ブックタイトルいまどきの依存とアディクション

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概要

いまどきの依存とアディクション

1451.患者に対する援助D. おっかない依存症患者から殴られないために1) 本当は怖くなんかないですよアディクション関係の患者というと,多くの先生方が,「おっかない」「いうことを聞かない」「凶暴」「攻撃的」といったイメージを抱いているのではないでしょうか.まあ,気持ちはわからなくもありません.たとえば,今でこそ少なくなりましたが,かつては覚せい剤依存患者といえば,「小指がない」とか,「聴診しようと思ったら,背中に鮮やかな色彩のモンモンが彫られてあった」といったイメージですよね.でも,人を見た目で判断しちゃダメです.アルコールに酩酊していたり,覚せい剤でパキパキにキマッていたりしなければ,依存患者はふつうの人です.それどころか,しらふのときには,「この人,いい人だな」と思わせてくれる人も少なくありません.もちろん,なかには多少気性の荒い人もいないわけではありません.また,反社会的集団のなかで生きてきた人の場合には,威嚇や暴力の脅しを交渉の有効な武器として用いてくる人もいます.それから,アルコールや薬物の渇望に駆られていれば,声を荒げたり,恫喝したりすることもあるでしょう.でも,そう簡単には手を出しません.警察沙汰の面倒臭さは,間違いなく先生よりもよく知っています.ですから,もしも先生がそうした患者から殴られたとしたら,たぶん先生にも非があります.対人援助のプロとして何か配慮が足りなかった可能性があります.そこで本項では,見た目,「おっかない」患者に殴られずにすむためのちょっとした配慮について取り上げたいと思います.2) こんなスタッフが殴られる私がかつて薬物依存専門病院に勤務していた頃,一番,患者に殴られる病院スタッフには,2 つのお決まりの特徴がありました.1 つは,患家族に対する援助/介入のコツ地域ネットワークを活かすプライマリ・ケア医が知っておくべき司法上の問題患者に対する援助