ブックタイトルがんと免疫の研究Update

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概要

がんと免疫の研究Update

第Ⅱ部 腫瘍免疫制御10012-5 Tregを標的とした新しいがん免疫療法の確立に向けて 以上の議論から示唆されるように,一般的に,腫瘍を攻撃するエフェクターT 細胞とTreg のあいだの量的バランス,機能的バランスを,前者の優勢に傾けることで有効な腫瘍免疫応答を惹起できる(図12 -3).これは,さまざまな機能分子に対してさまざまな免疫生物活性(たとえば,細胞傷害性,ブロッキング活性,アゴニスティック活性)をもつモノクローナル抗体によって可能である.長期間の全身的なTreg 除去・減少,抑制能減弱は,抗CTLA-4 抗体投与にみられるように自己免疫を惹起するかもしれないが,短期間あるいは局所的投与によって,また,Treg サブセットを標的とすることで,自己免疫疾患を伴わずに図12-3 Tregを標的とした抗体療法抗CTLA-4抗体(ブロッキング活性)抗GITR抗体(アゴニスティック活性)抗CCR4抗体(細胞除去活性)抗PD-1抗体(ブロッキング活性)抗CD25抗体(細胞除去活性)抗IL-2抗体(中和活性)腫瘍免疫応答??エフェクターT細胞Treg図12-4 T細胞腫瘍免疫応答の活性化とTreg① がん細胞の破壊② がん抗原の提示③ エフェクターT 細胞の活性化④ Tregの除去あるいは抑制能の減弱抗原提示細胞エフェクターT 細胞Treg がん細胞④ ③②①