ブックタイトル骨・関節疾患の在宅医療
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骨・関節疾患の在宅医療
88各論(外傷)に応じてその程度は強くなるが,スポーツ外傷などと異なり,Ⅲ度の完全分裂はまれであると思われる.徒手検査としては,内がえしを強制する内反ストレステスト(図11-2)や前方引き出しを強制する前方引き出しテスト(図11-3)などがあるが,すでに腫脹を伴っている場合は疼痛が強く,評価が困難な場合が多い.治療は,急性期(受傷直後より3 日)にはRICE(安静,冷却,圧迫,高挙)が基本となるが,特にこの期間の冷却,圧迫は損傷組織の出血や腫脹を軽減させ,その後の治癒過程に大きく影響する.実際の方法としては,在宅医療の現場を考えると,アンクルバンド(図11-4)による固定が最も簡便で効果的である.軽度の捻挫では受傷直後より使用可能だが,腫脹,熱感などの炎症所見が強い場合には,氷嚢,弾性包帯などを用い,炎症の正体を待ってから使うとよい.スポーツへの復帰などを考えた場合には,受傷後3 日以降の亜急性期には,積極的な運動療法が推奨されている.筋力,関節可動域の回復などであるが,在宅医療の現場ではなかなか難しいと思われる.しかしながら,過剰な固定期間などによる運動刺激からの隔離は,靭帯や関節包などの力学的強度を低下させることが知られている1).軽度であれば,1 週,その他でも2 ?3 週で図11-2. 足関節の内反ストレステスト一方の手で下腿を把持し,他方の手で踵部を把持しながら内反ストレスを加える.図11-3.足関節の前方引き出しテスト足関節を中間位にして片手で下腿を把持し,もう一方の手で足部を持って前方へ牽引する.