ブックタイトルわかる!身につく!病原体・感染・免疫 改訂3版
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わかる!身につく!病原体・感染・免疫 改訂3版
116 感染症の予防と感染制御対策・技術予防策に加えて行われる.感染経路には接触感染・飛沫感染・空気感染・一般媒介物感染・昆虫媒介感染などがあるが,特に接触感染・飛沫感染・空気感染は基本的な感染経路であり,その対策が重要になる(表4 -13).a.接触感染予防策 接触感染にはヒトからヒトへの直接接触感染と,医療器具・環境を介しての間接接触感染がある.接せっしょくかんせんよぼうさく触感染予防策の対象疾患は,MRSA・VRE・多剤耐性緑膿菌などの薬剤耐性菌による感染症,腸管出血性大腸菌・赤痢菌などによる腸管感染症,そして流行性耳下腺炎,流行性角結膜炎などである.図4 -7 注射針専用廃棄容器bとc:注射針を専用口に入れ,右側にずらしシリンジを引き上げる. (株式会社ジェイ・エム・エス 提供)a b c表4 -13 感染経路別予防策感染経路別予防策対象となる主な感染症対 策接触感染予防策MRSA 感染症VRE 感染症緑膿菌感染症腸管出血性大腸菌感染症赤 痢ロタウイルス感染症流行性耳下腺炎流行性角結膜炎ノロウイルス感染症手 袋入室時に着用する汚染物に触れた後は交換する退室時にはずし,手指を消毒するガウン患者と接触しそうなとき,入室時に着用し,退出時に脱ぐ濃厚な接触をするときには交換する器 具できれば専用にする専用にできなければ,消毒後に他の患者に使用する患者配置明らかに肺炎などを起こしているときには,個室隔離あるいは集団隔離する患者移送制限する飛沫感染予防策インフルエンザマイコプラズマ肺炎風 疹流行性耳下腺炎マスク1 m 以内での作業時にはサージカルマスクを着用する患者配置個室隔離あるいは集団隔離する(ベッドを1 m 離す)患者移送制限するが,必要なときは患者にサージカルマスクを着用させ行う空気感染予防策結 核SARSレジオネラ肺炎麻 疹水 痘マスク入室時にN95 マスクを着用,退出時にはずす患者配置個室隔離する(部屋は陰圧を保ち,1 時間に6 回の換気をし院外へ排気する)患者移送制限するが,必要なときは患者にサージカルマスクを着用させ行うMRSA:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌,VRE:バンコマイシン耐性腸球菌,SARS:重症急性呼吸器症候群.