ブックタイトル免疫学コア講義 改訂4版
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免疫学コア講義 改訂4版
基礎免疫学編102Advanceサイトカインの分類とおもな機能 サイトカインを受容体の構造に基づいて分類し,また,そのおもな機能を記す.1)Ⅰ型サイトカイン受容体を用いるサイトカイン Ⅰ型サイトカイン受容体(図 1)は,サブユニット構造により4 つのサブグループに分類される.Ⅰ型サイトカイン受容体はリガンド特異的結合鎖(α鎖)と共有鎖(β鎖,γ鎖,gp130 鎖)から構成され,サイトカインの機能の重複性は共有鎖の働きによる.エリスロポエチン受容体などは1種類の分子のホモ二量体で形成されている.a)γc 鎖を共有鎖とするサイトカイン① IL- 2 抗原や抗原などで刺激されたCD4+T 細胞はIL- 2 を産生する.活性化したT 細胞はIL- 2 受容体も発現するため,T 細胞は自らが産生したIL-2に反応して増殖する.また,IL- 2 はCD8+T 細胞の増殖と細胞傷害性T 細胞(CTL)への分化,NK 細胞の増殖と活性化,活性化したB 細胞の増殖と分化を誘導する.IL- 2受容体は,α鎖,β鎖,γ鎖から構成される高親和性受容体とβ鎖,γ鎖から構成される中親和性受容体とがある.α鎖はCD25とよばれ,CD25+CD4+Treg の分化にはIL- 2 が必須α βIL-2γc αIL-4γc α βIL-15α γcIL-7γc αIL-9γc αIL-21γcγc 鎖を共有するサイトカイン受容体 IL-4α鎖を共有IL-12サブファミリーαIL-4/IL-13α1α βcIL-3α βcIL-5α βcGM-CSFβc 鎖を共有するサイトカイン受容体gp130鎖を共有するサイトカイン受容体IL-6R可溶型IL-6RIL-6 IL-6IL-11Rgp130 gp130 gp130 LIFR gp130 OSMR gp130IL-11 LIF/OSM OSMIL-12p40 p35IL-12Rβ1 IL-12Rβ2IL-23p40 p19IL-12Rβ1 IL-23RIL-27EBI-3 p28gp130 IL-27Rα(WSX-1)IL-35EBI-3 p35gp130 IL-12Rβ2LIF:白血病抑制因子,OSM:オンコスタチンM図1 Ⅰ型サイトカイン受容体の構造と共有鎖Ⅰ型サイトカイン受容体は,共有鎖の違いから,3つのグループと図には示さないがホモ二量体を形成するグループに分けられる.IL-12受容体サブファミリーは,受容体の一部があらかじめリガンドに結合した構造をとるグループであり,gp130を用いるグループの下位に位置する.