ブックタイトル生きると向き合うわたしたちの自殺対策
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生きると向き合うわたしたちの自殺対策
85プロローグ:保健師からの電話 「もしもし,こちらは市の保健センターに所属する保健師の〇〇と申します.実は,このたび先生に市の自殺対策ネットワーク会議のメンバーに加わっていただきたいと思いまして,詳しい説明とお願いのためにクリニックにお邪魔したいのですが,お時間をいただけますでしょうか?」 ある日,こんな電話があなたのクリニックにかかってきた. あなたはフツーの開業医であり,一般内科と小児科を中心とするプライマリ・ケアの診療に従事している. 「えっ,私は精神科医じゃありませんよ.自殺対策といわれても,正直なところよくわかりませんが……」 困惑するあなたに対して,保健師はこう答えた. 「お忙しい先生に,突然ご無理なお願いを申し上げまして恐縮です.自殺対策ネットワーク会議には,もちろん精神科の先生もすでにメンバーに入っていただいております.ところで,うちの市で1年間に何人ぐらい自殺で亡くなられるか,その数を先生はご存じですか?」 「お恥ずかしいことに,全く知りませんし,見当もつきません」 「そのあたりの事情も含めまして,いろいろとご説明させていただきたいと思いますので,どうかよろしくお願いいたします」 「お役に立てるかどうかわかりませんが,お話をうかがうだけでしたら……」 「ありがとうございます.では,詳しい内容はそのときに」 面会のアポイントメントを交わして,保健師からの電話は終わった.保健師との対話で地域の実情を知る あなたのクリニックへ,保健センターの保健師が2人でやって来た.2人は保健センターのなかで,自殺予防対策の企画と実施を担当していると自己紹介した. 保健師が持参した地域の詳しい自殺統計を初めて眼にしたあなたは愕然としてしプライマリ・ケア医が診療所の14 外に出て行う自殺予防活動Scene7:地域で