ブックタイトルいまどきの依存とアディクション
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いまどきの依存とアディクション
80プライマリ・ケア医による解答1) この後の診察の進めかた診療のポイント①処方希望の受診や,慢性連日性頭痛から拾い上げる②薬剤乱用性頭痛を起こしうる薬剤と背景頭痛(片頭痛と緊張型頭痛の鑑別)③社会・心理的背景への配慮と,原因薬物中止後の反跳性頭痛の説明a. 薬剤乱用性頭痛Medication overuse headache(MOH)を疑うポイント以前からの頭痛に対する鎮痛薬を希望され受診を繰り返していることが,カルテからわかりました.しかし,他院で処方されたり,OTC(over the counter)薬を購入していたり,カルテからはわからない場合もあります.「どうして薬が必要なのか?」を確認し,頭痛に対してOPQRST に基づいた問診を行えば,効率的に鑑別を絞ることができます(表Ⅰ-5-1).b.慢性連日性頭痛 Chronic daily headache(CDH)3 か月にわたり1 日4 時間以上の頭痛が月15 日以上(1 年間に180 日以上)続く場合,慢性連日性頭痛(CDH)といいます.ここでは慢性連日性頭痛かどうかがMOH を疑う1つのポイントになります.慢性連日性頭痛は,78 % が変容性片頭痛,15.3 % が慢性緊張型頭痛,6.7 % が他の頭痛との報告があります1).女性に多いとされ,その多くは片頭痛が経年的,あるいは薬剤の影響を受けて変容A表Ⅰ-5-1.OPQRSTO Onset:発症様式突発,急性,緩徐P Palliative/Provocation:増悪・寛解因子Valsalva 手技,体位,体動,光過敏Q Quality/Quantity:症状の性質・ひどさ拍動性,持続性,人生で最悪かR Region/Radiation:場所・放散の有無片側性,両側性,後頭部,頸部S Association symptom:随伴症状精神/ 神経症状,嘔気/ 嘔吐,発熱T Time course:時間経過初発,増悪傾向,慢性再発性