ブックタイトルかかりつけ医・非専門医のためのレビー小体型認知症診療

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概要

かかりつけ医・非専門医のためのレビー小体型認知症診療

20 実臨床でかかりつけ医・非専門医の先生方の外来を受診する認知症疑い患者さんのなかから,レビー小体型認知症を疑うポイントについて解説する.典型例を疑うことは容易 レビー小体型認知症を疑うポイントで最も重要なことは,レビー小体型認知症の存在を頭に浮かべることである.認知症を生じる原因疾患として,実臨床ではアルツハイマー型認知症が圧倒的に多い.次に血管性認知症,レビー小体型認知症と続き,かかりつけ医・非専門医の先生方の外来では,この3 疾患のいずれかを診療する可能性が高い.レビー小体型認知症の中核症状である変動する認知機能障害と幻視,パーキンソン症状が揃っている事例では,レビー小体型認知症という疾患を知っている限り,その診断に迷うことはない.いくつかの情報からレビー小体型認知症を疑う 表9 -1 は,実臨床でレビー小体型認知症を疑うポイントを示したものである.A 3 主要徴候が揃う事例では診断は容易である.症状・状態の動揺性とパーキンソン症状, レム睡眠行動障害(RBD)がみられるときにはレビー小体型認知症を疑う.診察室での患者さんの様子や行動も疑う一助になる.日常臨床でレビー小体型認知症を疑うQ9 ポイントを知りたい表9 -1 レビー小体型認知症を疑うポイント● もの忘れがみられる(目立たないこともある! )● いない人間や物,動物がみえると訴える● はっきりしているときとそうでないときの差が激しい● 動作が緩慢になった,歩行が小股になった● 転びやすい,失神を繰り返す● 睡眠中に大声をあげたり,異常な言動や行動がみられる● うつ的である,妄想がみられる