ブックタイトル図解 機能形態学

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概要

図解 機能形態学

3章 循環器系522. 心臓を栄養する血管 心臓は拍動機能をもつ血管ともいえるが,栄養はその表面を走る別の血管によって供給される.心臓に分布するこの栄養血管を冠状血管といい,冠状動脈と冠状静脈からなる(図3-4).冠動脈は左右1 対あり,心臓壁に供給される血流量は安静時で250 mL/ 分(心拍出量の約5%)である. 左右の冠状動脈は,いずれも大動脈の根元にある大動脈洞から起こる.左冠状動脈はおもに心室中隔や心室前部に分布する前下行枝(前室間枝)と,左心房?左心室側壁を栄養する回かい旋せん枝しおよび左ひだり外がい縁えん枝しなどに分かれる.これに対し,右冠動脈はおもに心臓の右側?後半分を栄養する動脈で,心臓の右側面に分布する右みぎ外がい縁えん枝し,右心房や心室後部を栄養する後下行枝(後室間枝)が出るほか,約60%の例で洞どう房ぼう結図3-4 冠状動脈と冠状静脈回旋枝右冠状動脈右心房a.冠状動脈b.冠状静脈右外縁枝左冠状動脈大動脈弁前下行枝(前室間枝)後下行枝(後室間枝)冠状静脈洞月桂冠