ブックタイトルかかりつけ医・非専門医のためのレビー小体型認知症診療
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かかりつけ医・非専門医のためのレビー小体型認知症診療
12診断の手順はアルツハイマー型認知症と同じ レビー小体型認知症の臨床診断の手順は,アルツハイマー型認知症のそれと大きな違いはない.重要なことは,患者さんの生活状況をよく知る家族あるいは周囲の人々からの詳細な病歴聴取と,患者さんの問診・診察である.この2つの段階で,認知症が存在しているのか否かの大まかな判断は可能である.その後,頭蓋内の器質的疾患を除外するためにCT あるいはMRI 検査を必ず施行すべきである.病歴聴取のコツ 認知症の視点からみると,レビー小体型認知症患者さんが受診してくるきっかけは,家族や周囲の人々が,①もの忘れがひどいので認知症ではないかと心配している,② 幻視や妄想がみられて困っている,③ 迷惑な行動が多く対処に悩んでいる,の3パターンである.このパターンから,どのようにレビー小体型認知症を考えていくかが問題になる.いずれの場合でも,発症時期は不明,症状の緩徐な進行・悪化は共通してみられるものである.もの忘れがひどいので認知症ではないかと心配し受診してきたとき この場合,まずアルツハイマー型認知症の存在を疑うことになるが,なかにはレビー小体型認知症やその他の認知症が潜んでいる可能性も否定できない.もの忘れの性状とともに,幻視や妄想,誤認の存在を家族から訴えてくれる場合にはレビー小体型認知症の可能性が浮かんでくる.もちろん,アルツハイマー型認知症でも幻覚や妄想がみられる事例も少なくないので,それだけでレビーA 病歴聴取と問診・診察がレビー小体型認知症を診断するための原則である.幻視の存在と症状の動揺性の有無を確認できると診断の手助けになる.レビー小体型認知症診断の手順とは?Q6 〈その1〉