精神科外来ハイリスク薬ハンドブック
1版
鈴鹿医療科学大学薬学部 教授 三輪高市 編著
株式会社 ファーマダイワ弓削薬局 河野陽介 著
株式会社 ファーマダイワレインボー薬局 山本 巌 著
定価
2,200円(本体 2,000円 +税10%)
- B6判 173頁
- 2014年12月 発行
- ISBN 978-4-525-78551-2
ハイリスク薬の約3割は精神科用薬である.本書は精神科外来で処方される精神科用薬,すなわち,精神神経科用剤,抗てんかん薬におけるハイリスク薬管理のチェック事項を,簡潔かつ経時的に解説したポケットブックである.ハイリスク薬適正使用のゲートキーパーである薬剤師が即実践で活用できるツール!
- 序文
- 目次
序文
「ハイリスク薬(特に安全管理の必要な医薬品)」に対する薬剤師の薬学的管理・指導が,平成20年度の診療報酬改定では入院患者に対して,平成22年度調剤報酬改定では薬局において評価され,薬剤師業務の報酬として算定できるようになりました.このことは,薬剤師がハイリスク薬適正使用のゲートキーパーとしての社会的使命を与えられたと言えるでしょう.
平成18年度厚生労働科学研究の「医薬品の安全使用のための業務手順書」作成マニュアルでは「ハイリスク薬」を次のようなものとしています.
1.投与量等に注意が必要な医薬品
2.休薬期間の設けられている医薬品や服用期間の管理が必要な医薬品
3.併用禁忌や多くの薬剤との相互作用に注意を要する医薬品
4.特定の疾病や妊婦等に禁忌である医薬品
5.重篤な副作用回避のために,定期的な検査が必要な医薬品
6.心停止等に注意が必要な医薬品
7.呼吸抑制に注意が必要な注射剤
8.投与量が単位(unit)で設定されている注射剤
9.漏出により皮膚障害を起こす注射剤
また,平成20年度の診療報酬改定において次のような薬剤群が「ハイリスク薬」に指定されています.
1)抗悪性腫瘍剤,2)免疫抑制剤,3)不整脈用剤,4)抗てんかん剤,5)血液凝固阻止剤,6)ジギタリス製剤,7)テオフィリン製剤,8)カリウム製剤(注射剤のみ),9)精神神経用剤,10)糖尿病用剤,11)膵臓ホルモン剤,12)抗HIV薬
これらのハイリスク薬のうち,精神科用薬(抗てんかん剤および精神神経用剤)は約1/3の品目数を占めています.精神科用薬の服薬は,対象疾患の性質から長期になることが多く,また重篤で発現率の高い副作用を有していることから,患者さんのQOLを良好に保って服薬を維持するためには副作用を経時的にチェックすることが大切です.このため,本ハンドブックでは精神科用薬について時間軸を考慮した管理指導のポイントを提示しています.
また,外来処方せんを応需する保険薬局では簡潔に患者さんに対応する必要があるために,精神科関連のハイリスク薬を分類毎,薬剤毎に,経時的チェック項目・最小限の必要情報について簡便に確認できるようにしました.特定薬剤管理指導加算の算定要件には,①服用状況の確認,②副作用の有無の確認,および③必要な薬学的管理及び指導,があげられており,それらの対応にも本ハンドブックは十分に役に立つ内容だと確信しています.便宜性を優先させているため,さらなる詳細な情報が必要となった場合には各薬剤の添付文書・インタビューフォーム等を参照してください.
患者さんの服薬における苦痛を減らし,豊かな暮らしを実現させるために本ハンドブックが一役を担うことができれば幸いです.
2014年秋
鈴鹿医療科学大学薬学部 教授
三輪高市
平成18年度厚生労働科学研究の「医薬品の安全使用のための業務手順書」作成マニュアルでは「ハイリスク薬」を次のようなものとしています.
1.投与量等に注意が必要な医薬品
2.休薬期間の設けられている医薬品や服用期間の管理が必要な医薬品
3.併用禁忌や多くの薬剤との相互作用に注意を要する医薬品
4.特定の疾病や妊婦等に禁忌である医薬品
5.重篤な副作用回避のために,定期的な検査が必要な医薬品
6.心停止等に注意が必要な医薬品
7.呼吸抑制に注意が必要な注射剤
8.投与量が単位(unit)で設定されている注射剤
9.漏出により皮膚障害を起こす注射剤
また,平成20年度の診療報酬改定において次のような薬剤群が「ハイリスク薬」に指定されています.
1)抗悪性腫瘍剤,2)免疫抑制剤,3)不整脈用剤,4)抗てんかん剤,5)血液凝固阻止剤,6)ジギタリス製剤,7)テオフィリン製剤,8)カリウム製剤(注射剤のみ),9)精神神経用剤,10)糖尿病用剤,11)膵臓ホルモン剤,12)抗HIV薬
これらのハイリスク薬のうち,精神科用薬(抗てんかん剤および精神神経用剤)は約1/3の品目数を占めています.精神科用薬の服薬は,対象疾患の性質から長期になることが多く,また重篤で発現率の高い副作用を有していることから,患者さんのQOLを良好に保って服薬を維持するためには副作用を経時的にチェックすることが大切です.このため,本ハンドブックでは精神科用薬について時間軸を考慮した管理指導のポイントを提示しています.
また,外来処方せんを応需する保険薬局では簡潔に患者さんに対応する必要があるために,精神科関連のハイリスク薬を分類毎,薬剤毎に,経時的チェック項目・最小限の必要情報について簡便に確認できるようにしました.特定薬剤管理指導加算の算定要件には,①服用状況の確認,②副作用の有無の確認,および③必要な薬学的管理及び指導,があげられており,それらの対応にも本ハンドブックは十分に役に立つ内容だと確信しています.便宜性を優先させているため,さらなる詳細な情報が必要となった場合には各薬剤の添付文書・インタビューフォーム等を参照してください.
患者さんの服薬における苦痛を減らし,豊かな暮らしを実現させるために本ハンドブックが一役を担うことができれば幸いです.
2014年秋
鈴鹿医療科学大学薬学部 教授
三輪高市
目次
■抗うつ薬
・デプロメール/ルボックス フルボキサミンマレイン酸塩
・パキシル パロキセチン塩酸塩
・ジェイゾロフト 塩酸セルトラリン
・レクサプロ エスシタロプラム
・トレドミン ミルナシプラン塩酸塩
・サインバルタ デュロキセチン塩酸塩
・リフレックス/レメロン ミルタザピン
・デジレル/レスリン トラゾドン塩酸塩
・トフラニール イミプラミン塩酸塩
・スルモンチール トリミプラミンマレイン酸塩
・ノリトレン ノリトリプチリン塩酸塩
・アナフラニール クロミプラミン塩酸塩
・アモキサン アモキサピン
・アンプリット ロフェプラミン塩酸塩
・プロチアデン ドスレピン塩酸塩
・ルジオミール マプロチリン塩酸塩
・トリプタノール アミトリプチリン塩酸塩
・テトラミド ミアンセリン塩酸塩
・テシプール セチプチリンマレイン酸塩
■抗不安薬
・アタラックス/アタラックス-P
ヒドロキシジン塩酸塩/ヒドロキシジンパモ酸塩
・デパス エチゾラム
・リーゼ クロチアゼパム
■抗精神病薬
・セレネース ハロペリドール
・プロピタン ピパンペロン塩酸塩
・トロペロン チミペロン
・インプロメン ブロムペリドール
・コントミン クロルプロマジン塩酸塩
・ベゲタミン-A/B配合錠
クロルプロマジン,プロメタジン,フェノバルビタール
・ピーゼットシー ペルフェナジンマレイン酸塩
・ヒルナミン/レボトミン レボメプロマジンマレイン酸塩
・フルメジン フルフェナジンマレイン酸塩
・ニューレプチル プロペリシアジン
・スピロピタン スピペロン
・ホーリット オキシペルチン
・ドグマチール/ミラドール/アビリット スルピリド
・クロフェクトン クロカプラミン塩酸塩
・オーラップ ピモジド
・ロドピン ゾテピン
・バルネチール スルトプリド塩酸塩
・クレミン モサプラミン塩酸塩
・エミレース ネモナプリド
・リスパダール リスペリドン
・ルーラン ペロスピロン塩酸塩
・ロナセン ブロナンセリン
・インヴェガ/ゼプリオン パリペリドン
・セロクエル クエチアピンフマル酸塩
・ジプレキサ オランザピン
・クロザリル クロザピン
・エビリファイ アリピプラゾール
■抗てんかん薬
・プリミドン
・アレビアチン/ヒダントール フェニトイン
・フェノバール フェノバルビタール
・クランポール アセチルフェネトライド
・セルシン/ホリゾン/ダイアップ ジアゼパム
・テグレトール カルバマゼピン
・ベンザリン ニトラゼパム
・デパケン/セレニカ バルプロ酸ナトリウム
・リボトリール クロナゼパム
・エクセグラン ゾニサミド
・ミオカーム ピラセタム
・マイスタン クロバザム
・オスポロット スルチアム
・ガバペン ガバペンチン
・トピナ トピラマート
・ザロンチン エトスクシミド
・ラミクタール ラモトリギン
・イーケプラ レベチラセタム
・ミノアレ トリメタジオン
■気分安定薬
・リーマス 炭酸リチウム
■ナルコレプシー・ADHD治療薬
・コンサータ メチルフェニデート塩酸塩
・ストラテラ アトモキセチン塩酸塩
・リタリン メチルフェニデート塩酸塩
・モディオダール モダフィニル
■注意すべき主な副作用
・デプロメール/ルボックス フルボキサミンマレイン酸塩
・パキシル パロキセチン塩酸塩
・ジェイゾロフト 塩酸セルトラリン
・レクサプロ エスシタロプラム
・トレドミン ミルナシプラン塩酸塩
・サインバルタ デュロキセチン塩酸塩
・リフレックス/レメロン ミルタザピン
・デジレル/レスリン トラゾドン塩酸塩
・トフラニール イミプラミン塩酸塩
・スルモンチール トリミプラミンマレイン酸塩
・ノリトレン ノリトリプチリン塩酸塩
・アナフラニール クロミプラミン塩酸塩
・アモキサン アモキサピン
・アンプリット ロフェプラミン塩酸塩
・プロチアデン ドスレピン塩酸塩
・ルジオミール マプロチリン塩酸塩
・トリプタノール アミトリプチリン塩酸塩
・テトラミド ミアンセリン塩酸塩
・テシプール セチプチリンマレイン酸塩
■抗不安薬
・アタラックス/アタラックス-P
ヒドロキシジン塩酸塩/ヒドロキシジンパモ酸塩
・デパス エチゾラム
・リーゼ クロチアゼパム
■抗精神病薬
・セレネース ハロペリドール
・プロピタン ピパンペロン塩酸塩
・トロペロン チミペロン
・インプロメン ブロムペリドール
・コントミン クロルプロマジン塩酸塩
・ベゲタミン-A/B配合錠
クロルプロマジン,プロメタジン,フェノバルビタール
・ピーゼットシー ペルフェナジンマレイン酸塩
・ヒルナミン/レボトミン レボメプロマジンマレイン酸塩
・フルメジン フルフェナジンマレイン酸塩
・ニューレプチル プロペリシアジン
・スピロピタン スピペロン
・ホーリット オキシペルチン
・ドグマチール/ミラドール/アビリット スルピリド
・クロフェクトン クロカプラミン塩酸塩
・オーラップ ピモジド
・ロドピン ゾテピン
・バルネチール スルトプリド塩酸塩
・クレミン モサプラミン塩酸塩
・エミレース ネモナプリド
・リスパダール リスペリドン
・ルーラン ペロスピロン塩酸塩
・ロナセン ブロナンセリン
・インヴェガ/ゼプリオン パリペリドン
・セロクエル クエチアピンフマル酸塩
・ジプレキサ オランザピン
・クロザリル クロザピン
・エビリファイ アリピプラゾール
■抗てんかん薬
・プリミドン
・アレビアチン/ヒダントール フェニトイン
・フェノバール フェノバルビタール
・クランポール アセチルフェネトライド
・セルシン/ホリゾン/ダイアップ ジアゼパム
・テグレトール カルバマゼピン
・ベンザリン ニトラゼパム
・デパケン/セレニカ バルプロ酸ナトリウム
・リボトリール クロナゼパム
・エクセグラン ゾニサミド
・ミオカーム ピラセタム
・マイスタン クロバザム
・オスポロット スルチアム
・ガバペン ガバペンチン
・トピナ トピラマート
・ザロンチン エトスクシミド
・ラミクタール ラモトリギン
・イーケプラ レベチラセタム
・ミノアレ トリメタジオン
■気分安定薬
・リーマス 炭酸リチウム
■ナルコレプシー・ADHD治療薬
・コンサータ メチルフェニデート塩酸塩
・ストラテラ アトモキセチン塩酸塩
・リタリン メチルフェニデート塩酸塩
・モディオダール モダフィニル
■注意すべき主な副作用