ブックタイトル在宅医療をはじめよう 非がん患者の自宅での看取り

ページ
8/12

このページは 在宅医療をはじめよう 非がん患者の自宅での看取り の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

在宅医療をはじめよう 非がん患者の自宅での看取り

158退院支援で大切なことって?患者さんと家族の不安をなくすことよ 前回の第11話(p.141)では,退院前カンファレンスは地域の多職種との関係づくりに有効だというお話をしましたが,それ以前に絶対に忘れてはならないことがあります.退院前カンファレンスは,患者さんと家族のために開かれるということです.退院前カンファレンスだけが退院支援ではありませんが,退院前カンファレンスには大きな役割があります. 入院経験のある方ならおわかりでしょうが,患者さんにとって退院はとても嬉しいことですが,同時に不安も多いものです.「自宅でどのような療養生活が送れるのだろう?」,「どんな在宅医や看護師が家に来るのだろう?」,「今,病院でやってもらっている医療処置と同じことが家でもできるのだろうか?」と,患者さん本人だけでなく,支える家族の不安も強いことが少なくありません.その不安を解消するためにも,必ず退院前カンファレンスは在宅医側から提案し,開催するよう働きかけてください. 病院主治医から在宅医へと引き継ぎが行われる場に,患者さん本人や家族も同席することで,自分のことがちゃんと伝えられていると確認できますし,ケアマネジャーや訪問看護師,訪問介護事業所のスタッフなど,大勢の在宅療養側のスタッフに会えば,「自分たちはこんなに多くの人に支えられているのだ」と心強く思うはずです.また,患者さん・ご家族,在宅療養を支えるスタッフ双方が顔合わせできる絶好の機会にもなります.ただし,先ほども述べたように,退院前カンファレンスだけが退院支援ではありません(図12 -1).入 院在宅療養開始 在宅療養の継続退院後1ヵ月間退 院入院中退院準備期間?一時外出や外泊で,自宅での療養に自信をつけてもらう?介護保険の要介護認定申請が可能なら,手続きをする?退院後の療養を支える在宅医やケアマネジャー,訪問看護ステーションなどについての提案を患者に行い,希望のあった医療機関や事業所に連絡をする?退院前カンファレンスの開催?退院日から2週間ほどは,訪問診療・訪問看護の回数を増やす?自宅での療養生活が落ち着き,患者や家族が不安なくすごせるようになったら,患者本人のやりたいことなどの希望を聞き,実現できるように支援する?在宅医は退院日に初診を行う?在宅側スタッフも初診に合わせて患者宅を訪問する図12-1 退院前後の支援モデル