ブックタイトル検死ハンドブック 改訂3版

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概要

検死ハンドブック 改訂3版

a.個体死とは1) 心,肺,脳の機能のいずれかひとつの永久的停止をいう(臨床的死).2) 人体を構成するすべての細胞の死を個体死とする考えもある(生物学的死).b.個体死の判定(個体死の確認を含む)1 ) 原理以下の2点が満たされた場合.a) 心,肺,脳の1?3臓器の機能の完全停止.b)a)の機能停止が現在の医療水準で永久的に持続すると判断されること.2 ) 判定の根拠死の判定を確実に行うためには情報量が多いほうがよい.a) 三徴候説:心停止,呼吸停止,脳機能停止の,いわゆる死の三徴候による死の判定.b) 二徴候説:心停止と呼吸停止による死の判定.・両者によって脳機能はいずれ完全に停止すると考える.c) 一徴候説:心,肺,脳のいずれかひとつの永久的機能停止(生命の環の断裂)による死の判定.?脳死の判定はこの説に基づいている.3 ) 判定方法a) 生命維持装置を装着していない患者従来通り三(二)徴候説(脳死に対し心臓死)によって個体死を判定する.b) 生命維持装置を装着している患者・心停止が先行した場合:心臓死.?脳死を考慮する場合:改正臓器移植法の脳死の判定基準に従う.c.脳死生命維持装置の進歩,普及によって生じた新しい死の概念である.臓器の移植に関する法律(臓器移植法)では,「脳死した者の身体」(脳死体)から32図2-1.生命の環(錫谷)