ブックタイトル認知症診療に役立つ77のQ&A

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概要

認知症診療に役立つ77のQ&A

156家 族より家 族より 昨今の家族構成の状況から,認知症に進展している独居患者さんを診療する機会が多い.診断ならびに治療,介護を含めて,課題が山積している事例も少なくない.同居していない家族から抗認知症薬あるいは向精神薬を処方してほしいと相談を受けたときの対策を考える.患者さんしか服薬管理ができない場合には処方をしない! が原則 認知症と診断した独居患者さんで,患者さんしか服薬管理ができない状況では,服薬管理を含めた介護支援体制が構築されるまで薬を出さないのが原則である.経験的に述べると,軽度アルツハイマー型認知症では,患者さん自身で服薬管理ができることが多いかもしれない.しかし,そのような場合でも,しばしばトラブルになるケースが少なくない.最近経験した事例であるが,同居していない息子さんが希望されるのでリバスチグミン(リバスタッチR パッチ,イクセロンR パッチ)を開始したが,9 mg に増量した後,患者さんが自ら1 度に10 枚貼付してしまい,不都合な状態を生じたことがあった.薬の管理くらいは患者さんだけでできるだろうと考えると,時に痛い目に遭うことがある.服薬管理体制をどう構築するか? 服薬管理には,患者さん以外に必ず1人以上の人間がかかわるのが原則である.認知症患者さんだけに服薬管理を任せてはならない.周囲の人々が服薬管理にかかわる支援体制が構築されるまで処方を開始すべきでない.服薬管理への対策を家族らに呈示できるスキルを身につける.処方する医師にも工夫が必要.AQ 70独居ですが薬を処方していただけませんか?(患者さん:81歳,女性)