ブックタイトル医療従事者のギモンに答える！トラブルに巻き込まれない著作権のキホン

概要

医療従事者のギモンに答える！トラブルに巻き込まれない著作権のキホン

2著作権侵害の意義著作権侵害（具体的には複製権ないし翻案権侵害）は，①他人に利用された文章が，著作権法の「著作物」に該当し，②当該文章を利用する行為が，著作権法上の「複製」ないし「翻案」に該当するとともに，③ 著作権法において著作権者の許諾なく他人の著作物を利用することができる「引用」に該当せず，著作権侵害とは？「自分なりにわかりやすくなるように工夫している」部分は，著作権法が保護の対象とする「著作物」に該当する可能性があります．また，「著作物」を完全に真似するか，あるいは，改変しているとしても元の文章の表現上の特徴が感得できるのであれば，それは，著作権法上の「複製」ないし「翻案」を行ったことになります．そして，出典を明示せず，出典部分とそれ以外の部分の区別も不明瞭である場合には，著作権者の承諾なく他人の著作物を利用できることになる著作権法上の「引用」とは認められません．したがって，当該文章が著作権法上の「著作物」である場合は，著作権侵害が成立する可能性が高いといえます．なお，他人の著作物の一部を改変して自己の著作物として公表する場合には，著作者人格権の侵害も成立することになります．１以前出版した自著の文章と似た記載が他の書籍で用いられています．一般的な科学の内容ではありますが，自分なりにわかりやすくなるように工夫しています．完全に同じ文章もあれば，少し改変しているようなものもあるのですが，引用元として私の書籍が示されていませんので，無断利用となるのでしょうか．どういったものであれば無断利用とならないのでしょうか．