ブックタイトル生きると向き合うわたしたちの自殺対策

ページ
4/12

このページは 生きると向き合うわたしたちの自殺対策 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

生きると向き合うわたしたちの自殺対策

93学校医や家庭医と地域とのかかわり遠井 企画のお話があったときに,僕のほうから松坂先生を学校医としてあげさせていただきました.家庭医のなかでも,子どもとのかかわりについて,積極的にワークショップをやっていらっしゃる印象がありました.今回の「プライマリ・ケア医として子どもの自殺に地域で向きあう」というテーマは,結構難しい印象があります.実際,自分の学生時代に学校医の先生は誰だったか,ほとんど記憶がない,あるいは意識していなかったと思うんですね. 学校医としてできること,「自殺に向き合う」ということでは,たとえば,これまで子どもたちの気持ちが自殺に傾いたときに,相談相手として学校医はあまりイメージしなかったし,実際にあまり聞いたことがない.逆に自殺の話が出た時に,「誰に相談するのか」と考えると,学校の先生や,友だちが思い浮かぶのではないでしょうか.学校医としては,かかわり方次第では,今後新しい役割が出てくる可能性があります.そう意味では,地域に近い家庭医が担う役割は大きいと思います. 松坂先生は学校医としてどのような活動をされているのでしょうか.松坂 地域の家庭医と学校医,それぞれの立ち位置で,活動内容を区別しているかというと,そういうわけではないのですが,ただ学校医として行ったほうが学校を使って開催しやすいので,学校医と銘打ってやっている活動もあります.学校医のメリットというのは,学校に気軽に入っていけることです.アポイントメントもなしにいきなり小学校に入っていくなんて,普通に考えると確実に不審者扱いだと思います. 「学校」にはみえないバリケードがあり,地域との間には一定の距離感があるのですが,訪問診療(往診)ついでに,発表会の練習風景を眺めて帰ったり,授業をちょろっと覗いて子どもたちとと雑談したりできるのが学校医だと思います.僕の記憶にあるプライマリ・ケア医として子どもの自殺に地域で向き合う対話②15Scene7:地域で松坂英樹( 松坂内科医院/奈義ファミリークリニック)遠井敬大( 埼玉医科大学総合医療センター救急科(ER))参加者