ブックタイトル免疫学コア講義 改訂4版

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概要

免疫学コア講義 改訂4版

6.B 細胞抗原受容体とシグナル伝達45ゼPLCγ2 の活性化からVav -Rac-Grb2 -Sos 複合体を形成する.この複合体はG タンパク質活性化Ras-マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路の活性化に関与する.また,Btk がPLCγ2を活性化することで細胞膜に存在するホスファチジルイノシトール二リン酸PI(4, 5 )P2 を分解し,イノシトール三リン酸(IP3 )とジアシルグリセロール(DAG)を産生する.IP3が小胞体膜上のIP3 受容体に結合すると,小胞体のCa2+ チャネルを開放し,Ca2+ 放出を誘導する.Ca2+ の動によって活性化され,下流のアダプター分子群のリン酸化を誘導する. シグナル伝達経路を図6-11にまとめた.これらのシグナル伝達の開始には高エネルギーのリン脂質を用いるため,細胞膜近傍の糖スフィンゴ脂質とコレステロールに富む脂質ラフトlipid raft で反応が起こる. Lyn,Syk はB 細胞増殖刺激伝達経路として,固有のシグナル伝達アダプター分子の補助を受けてシグナル複合体の形成を促す.1 つはSLP65(BLNK)がチロシンキナーゼBtk とホスホリパー図6-11 BCR を経由するシグナル伝達経路p65 p50RacAKTGSK3Grb2Igα- IgβBCR抗原受容体複合体のチロシンキナーゼ活性化細胞質内シグナル伝達Ras/MAPキナーゼ経路NF-κB経路転写因子活性化IP3PLCγ PI3KDAGSosVavRasPKCMALT1MAP3KCa2+放出NF-κB核内B細胞活性化機能分子の遺伝子発現転写因子の遺伝子プロモーターへの結合MAPKKMAPKSLP65SykIκBBCL10 CARMAIKKカルシニューリンS6KmTORp50 NFAT タンパク質合成CREBAP-1 EIK-1p65IκBBtkP(I 4,5)P2核内で遺伝子発現細胞質小胞体細胞膜Lyn