ブックタイトルプログレッシブ生命科学
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プログレッシブ生命科学
7.人体のなりたち101という器官は,上皮の一種である粘膜,平滑筋からなる筋組織,結合組織,神経組織などから構成される(p.114,図7- 10参照).また,協調して一定のはたらきをする器官を器官系という(表7- 1). さまざまな器官系の役割を,生物1 個体をながめながら考えてみよう.動物は,食物を摂取して,それらを分解することでエネルギーをつくり出す.この点で光合成によりエネルギーをつくり出す植物や藻類とは大きく異なっている. もっとも単純な体制をもつ腔腸動物のヒドラは,あたかも全身が消化管のような構造をしており,血管や心臓などの循環器系は存在せず,物質の移動は拡散に任されている.また,体積に比較7-1 組織と器官1 組織とは,器官とは 生体は,脳,心臓,肝臓,膵臓,腎臓,肺,大腸,小腸,目,耳,鼻など,複数の器官organ が協調してはたらくことで営まれている.器官は,上皮組織,筋組織,結合組織,神経組織など複数の組織tissue から構成され,組織は多様な細胞集団から構成される.この細胞-組織-器官という階層性は,構成要素が無秩序に組み合わさるだけで成立するのではなく,それぞれの器官の生理機能に見合ったかたちで,細胞から組織,組織から器官へと構築が有機的に統合されている.たとえば,消化管器官系器官系を構成する器官呼吸器系鼻腔,咽頭,喉頭,気管,肺 など循環器系心臓,動脈,静脈,毛細血管,血液,リンパ管 など消化器系口腔,唾液腺,咽頭,食道,胃,小腸,大腸,肝臓,胆嚢,膵臓 など泌尿器系腎臓,尿管,膀胱,尿道 など内分泌系視床下部,下垂体,甲状腺,副腎,上皮小体,膵臓,松果体 など神経系脳,脊髄,末梢神経,網膜,内耳 など生殖器系子宮,膣,乳腺,卵巣,卵管,精巣,前立腺 など免疫系リンパ節,胸腺,脾臓,骨髄 など感覚系眼球,内耳,外耳 など筋骨格系骨,軟骨,関節,筋,腱 など表7 - 1 代表的な器官系とそれを構成する器官の種類7 人体のなりたちさまざまな組織・器官がどのように生理機能へと統合されているのか.体内の環境を保つホメオスタシスのしくみとフィードバックの概念.内分泌系の制御とその異常.血圧の調節にかかわる因子とそれらの連関.心拍,呼吸リズム,消化管の蠕動,概日リズムなどの律動性を示す生理機能とそのしくみ.