ブックタイトル在宅医療 臨床入門 改訂2版

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概要

在宅医療 臨床入門 改訂2版

74私たちの認識によれば,「24 時間対応」は,「日中の診療内容」と不可分である.逆説的であるが,「有効な24 時間対応は日中の医療水準によって決定される」といっても過言ではない.医師の仕事の重要な要素は「予測する」ことである.すなわち,日中の診療で,夜間や休日に起こりうることを予測し,「予測に応じた治療」や,「起こりうることの説明」「使用するかもしれない頓用薬の処方」などを行うことにより,夜間の患者・家族からの相談(および夜間臨時対応)を減らすことができる.また,導入して間もない患者や,がん患者などの場合には,毎日あるいは隔日に,医師や看護師がこまめに訪問し,そのつど起こってくるさまざまな疑問や問題点を次々と,日中の対応を通じて吸収していくことにより,夜間の患者・家族からの相談(および夜間臨時対応)を減らすことができる.そして,このような活動を行った上で,「夜間対応を積極的に行う」と,明確に患者や家族に宣言することで大きな安心を与えることができる.また,夜間,患者や家族から電話相談を受ける場合にも,臨時往診を行う場合でも,その大部分は「予想のうち」であり,医師の側では,あらかじめある程度の心構えを持って行うことが多い.その日に病状不安定な患者に対しては,日中の診療終了後,再度夕刻(例えば7 時あるいは8 時ごろ)に訪問し,問題点を解決したり,再度,説明を行う医師もある.この方法も,夜間の不安を吸収する作業であり,本人や家族に安心を与え,夜間の電話相談や臨時往診の必要性を低下させることができる.2 あおぞら診療所の医師の夜間呼び出しの実態についてでは,現実に,「夜間に医師はどれだけ呼ばれる」のであろうか.2007 年4 月?2008 年3 月における2 診療所での夜間(18:00 ?9:00)対応実態を調査した.すると,あおぞら診療所(上本郷)における