ブックタイトルクリニカルクエスト

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概要

クリニカルクエスト

258 抗リウマチ薬の進歩により,RAの治療は従来の症状軽減から寛解・治癒を目標としたものにシフトしている.2010 年にヨーロッパリウマチ学会(EULAR)を中心に「目標達成に向けた治療」(Treat to Target:T2 T)という名のもと,治療勧奨がまとめられ,2011 年にはアメリカリウマチ学会(ACR)とEULAR 共同で目標とすべき寛解基準が定められた.「①圧痛関節数≦ 1,② 腫脹関節数≦ 1,③ CRP ≦ 1 mg/dL,④ 患者全般評価≦ 1 をすべて満たす」か「SDAI ≦ 3 .3」のどちらかに該当すれば寛解とみなす(SDAI= 圧痛関節数(0 ?28)+腫脹関節数(0 ?28)+ PtGS(0 ?10)+PhGS(0?10)+ CRP(mg/dL)). 設問であるが,CRP のみで疾患活動性を評価すべきではなく,また発症早期はX 線所見に異常を呈さない.患者の訴えは大事だが,常に滑膜炎の活動性を示すとは限らない.疾患活動性はSDAI などで評価する.SDAI > 26 は高活動性,11 < SDAI ≦ 26 は中等度活動性,3 .3 < SDAI≦11は低活動性,SDAI≦3 .3は寛解となる.症例のSDAIは16 .4であり,中等度活動性に分類される.今のところ,MTXの副作用は出ていないため,寛解を目標として,MTXの増量を考える.・ Felson DT, et al:American College of Rheumatology/European League againstRheumatism provisional definition of remission in rheumatoid arthritis for clinical trials.Ann Rheum Dis, 70(3):404-413, 2011 .・ Aletaha D, et al:Remission and active disease in rheumatoid arthritis:defining criteriafor disease activity states. Arthritis Rheum, 52(9):2625 -2636 , 2005 .宝 箱新しい疾患活動性の評価基準を覚え,専門医と連携をとりながら,寛解を目指した治療を行う.専門医のスキルSDAIなどを用いて,総合的かつ客観的にRAの活動性を評価する.正解した! → 233ページ  不正解だった → 209ページ②SDAIにて疾患活動性は中等度正 解★ ★ ★