研究の結果を理解するための生物統計の基本
1 臨床研究における統計解析と推定
2 臨床研究で用いられる基本的な用語と統計量
A 平均値と中央値の算出方法
B 標準偏差
C 標準誤差
D 信頼区間
E 範 囲
3 検 定
4 臨床研究における仮説検定と過誤
A 臨床研究における仮説検定
B 第一種の過誤(αエラー)と第二種の過誤(βエラー)
5 さまざまな確率分布
A 正規分布
B 標準正規分布
C t分布
D 二項分布とポアソン分布
E カイ二乗分布
F F分布
6 パラメトリックなデータとノンパラメトリックなデータの違い
7 群間の差の検定
A 変数の種類
B 検定方法
C 対応のあるt検定,対応のないt検定,ウェルチのt検定
D マン・ホイットニーのU検定とウィルコクソンの符号付順位和検定
E カイ二乗検定とフィッシャーの正確確率検定
8 主な回帰分析と相関係数の検定
A 重回帰分析
B ロジスティック回帰分析
9 生存時間解析
A ログランク検定
B Cox比例ハザードモデル
第6章 臨床研究デザインと解析
1 臨床研究の主な統計手法
2 臨床研究におけるバイアス・交絡
A 交 絡
B 選択バイアス
C 情報バイアス
3 観察研究での主な疫学研究デザイン
A 縦断研究と横断研究
B コホート研究
C ケース・コホート研究
D 症例対照研究
E コホート内症例対照研究(ネステッドケースコントロール研究)
4 副作用と医薬品の因果関係評価
5 優越性試験・同等性試験・非劣性試験
A 優越性試験
B 同等性試験
C 非劣性試験
6 介入研究の計画上の技法
7 統計解析時の注意点
8 介入研究の効果指標
9 臨床研究の結果の主なパラメータ
A さまざまなパラメータの算出
B パラメータの算出例
第7章 医薬品の比較・評価
1 医薬品の選択・採用
A 病院における医薬品の採用
B 薬事委員会
C 保険薬局における医薬品の採用
D 医薬品を選択・採用するための検討項目
2 同種同効薬の有効性・安全性の比較・評価
A 同種同効薬,同効薬とは
B 同種同効薬,同効薬の問題点
C 薬剤師による同種同効薬,同効薬の比較・評価
D 医薬品の有効性の評価
E 医薬品の安全性の評価
3 先発医薬品と後発医薬品・バイオシミラーの比較・評価
A 後発医薬品とは
B 後発医薬品を使用する意義
C 後発医薬品選択における着眼点
D バイオシミラーの比較・評価
第8章 薬物治療に必要な患者情報とその収集・評価・管理
1 薬物療法に必要な患者の基本情報
A 患者情報
B 基本情報
C 病歴情報
D 薬歴情報
E 健康関連情報
F 社会的情報
G 各医療スタッフからの情報
2 患者情報源の種類
A 病院の場合
B 保険薬局の場合
3 処方監査・調剤に必要な医薬品情報
A 処方箋と医薬品情報
B 内用薬,外用薬,注射薬(在宅自己注射可能なもの)の調剤と患者情報
C 注射薬の調剤と患者情報
4 服薬指導・情報提供に必要な医薬品情報
A 服薬指導
B 保険薬局における服薬指導
C 病院における服薬指導
5 薬学管理に必要な医薬品情報―医薬品の効果・副作用の評価
A 医薬品の効果の評価
B 医薬品の副作用の評価
C 医薬品の効果・副作用からの薬物治療の評価
6 問題志向型システムによる患者情報の収集・評価
A 問題志向型システムとは
B 問題志向型診療録
7 患者情報の記録と管理
A 記録方法
B 患者情報の取り扱いと管理
第9章 個別化医療と医薬品情報
1 個人差を重視した薬物治療の計画・立案
A 薬物治療の個別最適化
B 遺伝子多型検査
C 年齢・臓器機能
D 情報の活用
2 遺伝的素因を考慮した薬物治療と医薬品情報
A ゲノム薬理学を活用した薬物治療
B 薬物の効果・副作用に関連する遺伝子検査
C 薬物動態に関連する遺伝子型と表現型
D 遺伝的要素を考慮した薬物治療
E 添付文書の活用
3 心臓疾患患者の薬物治療・投与設計と医薬品情報
A 心臓疾患が薬物動態に与える影響
B 吸 収
C 分 布
D 代 謝
E 排 泄
4 腎機能低下者の薬物治療・投与設計と医薬品情報
A 腎機能低下者への薬物投与設計
B 薬剤性腎障害
5 肝疾患・肝機能低下者への薬物投与
A 薬剤性肝障害
B 肝疾患・肝機能低下者への薬物投与設計
6 小児の薬物治療と医薬品情報
A 小児期とは
B 小児の年齢区分
C 薬物動態の特徴
D 小児薬用量の考え方
E 小児の臨床検査値
7 妊婦・授乳婦の薬物治療と医薬品情報
A 妊娠期の薬物使用に関する基本的な考え方と知識
B 授乳期の薬物使用に関する基本的な考え方と知識
C 妊婦・授乳婦の薬物療法に関する代表的な情報源
8 高齢者の薬物治療と医薬品情報
A 高齢者における薬物治療
B 高齢者における薬物動態
C 生理的変動
D ポリファーマシー
9 栄養状態の異なる患者の薬物治療と医薬品情報
A 肥満の定義と現状
B 肥満における生理的変動
C サルコペニア肥満
10 コンパニオン診断に基づく薬物治療と医薬品情報
A コンパニオン診断薬の例
B コンパニオン診断薬の課題
第10章 「医薬品情報学」演習
演習1 EBMの実践
演習2 添付文書・インタビューフォームから情報を収集し,考察する
演習3 適切な情報源から医薬品情報を入手し,治療を適正化する
演習4 遺伝子的素因を考慮した薬物治療の実践
演習5 PubMedを用いた一次情報の検索とその検証
演習6 腎機能低下者への処方提案
演習7 肝機能低下者の薬物治療・投与設計
演習8 小児に用いる医薬品選択時の検討点
演習9 高齢者の薬物治療・投与設計
演習10 相対的乳児薬物投与量(RID)の算出に基づく乳児へのリスク評価
演習11 医療従事者向けのDI資料(同種同効薬の比較)の作成
演習12 統計の基本①
演習13 統計の基本②