ブックタイトルわかる!身につく!病原体・感染・免疫 改訂3版

ページ
9/12

このページは わかる!身につく!病原体・感染・免疫 改訂3版 の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

わかる!身につく!病原体・感染・免疫 改訂3版

主な病原細菌と疾患 2335 ヒトに病原性があるリケッチアは,リケッチア科のリケッチア属とオリエンチア属,エールリキア科のエールリキア属とネオリケッチア属の菌*で,リケッチア症の原因となる.感染源・感染経路 リケッチアは,ダニ,シラミなど節足動物がベクターとなりヒトに感染する(節足動物媒介感染).リケッチアを保有するダニ・シラミがヒトの皮膚を刺したり,またはその糞が皮膚の傷口にすりこまれて感染する.リザーバー(自然界でリケッチアが体内に生息している動物)とベクター(媒介節足動物)は,リケッチアの種類によって決まっており,両者が同一の場合と異なる場合とがある(図5 -42). ? リザーバーとベクターが同一の場合:大部分の病原リケッチア(ツツガムシ病リケッチア,ロッキー山紅斑熱リケッチアなど)は,ダニの体内に生息し,卵を介して次の世代へ伝播される(経卵伝播).ヒトへの伝播は,リケッチアを保有するダニがたまたまヒトを刺した場合に起こる.ツツガムシ病リケッチアの生活サイクル発疹チフスリケッチアの生活サイクルヒトはたまたま咬まれて感染患者・保菌者(リザーバー)発症コロモジラミ(ベクター)吸血後,腸管でリケッチアが増殖やがて死亡地上地中卵幼虫野ネズミ組織液を吸う幼虫幼虫アカツツガムシタテツツガムシフトゲツツガムシ若虫成虫経卵感染吸血時にシラミが脱糞し,糞中のリケッチアが傷口から侵入感染・発病* 16S rRNA遺伝子塩基配列による分類.以前,リケッチアに分類されていたバルトネラ属とコクシエラ属は除外された.図5 -42 発疹チフスリケッチアとツツガムシ病リケッチアの生活サイクル表5 -17 リケッチア,クラミジア,ウイルスの比較リケッチアクラミジアウイルス核酸の種類DNA とRNA(2 種類)DNA またはRNA(1 種類)細胞構造+ -細胞壁+(クラミジアはペプチドグリカンがない)-リボソームなど細胞内小器官+ -2 分裂による増殖+ -抗菌薬に対する感受性+ -ベクター(節足動物)の関与+ - +(一部)封入体形成- + +エネルギー産生+ - -