ブックタイトルポリファーマシー見直しのための医師・薬剤師連携ガイド

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概要

ポリファーマシー見直しのための医師・薬剤師連携ガイド

22第3章 医師・薬剤師の対応・連携に関するクエスチョン(Q)と解説Q2-1 意図不明の継続処方に対して医師のどのような対応・連携が推奨されるか? Summary ● 急性期医療機関と非急性期医療機関相互の移行は,意図不明の継続処方の原因になりやすいことに留意する.● 意図不明の継続処方がある場合,医療機関,本人や家族に病歴を確認し,病歴と薬歴が合致するかを確認する.● 服薬内容のレビューを行い,かかりつけ医や薬剤師らとの連携の下で意図不明の処方に対応する.関連する症例:2(p.111),8(p.135),19(p.175),21(p.184)解説高齢者の急性期医療機関から非急性期医療機関の間の移行は,さまざまな問題を引き起こす.急性期医療機関において,急性期治療を目的に処方された薬剤が,その後も継続されている場合がある 1).カナダの報告では向精神薬の場合は1. 4%,消化性潰瘍治療薬の場合は6. 1%に認められた 2).このように本来の意図から外れた処方がある場合には,医療機関および本人あるいは家族らに病歴を確認し,病歴と薬歴が合致するか確認を行う.意図不明の薬剤が「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」に該当する場合は,『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015』の使用フローチャート(p.18 図3-1参照)に従って減薬を実施する 3).意図不明の薬剤がリストに該当しない場合であっても,ポリファーマシーであることは,転倒などのさまざまな薬物有害事象の原因となる 4).したがって,服薬する薬剤数が可能な限り少なくなるように調整するのが望ましい.また,意図不明の薬剤をレビューする際に,かかりつけ医や薬剤師と連携することにより,不適切な処方が修正される可能性が高まる 5).文献1) Mixon AS, et al:Care transitions:a leverage point for safe and effective medication use in older adults--amini-review. Gerontology, 61(1):32-40, 2015.2) Gamble JM, et al:Medication transitions and polypharmacy in older adults following acute care. Ther ClinRisk Manag, 10:189-196, 2014.3) 日本老年医学会/日本医療研究開発機構研究費「高齢者の薬物治療の安全性に関する研究」研究班 編:高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015,日本老年医学会,2015.4) Kojima T, et al:High risk of adverse drug reactions in elderly patients taking six or more drugs:analysis ofinpatient database. Geriatr Gerontol Int, 12(4):761-762, 2012.5) Chau SH, et al:Clinical medication reviews in elderly patients with polypharmacy:a cross-sectional studyon drug-related problems in the Netherlands. Int J Clin Pharm, 38(1):6-53, 2016.