ブックタイトル在宅で褥瘡に出会ったら 改訂2版
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在宅で褥瘡に出会ったら 改訂2版
34第4 章褥瘡のアセスメント1 なぜ褥瘡ができたのかA.褥瘡のナラティブ褥瘡の原因は,一般的には圧迫,ズレなどの応力によるものである.長時間体位交換なしに仰臥していた場合,あるいはヘッドアップのままで長時間体位交換なしで少しずつ下方にずれ落ちた場合などに加わる患部への外力がそれにあたる.これらの好ましくない外力が加わることを排除できれば,褥瘡の発生あるいは悪化を防ぐことができるため,今まで行ってきた介護のやり方を変えていく必要が生じることになる.もしも病院に入院した場合には,介護環境が大きく変わり,このような外力から比較的容易に開放することができるかもしれない.一方,在宅では介護の方向性を変えることは簡単にはいかないことが多い.在宅での介護は各家庭によっての介護力の差が大きく,介護者が高齢化していることなど,現状の介護保険の介護度に加えて,これ以上の介護負担を家族が担うことが不可能であるケースも少なくないためである.このように,在宅では職業的介護者以外の家族が褥瘡ケアに深く関わるため,さらにすすめて,「このような外力が加わることになった事情」についても考慮すべきであると思われる.それぞれの家族の事情があり,介護環境を簡単に変更することができないことが少なくない.これらの事情を内包させたまま,在宅褥瘡ケアもスタートするのである.単に介護や看護環境を変えようとするのみでは,その介入は失敗することが多い.真に褥瘡に至った原因,というよりも「事情」が放置される可能性があるためである.この「事情」は家族,あるいは本人の口から語られることに意味がある.この当事者の口から語られる「事情」,それは「語り」すなわちナラティブにほかならない.在宅で家族とと