ブックタイトルZEROからの生命科学 改訂4版

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概要

ZEROからの生命科学 改訂4版

2.細胞の基本構造とその機能112ものです.核分裂が近づくと複製されたDNAを含んだ染色体が急速に凝縮して太い染色体となり,光学顕微鏡でも確認できるようになります(図2ー12).(2)核の働き 細胞質と隔たれた核内は,DNA の複製やRNA の合成に適した環境を与えています.生物の成長に欠くことができない細胞分裂では,2 核 nucleus(1)核の構造(図2ー11) 核の大きさや細胞内での位置は,生物によって,また同一個体でも組織や器官によって様々です.核の構造は,二重膜の核膜,その内部の核液(核質),電子顕微鏡写真では濃く写る核小体(旧来「仁」と呼ばれていたもの)などに区別できます.核膜には,核膜孔がたくさん開いており,細胞質と連絡しています.タンパク質合成時には,伝令RNA(mRNA:messengerRNA)がこの核膜孔を通って細胞質中のリボソームに到達します.また,核膜は小胞体とも連絡しています.核の中の液体で満たされた部分を核液,または核質といい,遺伝子DNA が含まれています.細胞周期の分裂期と分裂期の間の間期と呼ばれる時期(後半)には,数十?数百μm の長さの染色体(染色質〔クロマチン〕よりなる)が核の中に見られるようになります.染色体とは,DNA がタンパク質でできた球状のヒストンに巻きついてヌクレオソームを形成し,さらにそれが折りたたまれて糸状になった核膜核膜孔拡大図染色体核小体核液核膜孔:核内と細胞質基質    との連絡孔図2ー11 核の構造図2ー10 電子顕微鏡レベルで観察することができる動・植物細胞の基本構造注:図は各器官の模式図であり,大きさの正確な比較はしていません.