ブックタイトル骨・関節疾患の在宅医療

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概要

骨・関節疾患の在宅医療

87各論(外傷)11.足関節の外傷足関節の外傷はスポーツ外傷・障害において高頻度に見られる疾患であるが,在宅医療の現場においても遭遇する機会は多い.特に階段からの転落,段差を踏み外すなどの「足関節の捻挫」はしばしば見られる外傷である.本項では,足関節捻挫と在宅現場で遭遇する足関節・足部の骨折のなかでも特に頻度の高いものについて記述する.A.足関節捻挫足関節捻挫の多くは内反捻挫であり,外側靭帯,特に図11-1 における③前距腓靭帯の損傷である.その頻度は一般的に,Ⅰ度:靭帯線維の微小損傷,Ⅱ度:靭帯の部分断裂,Ⅲ度:靭帯の完全断裂に分類されている.在宅医療の現場における診断としては,臨床所見と徒手検査が挙げられる.臨床所見としては腫脹,疼痛,圧痛,皮下出血,動揺性などを認め,重症度①前脛腓靭帯①脛骨③距骨②腓骨④踵骨前距腓靭帯踵腓靭帯外側靭帯後距腓靭帯後脛腓靭帯②③④図11-1.足関節部の靭帯(外側)