ブックタイトルTHE 整形内科

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概要

THE 整形内科

214Ⅱ ? よくある運動器疾患,疾患ごとの診断と治療はじめに 手指のしびれや痛みは総合診療医が相談を受ける機会の多い症状である.本項では,そのなかでも頻度の高い,絞扼性神経障害の「手根管症候群」と「肘部管症候群」,狭窄性腱鞘炎の「ばね指」と「de Quervain(ドケルバン)病」,そして外傷であっても軽視されがちな「突き指」を取り上げ,症状,病態と診断,治療,整形外科医に紹介するタイミングについて述べる.画像診断としては,当科で通常行っているエコー診断を中心に解説する.A 絞扼性神経障害 「手のしびれ」が主訴となる疾患のうち,頻度が高いのは糖尿病性末梢神経障害や頚椎・頚髄由来の疾患(Ⅱ- 19:p.170参照),正中神経や尺骨神経の絞扼性神経障害である.絞扼性神経障害とは,神経がその走行の一部でなんらかの原因により物理的・慢性的に締めつけられて起こる障害のことである.神経には絞扼を受けやすい場所があり,感覚障害の範囲から,どの神経の障害なのか,おおよその検討がつく(図23-1).「神経障害」症状に合致しない場合(分布など)は,より中枢での障害を疑う.手 指23 ─神経障害・腱鞘炎・突き指─正中神経   尺骨神経   ??骨神経手 掌手 背図23-1 ? 手の感覚支配領域