ブックタイトル小児の訪問診療も始めるための31のポイント

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概要

小児の訪問診療も始めるための31のポイント

4.病院から地域への移行を支援する314A 小児の地域連携の特徴小児の地域連携の特徴を表4-1 に挙げる.在宅医が初めて小児在宅医療にかかわる時,子どもの状態や病態以上に当惑するのが,地域連携の困難さであろう.その中でも,決定的に異なるのが,主治医が病院と在宅医の2 人になること,そして,ケアマネジャーの働きをする人が,不明確であり,地域に少ないということである.特に医師同士の連携の在り方の違いは大きい.成人の場合は,在宅医療の対象となる患者に,病院主治医が継続してかかわることは少ない.在宅医療の適応は,「通院困難」であり,ADL 障害などさまざまな理由から病院への通院が困難,あるいは,がん末期でこれ以上病院では治療を受けたくないという方が,在宅医療を選択する.したがって,病院とのかかわり病院から地域への移行を支援する小児の在宅医療のシステムには成人の在宅医療と異なるいくつかの特徴があり,その基本的知識は,重症児の病態についての知識と同様に診療上重要となります.ここでは,小児の在宅医療では病院医師との2 人主治医制になること,ケアマネジャーに相当する職種がなく医療と福祉をつなぐ仕組みがないこと,福祉制度自体にも未整備の部分が大きいこと,といった具体的な特徴と,それをふまえた支援方法について解説します.表4-1 小児における地域連携の特徴在宅医と病院医師の2 人主治医制になるかかわる医師が複数(在宅医,病院,療育機関)医師間のコミュニケーションが綿密に必要だが実際は困難医療と介護(福祉)をつなぐ仕組みがないケアマネジャーにあたる機能がない訪問看護が医療保険で賄われるため福祉との連携が難しい福祉制度(介護)の未整備ヘルパーが使えない(乳児,幼児は最初から対象外)デイケア,短期入所が未整備な上,通所が困難で使えない