地域医療連携サポートBOOK
フローチャートでわかるがん化学療法の副作用
1版
国立がん研究センター東病院頭頸部内科 頭頸部内科長
田原 信 編集
国立がん研究センター東病院薬剤部 鈴木真也 著
国立がん研究センター東病院頭頸部内科 榎田智弘 著
定価
2,420円(本体 2,200円 +税10%)
- A5判 166頁
- 2015年4月 発行
- ISBN 978-4-525-78561-1
近年,新規抗がん薬の開発や支持療法の発達により,がん化学療法は外来でも行われるようになってきた.
本書は,薬剤師が外来がん化学療法の薬学管理を適切に行うために,著者らが作成した副作用フローチャートを用いた患者の副作用サポートを提案,解説した書籍である.
- 目次
- 序文
目次
■「フローチャート型支持療法説明書」の作成目的と今後の展望
■フローチャートで攻略! 抗がん薬の副作用対応
1 吐き気・食欲不振
2 発 熱
3 下 痢
4 便 秘
5 呼吸器症状
6 皮膚症状
7 手足の症状
8 痛 み
9 口内炎
■フローチャートで攻略! 抗がん薬の副作用対応
1 吐き気・食欲不振
2 発 熱
3 下 痢
4 便 秘
5 呼吸器症状
6 皮膚症状
7 手足の症状
8 痛 み
9 口内炎
序文
推薦の序
最近のがん化学療法は,分子標的薬を含む新たな抗がん薬や治療法の開発,副作用を防止または軽減する支持療法薬の登場により,治療効果の向上や副作用対策の充実が図られています.しかし,副作用への対応が遅れた場合には,致命的な結果を招くこともあります.また,分子標的薬によって従来型の抗がん薬とは異なり,患者のQOLが著しく低下し,治療の継続を困難にする副作用が発生することもあります.がん化学療法は,患者のがん種やステージなど目的によって最適な化学療法を選択することはもちろんですが,患者への治療内容の丁寧な説明,レジメン管理,抗がん薬の調製,患者への服薬指導,治療効果のモニタリング,副作用のモニタリング,副作用対策が必要で,治療の決定から治療後まで医師,薬剤師,看護師などが連携したチームでの関与が求められます.
特に外来化学療法や経口抗がん薬による治療が増加している現状では,いかに,患者の自宅などで発生する副作用に対応するかがとても重要になっています.そのため,多くの病院の外来化学療法室や薬局の窓口でお薬の説明書を用いた説明や指導が行われています.しかし,患者や家族は,実際に副作用が発生した場合の判断が難しく,どのように対応してよいか悩むことが多く,対応が遅れることがあります.
本書は,今,発生している症状から順にフローチャートをたどっていくことで,副作用への対応が行えるように示されています.また,医療者が説明時に何を確認し,何を考え,どう対応するかかが解説されています.がん医療に関わる全ての医療者に手に取ってほしい素晴らしい本です.
本書の普及で副作用による治療の中断が減少することを願っています.
2015年2月
日本病院薬剤師会
遠藤一司
序
がん薬物療法の進歩は目覚ましく,多くの薬剤が承認され,日常診療で使用できるようになった.しかし,薬剤によって副作用が異なり,また副作用が自宅で出現した場合,どのように対応したらよいか迷うことも少なくない.重篤な副作用が出現した場合は,すみやかに病院連絡をして対応することはもちろんであるが,軽い症状から早めに対応することも重篤化を抑えて安全に治療継続するうえで非常に重要である.我々が十分時間をかけて副作用出現時の対応について説明を行っても,時間の経過とともに患者さんは忘れてしまうこともある.また,説明を聞いていない家族が副作用出現時に対応することもある.適切な対応ができなかったことに対して「説明を十分理解していない患者,説明を聞いていない家族」に責任があるとは言えない.病院で渡されたがん薬物療法に関する説明書あるいはパンフレットには,副作用の詳細な記載はあるが,どのような副作用であったら,すぐに病院連絡すべきか,処方された副作用に対する薬剤をいつ服用開始すべきか,効果がなければどうしたらよいかなど具体的な対応策まで記載がない.
これらの問題を解決するために,フローチャート式の説明書の作成を著者の一人である当時当院薬剤部レジデントであった鈴木先生に依頼した.わずか数週間で見事なフローチャートを作成してくれ,患者からの評判もよかった.英語版も作成し,国内外の著明な先生からもお褒めもいただいた.当院のみならず,日本全国,全世界でこのフローチャート式説明書が普及すれば,患者さんのがん薬物療法がより安全に,かつ副作用による中止がなくなりより長く治療継続できるのではないかという想いでこの本を出版することになった.患者さん・ご家族にも十分理解できるよう心がけたので,ぜひ,多くの薬剤師や患者さんが活用し,安心してがん薬物療法を継続されることを期待したい.
2015年2月
国立がん研究センター東病院頭頸部内科 頭頸部内科長
田原 信
最近のがん化学療法は,分子標的薬を含む新たな抗がん薬や治療法の開発,副作用を防止または軽減する支持療法薬の登場により,治療効果の向上や副作用対策の充実が図られています.しかし,副作用への対応が遅れた場合には,致命的な結果を招くこともあります.また,分子標的薬によって従来型の抗がん薬とは異なり,患者のQOLが著しく低下し,治療の継続を困難にする副作用が発生することもあります.がん化学療法は,患者のがん種やステージなど目的によって最適な化学療法を選択することはもちろんですが,患者への治療内容の丁寧な説明,レジメン管理,抗がん薬の調製,患者への服薬指導,治療効果のモニタリング,副作用のモニタリング,副作用対策が必要で,治療の決定から治療後まで医師,薬剤師,看護師などが連携したチームでの関与が求められます.
特に外来化学療法や経口抗がん薬による治療が増加している現状では,いかに,患者の自宅などで発生する副作用に対応するかがとても重要になっています.そのため,多くの病院の外来化学療法室や薬局の窓口でお薬の説明書を用いた説明や指導が行われています.しかし,患者や家族は,実際に副作用が発生した場合の判断が難しく,どのように対応してよいか悩むことが多く,対応が遅れることがあります.
本書は,今,発生している症状から順にフローチャートをたどっていくことで,副作用への対応が行えるように示されています.また,医療者が説明時に何を確認し,何を考え,どう対応するかかが解説されています.がん医療に関わる全ての医療者に手に取ってほしい素晴らしい本です.
本書の普及で副作用による治療の中断が減少することを願っています.
2015年2月
日本病院薬剤師会
遠藤一司
序
がん薬物療法の進歩は目覚ましく,多くの薬剤が承認され,日常診療で使用できるようになった.しかし,薬剤によって副作用が異なり,また副作用が自宅で出現した場合,どのように対応したらよいか迷うことも少なくない.重篤な副作用が出現した場合は,すみやかに病院連絡をして対応することはもちろんであるが,軽い症状から早めに対応することも重篤化を抑えて安全に治療継続するうえで非常に重要である.我々が十分時間をかけて副作用出現時の対応について説明を行っても,時間の経過とともに患者さんは忘れてしまうこともある.また,説明を聞いていない家族が副作用出現時に対応することもある.適切な対応ができなかったことに対して「説明を十分理解していない患者,説明を聞いていない家族」に責任があるとは言えない.病院で渡されたがん薬物療法に関する説明書あるいはパンフレットには,副作用の詳細な記載はあるが,どのような副作用であったら,すぐに病院連絡すべきか,処方された副作用に対する薬剤をいつ服用開始すべきか,効果がなければどうしたらよいかなど具体的な対応策まで記載がない.
これらの問題を解決するために,フローチャート式の説明書の作成を著者の一人である当時当院薬剤部レジデントであった鈴木先生に依頼した.わずか数週間で見事なフローチャートを作成してくれ,患者からの評判もよかった.英語版も作成し,国内外の著明な先生からもお褒めもいただいた.当院のみならず,日本全国,全世界でこのフローチャート式説明書が普及すれば,患者さんのがん薬物療法がより安全に,かつ副作用による中止がなくなりより長く治療継続できるのではないかという想いでこの本を出版することになった.患者さん・ご家族にも十分理解できるよう心がけたので,ぜひ,多くの薬剤師や患者さんが活用し,安心してがん薬物療法を継続されることを期待したい.
2015年2月
国立がん研究センター東病院頭頸部内科 頭頸部内科長
田原 信