ブックタイトル戸田新細菌学 改訂34版
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戸田新細菌学 改訂34版
748 真菌学各論?A.主要な日和見型真菌症の原因菌1.カンジダ属Genus Candida 主要な菌はCandida albicans である.本菌は,1853 年にロビン(C.P. Robin)によってOidium albicans と命名されていたが,1923 年にバークホート(C.M. Berkhout)によってカンジダ属Candidaに入れられた.またMonilia と呼ばれていたことがあり,その疾患はモニリア症moniliasis と呼ばれた.現在は,本菌およびカンジダ属に所属する真菌による感染症は一括してカンジダ症candidosis(candidiasis)と呼ばれる.カンジダ属には314種が含まれ(The Yeasts, A Taxonomic Study.第5 版,2011),これまで表Ⅶ?1?1 のC. albicans,C. tropicalis,C. parapsilosis,C. glabrata,C.guilliermondii,C. kefyr,C. krusei が病原性カンジダとして知られていたが,今では40種以上が臨床材料から分離されている1).ヒトの口腔,腸管,腟,皮膚などに常在し,日和見感染症を起こす.近年の臓器移植やHIV 感染などによる易感染宿主の増加に伴い重要性が増大している.抗菌薬の使用による菌交代症の原因菌でもある.【分 類】 カンジダ属菌は不完全菌類に分類されているが,有性生殖形が見つかったものがあり,その場合,これまでの無性世代(アナモルフ)の学名のほかに完全世代(テレオモルフ)の学名が与えられている.それらを表Ⅶ?1?1 脚注に記した.C. albicansも長年,不完全菌類とされてきたが,rRNAの構造を見ると子嚢菌類であるので,不完全子嚢菌あるいは子嚢菌系の不完全菌類として分類されている(p. 734 図Ⅵ?14 参照).ところが,有性生殖の能力があることを示す実験結果が最近報告されたので,子嚢菌類としての地位がまもなく確立す1深在性真菌症の原因菌表Ⅶ?1?1.Candida albicans および類似の酵母様真菌の鑑別表菌 種 での菌膜形成サブロー・ブドウ糖液体培地 厚膜胞子形成コーンミール寒天培地での血清による発芽管形成の誘導ウレアーゼ活性発酵能資化能ブドウ糖マルトーススクロースラクトースブドウ糖マルトーススクロースラクトースガラクトーストレハロースC. albicansC. tropicalisC. parapsilosis*1C. glabrataC. guilliermondii*2C. kefyr(=C. pseudotropicalis)*3C. krusei*4-+----?+±-----+------------+AGAGAGAGAGAGAGAGAGA----AAGAAGAG------AG-++++++++++-+--+++-++------+-+++-++-+++++--A:酸産生,G:ガス産生*1 近縁種として,C. metapsilosis とC. orthopsilosis がある.有性生殖形の菌名:*2 Meyerozyma guilliermondii,*3 Kluyveromyces marxianus,*4 Pichia kudriavzevii1~12)